愛してる。これまでは。
おはようって呟いた先に彼女は居ない。
昨日のことがやけに曖昧で、悲しみの感情が僕に着いてこれていないのだろう。このまま置き去りにしたかったがそう言う訳にもいかず、そいつは僕に追いついてきた。
何か悪いことしたかなぁって考えるけど、そういえば最近冷たかったなとか、あまり遠出してないなとか、理由と後悔がごっちゃになって、そしてそれは目の下にまで現れて頬を下っていく。
これが悲しいという感情か。もっと深く泣き叫ぶものかと思ったがそういう訳でもないらしい。自然と目は赤くなり、何も考えていなくても涙が溢れる。制御の効かなくなった身体は自分で無くなっていくようだった。
好きだよ。いや、好きだった。今までありがとう。