05 また
翌朝、俺達は無事に救助され、家に帰ることができた。
とんだ休日になってしまったが、時戸は意外にもあまり気分を悪くしたようには見えなかった。
「私、誰かと一緒に遊びに行くの。久しぶりだったから」
それに、と彼女は続ける。
「洞窟にいたとき、なんだかすごく安心する夢を見たの。私はその夢の中で、蛍を探して迷子になった女の子になってたんだけど、最後にはちゃんとお家に帰れたっていう夢」
俺は洞窟での出来事や、美術館での出来事を思い出す。
時戸にはやっぱり不思議な力がある。
月城先輩にもそういうのがあるらしい。
結局それは一体なんなのだろうか。
分からない事だらけだけど、その力には、彼女を危険な目に遭わせることがないようにしてほしい。
時戸は見かけ通り危なっかしいし、頼りない。
俺は彼女にはできるだけ笑ってほしいし、昔みたいに元気になってほしいのだから。
「じゃあ、また遊びに誘えばいいじゃん」
「ええ、無理だよ…」
「やる前から、そんな弱気になるなよ」
月城先輩もきっと、水城先輩に対して俺と同じようなことを考えているんだろうなと思いながら、時戸に向かって話しかけたのだった。




