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ただすれ違っただけの君を助けたい 月城白亜の物語  作者: 透坂雨音
時都琥珀の物語

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20/30

06 友理奈と白亜のデート



 私は、美術館へと足を向かわせる。


 一人じゃない、同じ年ごろの男の子と一緒に。


 隣にいるのは、月城白亜君。


 私の名前とちょっと似た名前の男の子だ。


 白亜君とデートをするのはこれが初めてではない。


 でも、初めてだと思うようにしている。


 だって、あの時は私の心はいっぱいいっぱいだったから。


 水城友理奈として初め増しての挨拶をしてからは、初めてではある。


 そう思って一生懸命お洒落したけど、白亜君は気が付いてくれたかな。


「白亜君、今度はこっちに行こうよ」

「いいけど。よくそんなに元気に歩けるね」

「白亜君が、貧弱すぎるんだよ。せっかくだから、もうちょっと頑張ろうよ」


 私は乗り気ではない白亜君を引っ張って、美術館へと向かう。


 白亜君はよく無気力になるけど、私が引っ張ると一応引っ張った方に来てくれる。


 それは嫌々という感じじゃなくて、どっちでも良いけど、君が言うならそっちでも別に良いかな。


 というような感じだ。


 うまく言えないけれど、なんだかその度に私の心はむずむずしてしまう。


「白亜君って、なんだかつっつきたくなるような性格してるよね」

「そう?」

「うん。巣穴から出てくるまで」

「僕は動物か何かか」


 呆れる白亜君の顔を見てニヤニヤするのは、ここの所の私の楽しみだ。

 

 ちょっととっつき辛いところはあるけれど、白亜君の顔を見ていると楽しい。


 意外と淡泊なように見えて、感情が豊かなところとか、付き合いが良いところとか。


 知れば知るほど、彼ともっと一緒にいたくなるのだ。


「へぇー、いろんな画家の作品が飾られてるんだ」


 美術館の中に入ったので、小声でそう喋ると、視界の隅に見覚えのある人物が目に入った。


 彼女は、同じクラスの女の子だ。


 その傍には、デートの相手なのか男の子もいる。


「時都さんもやっぱり来てたんだ」

「知り合い?」

「うん」


 私は白亜君に簡単に彼女の事を説明する。


 けれど、喋り終わるか終わらないかくらいに、彼女の姿がその場から掻き消えてしまった。


 私は思わず目を丸くして、隣に立つ彼の顔をまじまじと見てしまった。


 でも、白亜君はそんなこと、気にしていないみたい。


 まっすぐに時都さんがいた方を見つめている。


「白亜君、今の見た?」

「見えてない、って言いたい所だけど。一応」

「事件、だよね」


 あまり驚いていない白亜君と見つめ合う。

 彼はなんだかよく分からない表情でため息を吐いて、スマホを取り出した。


 誰かに連絡をするようだ。

 その相手は、警察とかではなさそう。


 こういう彼の表情は、まだなんだかよく分からないから、モヤモヤしてしまう。



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