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プロローグ 知らない他人



 僕は君の事なんて知らない。

 知るはずがないし、知りようが無かった。

 なぜなら僕と君は、その時までまったくの何の縁もない赤の他人で、言葉一つすら交わした事がない関係だったのだから。


 だから、僕は君の事なんて知らない。

 何一つ、その時が来るまで全く知らなかった。


 僕と君を表すのは、ささいな表現だけだ。

 たった一瞬。

 ただ一度。

 ほんの少しだけすれ違った人。


 他人。


 それだけなのだ。


 よそよそしくて、寒々しさすら感じる表現。


 どれだけ探したって、他人以上の最適な表現は他にないと思う。


 それなのに……。

 たったそれだけの関係のはずなのに。


 僕は君の事が気になっている。


 なぜなら、僕とすれ違った後、記憶にすらちゃんと残せないような一瞬の邂逅の後、眼の前で君が死んでしまったから。


 君はその時、何を思って死んだのだろう。

 どういう思いで生を終えた……?


 僕は君が気になっている。

 ただすれ違っただけの君の思いが。


 君は一体どうして、僕にそんなに泣きそうな表情を残して死んでしまったのだろう?



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