忌み子と聖人
「おかぁさん!いみこって、なに?」
「んー?忌み子?忌み子はね。怖〜い怖〜い、魔獣さんを呼び寄せて、人を食べさせちゃう人の顔した悪魔の事よ」
「まじゅーさん、こわいの?」
「怖いわよぉ。それはもう、とっっても。魔獣さんはね、人を食べちゃうのよ。がおーって」
「きゃー!」
「いい子にしてないと、忌み子がきて、魔獣さんに食べられちゃうわよ?」
「いやぁ。ぼく、いい子にする!」
「ふふふ。そうね、いい子にしましょうね」
「はぁい。…ねぇねぇ、おかぁさん。じゃあ、せーじんさまって、なに?」
「聖人様?聖人様はね、こわーいこわーい魔獣さんを追い払ってくれるすごーい人よ」
「せーじんさまいたら、まじゅーさんいなくなるの?」
「んー、居なくはならないけど、私たちがいる所に魔獣さんが来ないようにしてくれるわ」
「…?まじゅーさんいるのに、まじゅーさん、ぼくたち、たべなくなるの?」
「そうよ。聖人様が食べない様にしてくれるのよ」
「うわぁー!せーじんさま、すごぉーい!」
この世界には
忌み子と聖人が、存在する。
そのどちらも
生まれた時にもつ、特別な力によって、決められる。
分かりやすく言うならば、
忌み子も、聖人も、普通の人間も、
その境界線は、ただの『体質』によるものだ。
だと言うのに
忌み子がこうも悪く言われるのは
この家庭が特別そう言っているから、などではない。
聖人は善。忌み子は悪。
それが、
この世界の常識だからだ。
「聖人は善。忌み子は悪。」
という常識があるせいで、誰も、
「聖人も忌み子も生まれた時から決まっている」
と言うことに、疑問を抱かないので
「忌み子も、聖人も、普通の人間も、その境界線は、ただの『体質』によるものだ。」
と言うことに気がつかない。と言った感じです。
[改訂前との違い]
・全て変えました。昔話系から普通の家庭の会話に変更しました。
・『聖子』を『聖人』に変更しました。




