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2章 〜対決〜

「カイ兄、いきなり出てこないでよ。心臓に悪いでしょ!それに、レイナちゃん1人じゃ何かあったときに対応できないじゃない。」


「いや、向こうにも俺はいる。あっちにいるのは分身だが、実分身だからな。強さに変わりは無い」


実分身と分身と違いは、その強さにある。分身は分身した数だけ強さが減る。だが、実分身はそれが無い。その代わりに、分身した数だけ

疲労が増える。だから、どちらにせよ長い時間の分身ができないし、何体も作れない。


「さて、俺が戻ってきた理由だが、そいつ倒すのを手伝ってやろうかと思ってな」


カイがディルを指差して言う。しかし、マイヤは首を横に振って断った。


「やはりか。こういった物は自分の手で決着をつけたい物だからな。だが、これは受け取れ。この戦いでも役に立つはずだ」


マイヤの前の空間に2つの穴が開く。


「『出』紅龍くりゅう虎蒼こそう。これがこいつらの名前だ」


穴の中から2本の鞘に収まった刀が出現した。


マイヤは鞘から紅龍を抜いてみる。刀身は80cmほどで、鮮やかな赤色だった。紅龍を鞘に収めて今度は虎蒼を抜いてみる。

こちらも刀身80cm程で、違うのは色が濃い青色ということだけだ。


「カイ兄、ありがとう」


マイヤはカイに一言お礼をいい、ディルと向き合った。


「さて、最後のお話は終わりましたか?なにやら新しい武器を手に入れたようですが、それでもあなたが私に勝てるとは思いませんが」


「やってみなきゃわからないよ!」


先程と違って冷静に言い返すマイヤ。


「では、カイさんもこの戦いに参加するんですね。それだったら僕は間違いなく負けます」


「勘違いするな。今の俺は傍観者だ。手出しをするつもりは無い」


カイはその場に座り、その先の言葉を紡ぐ。


「だが、明らかに俺に向けて攻撃するような仕草を見せれば即、お前を斬り捨てる」


カイの目つきは本気だった。


「・・・・・・なるほど。あくまで今の貴方は中立を貫く、ということですね。わかりました。では、始めましょうか」


マイヤは虎蒼を構える。ディルも腰についている鞘から剣を抜き、構えた。


先に仕掛けたのはマイヤだった。ディルに向かって縦に刀を振り下ろす。ディルはその攻撃を避けて、胴を斬ろうとする。


マイヤは斬られる直前に素早くしゃがみ、相手のバランスを崩すために足払いをかける。その足払いを跳んで避けて、少し離れた所に着地する。


「ふむ、確かに先よりと違いますね。では、もう少し力を出しますか。フレイム!」


ディルは火の中級魔法を無詠唱で使う。その魔法で作られた大きい炎が、マイヤに向かって飛んでいく。


「剛力の術!俊敏の術!」


2つの術を同時に使い、爆破された天井近くまで飛び上がり回避する。


「波動『斬』!」


切れ味のいい衝撃波を飛ばす。それは炎を打ち消し、ディルに飛んでいった。


「なるほど。いい力を持っていますね。しかし・・・・・・プロージョン」


爆発の中級魔法によって相殺された。マイヤは相殺されたのと同時に天井を蹴って一気にディルに接近しようとする。


「まだ詰めが甘いですよ。敵に妨げの風を、ウィンド」


洞窟の中のはずなのに突如強風が発生する。その風でマイヤは吹き飛ばされて、壁にぶつかった。


「くっ、どうして風が・・・・・・。ここは洞窟の中だから風の魔法は発動しないはずなのに」


風の魔法は室内では使用できない。それなのに発生したのだ。


「理由はこれですよ、これ」


ディルは首飾りをマイヤに見せた。そこには、綺麗な装飾と、その中心に翠色の宝石がついていた。


「これは風の結晶石ですよ。珍しいでしょう?たまたま見つけたんですよ。まだ使い慣れていないので詠唱が必要なんですけどね」


ディルはまた首飾りをかけた。


「さて、無駄話も終わりましたし、続きを始めましょうか」


今度はディルからマイヤに斬りかかる。マイヤはそれを紅龍で受け止める。そのまま横に受け流して、少し距離を置く。

そしていつの間にかしまっていた虎蒼を抜いて、左手で持った。


「二刀流ですか。面白いですね。でも、その程度じゃ僕は倒せませんよ。まあ、僕も徐々に出す力を上げていくとしましょう」


「黙れよ、お前。遊びは終わりだよ、お互いにね」


マイヤは2本の刀を構える。ディルも剣を両手持ちにする。


「鋼鉄の術、剛力の術、俊敏の術!」


「地獄の業火にて我を仇なす者を消し去れ、クロスファイア!」


火がマイヤを包み、球状になる。それによってマイヤの姿が見えなくなる。そして、その球は少しずつ小さくなっていった。


「・・・・・・仙風斬」


火球がどんどん広がっていく。そして、強風とともに破裂した。


「破砕剣!」


「かまいたちよ、彼の者を引き裂け、クロスウィンド!」


複数の地を這う衝撃波と無数のかまいたちが衝突する。殆どが相殺されたが、数の差からかいくつかのかまいたちがマイヤを襲った。


「っ!まだまだ!!」


「ふふ、もっと楽しませてくださいね」


マイヤとディルの武器がぶつかり合う。今のところの実力はほぼ互角。両者共に激しい攻防戦を繰り広げていた。


こんにちは、闇桜です。

本編では補足し切れなかった場所を少し説明させていただきます。

波動『衝』と波動『斬』の違いですが、波動『衝』はただ敵を吹き飛ばすだけの物です。波動『斬』は吹き飛ばすと同時に切り裂きます。よって波動『斬』の方が強力です。

では、また次回お会いしましょう!


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