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再会

自分を包む白い光が消えると、目の前には大きな噴水があり、中央には女性の大理石像があった。


そして噴水を中心に何やらギリシア的とでもいうのだろうか、太さが均一な石の柱が6本ばかり、はるか高く雲の高さにまで伸びている。


柱にはそれぞれ形の違うくぼみが空いており、多分何かをはめるのだろう。


そしてそのさらに周りには周囲の光景をふさぐようにたくさんの木が植えられていた。


「くっ……」


太陽の眩しさに思わず手で目を覆い、


「これは……」


自分の服装が目に入る。


長袖Tシャツにゆったりとしたカーゴパンツだ。


「ギリシア神話系じゃないのか……?」


取り敢えずあたりに人も建物も見当たらないので、木の壁を乗り越えてみることにする。


そこは、


「雰囲気ぶちこわしですやん」


思わず関西弁でツッコみたくなるほどに、


都会だった。


「うっわー……」


これはもう意外性を突くとかそういうのではないんじゃないだろうか。


目の前には道路を挟んで高層ビルが何棟も連なっている。


一人苦笑いを浮かべていると、


「よっ、少年」


横合いから声をかけられる。


「うわっ!? ……どちら様で?」


恐る恐る顔を向けつつ問いかけると、


「ひどーい。 彼女の顔忘れたの?」


おどけながら笑う少女ーー黒峰日向(ヒナタ)、俺の中学時代の同級生で、ネトゲ仲間だーーの姿がそこにはあった。


「ヒナ……タ?」


「だいせいかーい。 ほめたげる。 よしよし」


頭を撫でようとしてくるヒナタをよけつつ、


「何でお前がここに!? ……って、まあそりゃそうか。 お前もこの手の(VRMMORPG)は得意だもんな」


「まあねー。 イナバも警察の人に?」


「ああ。 いきなり教室に入ってこられたときはビックリしたぜ」


「だよねー。 あたしも。 なんか同じクラスの人にじろじろ見られちゃった」


などと軽く悪態(?)を吐き、そして尋ねる。


「お前はいつごろから入ってたんだ?」


ヒナタは首を傾げ、


「んーっとね、一時間くらいだよ?」


パチン! と指を鳴らして空を見つめた。


「指を鳴らすのがシステムウィンドウオープンのコマンドなのか?」


「そうみたいだよー」


「まあいいや、ヒナはなんでここにいたんだ?」


ヒナタは思い出したかのように、


「あ! わっすれてたー! 私今配達ミッションの最中なんだよねー。 んじゃ!急ぐからまた後で!」


素早く指を動かしてウィンドウを操作し、走り去ってしまった。


「あっ、おい!」


……フレンドカードくらい交換してくれよ!


と思い、溜め息を吐いていると視界の左上が赤く光っているのに気付く。


視線を向けると、


<フレンドカード受信>


とシステム(ウィンドウ)が開いた。


「何だ、送ってはいたのか」


タップして情報を見る。


「なになに……魔導師Lv.3に、技スキルはファイヤとサンダー、それぞれ修練度15と10、か。 ここで見る限りは至って普通のRPGだな」


ヒナタのカードを閉じ、自分のを開く。


「まずここで職業(ジョブ)設定か……まあいつも通りっと」


普段から使っているジョブ:太刀使いを選ぶ。


「初期のスキルは……居合斬りと袈裟斬りか」


ここもまあ普通だな、と顔を上げる。


「やっぱ普通じゃないわ」


その先に見えたのは、巨大なゴリラだった。

ちょっとだけ書きましたので上げておきます。

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