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横浜万博 第7話 短編版  作者: 岩田 ヒロ


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しりぬぐい

夕方のゲートに立っていると、ソバージュのポニーテールにミニスカートの女の子が声をかけてきた。


「今日、結城さんいますか?」


洋子ちゃんだ。かわいい。結城さんがうらやましい。


「今日は休みです」


「次のバイトは?」


嫌な予感がした。

僕が答えると、洋子ちゃんは黙って駅の方へ歩いていった。


沼田さんが言う。


「今日、結城さん、圭子ちゃんとドライブって言ってたよ。あいつ昔から彼女多くて“綱島のプリンス”って呼ばれてたんだよ」


ますます嫌な予感しかしなかった。


---


翌日、結城さんに伝えると、珍しく眉をひそめた。


「何度か電話あったみたいだけど、返してなくてさ。ちょっと会いたくねーんだよ。束縛きついし」


そこへ住吉さん。


「バイト辞めたことにしてくれ? ふざけんな。自分でケリつけろ」


結城さんは渋い顔をした。


---


夕方、洋子ちゃんが来た。


「彼、私のこと避けてるでしょ?」


なぜ僕が責められなきゃいけないのか。

しかもその後ろを直子さんが通り過ぎた。


——最悪だ。


洋子ちゃんは「結城くん来るまで待つ」と言い張り、歩道で1時間以上立ち続けた。


夜、僕は直子さんに電話したが、誰も出なかった。


無視されているのかもしれない。


---


数日後、ついに結城さんがゲートで洋子ちゃんと対面した。


次の瞬間、洋子ちゃんのバッグが結城さんの顔を叩いた。


バシッ、バシッ。


「俺、彼氏じゃないって言ったら、はたかれた。でもスッキリしたよ。これで圭子ちゃんと真面目に付き合う気になった」


結城さんはケロッとしていた。


---


僕は直子さんに連絡しなかった。

ゲートで見かけても、向こうは僕を無視していた。


久美がいる。

無理に誤解を解く必要もないと思った。


あの頃の僕たちは、ただ夢中だった。

騙すつもりなんてなかった。

触れられることが、ただ嬉しかった。


そう思いながら、万博最終日の10月1日を迎えた。


本編はこちらから

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