植木の脇で
掲載日:2026/06/01
仕事を終え、古びたアパートへ、慣れた足取りで帰り着く。
変わり映えがない日々。
それでも、今日も仕事は終わったのだ。
言い聞かせ、ため息を一つ吐く。
ふと足元の植木に、メモが落ちている。
『疲れています。』
ただ一言。
少し笑ってしまう。
鞄を膝で抑え、中からメモを取り出す。
『私も疲れています。ご飯はちゃんと取っていますか?』
書き込み、そっと植木の脇に置いた。
一度だけ撫でて、立ち上がる。
さて、今日は何を食べよう。
考えながら階段を上がっていく。
少し足取りは軽かった。




