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はじめての授業参観。

父の、はじめてのおつかい。ならぬ…

 数少ない…いや、ちょんっちょんっ程度の父との思い出を一つ。


 私の母は授業参観に来た事がない。 

仕事は0時前に帰宅→やり残した家事をしてから寝付く→そして朝6時半に起きて私を学校に送り出す→そこから昼まで仮眠を取り→夕方4時までに家事と仕事の支度。参観なんか無理だったらしいです。


 なので、私は参観のプリントは直ぐ捨てます。

ドラマや漫画では「どうせ来てくれないし…涙」

「母ちゃん俺の事なんてどうでもいいんだろ!」

風なヤサグレた気持ちでしょうけど、私は別にでした。まあいいか。ぐらいの気持ちでね。


 それが小学5年の時、一度だけ来ました。

そう、来たんですよ父が。今この文を書きながら、私は思い出し笑いしてます。


 父親参観だったんですけど、何も聞かされてない私は驚きましたし、なぜ父が知っているのか⁈頭の中はパニック‼︎ でも、ちょっと照れ笑いし、会釈しながら教室に入って来る父がいます。

そして父と目が合った瞬間、机ガターン!ですよ。

わたし動揺しちゃって。

でも、めちゃくちゃ嬉しかった。ほんまに嬉しくて

「これが授業参観か、楽しいやん」初めてにしては遅すぎた経験かも知れません。


 私はチラチラと振り返り父を見ます。教室の後ろ隅っこでソワソワしてる父が居ます。

ちゃんと前見〜!と口ぱくぱくしてます。


 友達のお父さん達は、この日の為に選んだスーツや、カジュアルな正装で気恥ずかしいそうです。

そして今の時代は違いますが、私の親世代、昭和の学校行事、参観や面談なんかは決まってスーツです。もうバリバリスーツです。肩パッドです。ガンダムです。


 ですがその中で父だけは違いました。父は白のツナギを着ています。スーツの中にツナギが1人。

めっちゃそこだけ、父だけがよく見えるんですよ。

浮かび上がる感じ、父は180とタッパもあったので尚更です。

だけど私にはそんな事どうでも良いし。なんならツナギの父がカッコよかったし、父を大好きな瞬間でしたよ。


 後に数十年経ち、その時のクラスメイトにビックリされる話になるのですが、その友達は小1からの付き合いで、今も仲良い交流があります。

つい先日父の話になり友達に聞かれます。


 「パパ参観来てたやん?あれ仕事帰りやったん?」言うもんで、なぜ友達が仕事帰りと思っていたのか意味がわからない。私は何でそう思ったのか不思議で聞いてみると

 「だってパパ白のツナギ着てたから、スタンドか整備士とかやと思ってた!違うの⁈」


 私は、「あれはパパの普段着やで?」と教えると友達は嘘やん⁈と言うと吹き出し、2人して笑ってしまいました。

こんな何十年かかってツナギの話なるなんて、、

夢にも思わんかったよ…。


 パパ、私の友達には、ちゃんと仕事してる人に見えてたらしいよ。良かったね。

プーさんじゃなかったよオオオォォ!


父スーツはちゃんと持ってるんです!

ダブルもシングルも。

余談。普段着にツナギを持ってる父だけでした。

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