大好きな母。
「ゔえぇ⁉︎」従姉妹の姉が奇声を出して立ち上がって、膝をテーブルに打ちつけ、箸で挟んでるマグロの握りが醤油にダイブ。
本当、ゔえぇだ。
姉は違う寿司のネタを剥がし、醤油だらけのシャリを挟んで、「贅沢バーガー寿司」と言って美味しそうに食べた。
姉は「どう言うこと?あんた腹違いの姉か兄おるん⁈」
私「そう。いるんやて」
これが寿司バーガーを産み出した理由。
次に姉は、ネタがないシャリにガリを乗せ食べながら「会ったことあるん?顔とか知ってる?」
私「いや知らん。ママも知らんみたい。」
姉「で、ママそんなん聞いてどうしたん?」
私「相手と直接対決したんやて」
姉の目がキラキラしてる。楽しくて仕方ないサインです。
姉はちょっとゲスい所がある、遠慮のないお人好しの世話焼きさんである。
この話もゲラゲラ笑って泣いている。オイ姉。
私は2回ほど身内以外のお葬式や通夜に行く事はありましたが、本当に静粛で悲しみが溢れています。
少し笑い泣きの「今日は来てくれて有難うね。」の言葉に心がキュッとした事もあります。
ですが、母の親戚縁者は変わっているのかしら?
身内では、お婆ちゃんお爺ちゃん、母の兄が2人の葬式通夜を見てきましたけど、タブーな話やら宴会が続きます。
皆んな笑ってるし。なんなら小揉めの喧嘩が始まって殴っちゃったりを「おいおい葬式やで〜」と仲裁に入りますが、ここでも笑ってるし。ビール片手に周りも笑ってるし。
「これは私の身内だけやろな。」と気付いた、
当時20歳の夜でした。
で、話は戻りますが、
何やっけ?贅沢バーガー寿司?ちゃう!
…そう!父の隠してない隠し子腹違い兄か姉どっちかいる!どっちやろ?母の正面対決。
何かのタイトル番組思い出す。崖とか温泉とかね。
お昼休みはウキウキウォッチ〜♪見ながら昼食べてると、母がたくわんパリパリ食べながら「パパなぁ…あんたがお腹にまだおる時でな、喫茶店してる時にアルバイトの若い子おったんよ、その子がパパに本気なってもうてなぁ。もうその子な、ママおっても関係なくパパにベタベタ甘えとるんよ。
で、ある日お話が…言われて聞いてみたら妊娠してる言われてなぁ、
「私産みたいんです!認めて下さい!」言いやるから、ママ「どうぞ好きに産んでください。でも、認知は絶対にしません。」言ったったわ〜」
突然の腹チ話にタモさんから母ウォッチんぐ。
その話し合いの場には相手側の父母がいて、
何しとんねん⁈な父に
臨月母よ。
父は完璧な出来心の浮気やったらしく、彼女の暴走発言に恐怖したらしい。
ま、自業自得やけど、最低やな父。
彼女は産みたい、親御さんはそうではない。
謝るしかない父。
丸く収まる事なく最後に母が伝えたのは、
「私も言ってる間に産まれます。子供が出来るまで9年かかりましたし、旦那には散々泣かされました。今回の事はただ謝るしかないです。
私だって込み上げる怒りもありますし、こんなんのし付けてくれたるわ!って啖呵切りたいんやけど、それは言えません。だって、貴方が苦労するのは目に見えて分かるから。
だってこれですよ?(父を指差して)
それと、こんなアホな旦那やけど、まだ惚れてるんです私が。
産むのは貴方の意志ですから何も言いません。
でも、何年何十年後、後悔しませんか?言えるのはそれだけです。
後、認知はしません。」
寿司を食べ終わり、コーヒーを持って来た姉に
「それから連絡もないし、何してるか分からんやって。風の噂で産んだとか聞いただけらしいよ。」
この話を聞いたのは高校生ぐらいで、思春期多感ですよ。でも何も思わないし、ショックでもないし、ふ〜ん、そうなんや?マジで?ぐらいで聞けた私。なんならちょっと半笑いやったし。
血筋って怖い。
姉ちゃん曰く「パパカッコよかったしな〜、でも、やっぱママ強いな。だからあんたのママ好きやねん。」
ん…そっちなん?
血筋って怖い2。
こんな話をしてると思えば、母の弟は母の横にベタ付きで。
おんおん泣きながら、姉ちゃん姉ちゃんと話してる。ほんと昔から泣き虫叔父さん。
この末っ子弟叔父さんは、母の事が好きで、良く懐いてた弟やったらしいです。
他の叔父さん叔母さん達は、ちょっと眠くなって来てる感じ。
後さっきから気になってる、バカみたいに菓子を食う従姉妹。気持ち悪い位食べる。
ああ…次菓子パンかよ。
そうして、縁もたけなわにならない宴は続く。
もう0時回ったよ…。
あ、今お通夜ナウです。