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事の発端


数時間前

 診療所の更衣室にて

----


「いやー、恋ってそんなにいいもんなのかなぁ

 私も試しに恋人作ってみようかな〜」


魔法一筋で突っ走ってきた私は、恋という恋を全くせず、気づけば先月22歳の誕生日を迎えた

正直、恋愛面でだいぶ周りから遅れをとっている自覚はある


「ハルは本当魔法のことしか考えてないからなー。

 どうせ、恋人作ろうと思ったきっかけも魔法関連なんでしょ?」

小さい頃からの友達で、私が働く診療所の受付をしているデイジーが、全てお見通しと言いたげな顔で私をみる


「まぁね、、、実は利き腕を後遺症が残るほどの大怪我をしてしまってた患者さんを担当してるんだけどさ、その患者さん騎士だったから、利き腕でこれまでと同じように剣を扱えないことに、結構メンタルやられてて」


「ほうほう」


「リハビリすれば日常生活は送れるようになるって説明したんだけど、剣が握れないなら意味ないってリハビリにも消極的でさー」


「まぁ、そんなすぐ気持ちの整理はつかないか」


「うんー。でもその患者さんが、今日は目をキラキラさせてリハビリに前向きに取り組んでたのね」


「あーなるほど?」


「なにか心境の変化でもありました?ってそれとなく聞いてみたら、どうやらここの診療所に通う患者さんを好きになったらしくて、その人が頑張ってるから俺も!となったらしい」


「はぁー恋がその患者さんを変えたってわけか」


「そうそう、魔法は万能じゃないからなんでも治せるとは思ってはなかったけど、やっぱ魔法が治せるのはあくまでも身体で、心は治せないんだなって思ってしまって、、」


「なるほどね、それで心の薬となった恋とやらに興味を持ち始めたってわけね」


「、、、そうゆうことですね」

魔法と言っても、できることと言ったら、魔力を利用し、細胞を活性化させて治りを早めたり、魔力の糸で傷口を縫ったりするくらいで、絵本に出てくるような何でも創造できたり、何でも治せるわけじゃない。それはわかっていたけど、、


「まあ、いいんじゃない?どんなきっかけでもやっと恋に興味を持ち始めたんなら。成長じゃん。また魔法一筋になって恋に興味無くなる前に早く恋人作りな!ほら、今からお酒飲みながら作戦会議するよ!」


「、、、はい」


----


「げっ、、、」

デイジーとよく行くお店に入ると、診療所の隣にある騎士団所属の騎士の軍団が目に入り、思わず声が出る


「お、恋人候補たち沢山いるじゃーん」

デイジーがお酒を楽しそうに飲む騎士の軍団をみて、私とは正反対の反応をする


「別にすぐに恋人を作ろうとはしてないから。今日は作戦会議でしょ」

騎士団の人たちを早く視界から消したくて、早口でそう言って私はいつもの席に着く


「はいはい。あ、ルカもいるじゃん、幼なじみはやっぱ王道じゃない?中等部の頃あいつ絶対ハルのこと好きだったじゃん」

私の気持ちに気づいているうえで、相変わらずデイジーは楽しそうにしている


「もう騎士団の人たちは置いといて!ちゃんと作戦会議する気ある?」


「ごめんごめんー、じゃあー、、、そもそもハルの男のタイプは?」

デイジーも流石に私がイラつき始めたのがわかり、やっと本題に入る


「タイプは、、、ないかな。しっかりとした職についてて収入が平均くらいはあって、ギャンブル、女遊びをしない人かな。」


「それはタイプというより条件じゃない?じゃあ理想の恋人同士の関係は?」


「うーん。一途に思い合ってたらそれでいいかな?」


「へぇ一応ハルも相手のことを好きになる予定ではあるんだ。ここまで恋してこなかったのに急に好きな人つくれる?」


「無理そう、、、」


「だよねー。もう一旦誰かと付き合ってみたら?付き合ってくうちに好きになるとかもあるだろうし、それくらいしないとハルは進まなそう、とりあえずさっきハルが言ってた条件の人紹介しようか?」


「確かに、、、。その方法はありだね。紹介お願いします、、、」

デイジーに深々とお辞儀をしていると


「おい、今の話どうゆうことだ」


「え?」

急に低い声がしたので、驚いて後ろを向くとさっきまで騎士団の連中と飲んでいたはずのルカが後ろに立っていた


「お前、恋人探してるのか?」

相変わらず不機嫌そうな顔でルカがいう


「いや、あんたには関係ないでしょ」

早くルカとの会話を終わらせたくて、冷たく答える


「さっきお前が言っていた条件なら俺も当てはまってる。それなら俺と付き合えばいいだろ」


「は?」


_________そしてなんやかんやあり冒頭に戻る








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