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第57話【未経験者VS経験者】

 ルディアさんはまっすぐ僕を射貫くような目をして語り出す。

「ご主人様はわたしたち女奴隷に〝値踏み〟をされてます」


「ねぶみ?」

 値踏みとは穏やかじゃない。僕が買った女の子たちは僕のいないところで僕という人間の価値がいかほどか、見当をつけようとしているってことなのか?


「だけど、今のところはだいじょうぶだよね、だって誰一人立ち去る人は出てないし」

 〝実は二十四人は多すぎた〟とは決して言ってはならないのだろう。誰かを追い出す話しに受け取られかねないし。


「そこなんですよね、」とルディアさん。


「〝そこ〟とは?」


「ご主人さまはわたしたちを買うなり、おっぱいに触れることもしないまま『どこへでも行っていい』って言いましたよね、」


 〝おっぱいに触れることも〟ってのはずいぶんアレな表現法なのだが……


「いや『どこへでも』って言い方はどうなんだろ、『自由だ』って言ったんだけど」


「だけど意味としては同じことです」


「まぁ、悪くとるとね、あっ、でも或る人に言われちゃったんだ、みんなにいきなり『自由だ』なんて言っても困るだけだって」


「『或る人』ってネイティアのことですか?」


 『ネイティア』? あぁっ、といま思い出した。『あなたはわたしの人生に責任がある』って言ったコが確かいた。確か『放逐』とか、キツイことも言ってた。


「それ誰ですか?」怪訝そうな表情で訊いてくるルディアさん。

 〝人違い〟ってもう感づかれてる。ぐずぐず黙り込んでいたせいだ。


「そこはまぁ『或る人』ってことで、」とごまかすしかない。

 言ったのが〝エリタスサマ〟だったら言ってあげたのだが。そういう優しげなことを言ってくれたのはそのお隣さんだからなぁ。


「そうですか、」と言って〝誰が〟についてはそれ以上の詮索はしないルディアさん。続きを〝話しの中身〟の方へと切り替えてきた。

「——確かに『どこへでも行け』と言われてしまうと〝今すぐ〟は困ってしまいます。だけど今すぐじゃなくても〝どうしようか〟ってみんなが思ってるみたいで」


「んんっ⁈」とおかしな声が思わず飛び出てしまった。しかしルディアさんの話しは続いていく。

「悪いことばで言うと『いま出て行っちゃったら()()()』って、わたしたちがお喋りするといっつもそんな話しになっていきます」


「……それって、もしや僕はみんなに信用されてないのでは……?」と、おそるおそる切り出すと、

「それは仕方ありません。わたしたちを買うなり『どこへでも行け』ですから。わたしたちのことを〝性的〟にさえ見てないのかって」

 そこまで言われた。なにそれ?

「でもいくら女奴隷って言っても〝性的に扱って欲しい〟ってわけじゃないんでしょ?」


 ルディアさんはためらいがちに視線をさまよわせた後、答えを口に。

「そこで否定ちゃうと『女奴隷』じゃなくなりますけど、別に〝性欲旺盛〟ってわけでもないです。あっ、他のコは知りませんけど」


「……ならさ、そこから自由になれたら嬉しいんじゃないの?……かなって、」

 それを口にした途端にルディアさんは〝第一印象〟のキツイ表情へ。

「それはご主人さまの勝手な都合です。性的に扱われないと女奴隷なんてやってる意味がありません」


 あり? 直感的に感じた違和感。


「あの〜、ルディアさん、いま『女奴隷なんて()()()()()()』と聞こえたような……」


「それは聞こえたでしょう。そう言ったんですから」


「そこは『()()()()()()()』の間違いでは……?」


 ルディアさんはここで〝はぁっ〟とため息をついた。そしてラムネさんの方を見やると、

「そう言えばご主人さまは〝ただの高レベルな冒険者〟じゃなかったですね、そもそもが異世界人——」そう喋りだしている。「——この世界にしばらくいるのにここまでこちらの事情を知らないとなると、」と言いながらすたすたラムネさんのすぐ前へ。「——あなたが伝えておかなければならないことをいかに怠ってきたか、そういう答えになるしかないんだけど」


 どう見ても構図は〝にらみ合い〟。だけどラムネさんの表情がこれまで見てきたどんな表情とも違っている。

「だって『奴隷』ですよ、『女奴隷』。わたしは実際女奴隷として買われて体験させられたから解るんです。これは絶対に幸せになれる道なんかじゃないって!」

 その顔、真剣。

 顔に見とれて思考が遅れた。


 あれ? 〝幸せになれる道〟?


「それはラムネ、あなたが運が悪いだけでしょ。わたしはあなたと違って運がいいんだから! 顔が、こんなアザな顔でも抱き合わせで『女奴隷』になれた。そしてたとえ他の二十二人のオマケでも無双転生者がわたしのご主人さまになってくれた! わたしはわたしの選んだ道が間違ってないって信じられる!」


 僕を置いてけぼりにして話しがエスカレートしてく!

「ちょっと待った待ったぁ!」と両者の話しに急ブレーキ! そして有無を言う間も与えずこっちの話しを続行、「ルディアさんはいま『運がいい』って言ったけど、その運はラムネさんが造ってくれた運なんだよ!」


「え……?」とルディアさん。


「持ってるきんを全部使って女奴隷を買えるだけ買おうって僕に勧めたのはラムネさんだからっ」

 ルディアさんの顔から第一印象の表情がみるみる消えていく。その顔で解った。

 さてはラムネさん、元女奴隷の皆さんに〝そのこと〟言ってなかったのか。言っていたらみんなに恩を着せられて二十四人の中で絶対的優位なポジションに立てたのに。それをしないのが『聖女』の聖女たるゆえんか——

 続きは『カクヨム』で連載中です。

お急ぎの方は『無双転生者と24人の女奴隷たち。そこへ悪役令嬢が突っ込んだ!』で検索してみて下さい!

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