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第45話【『ルゥンさん』と呼んでください】

 さすがは貴族の邸宅だ。とっくに解ってはいたが改めてそう思う。庭と言うよりは敷地。野原のようにだだっ広くあっちに行こうとこっちにしようと〝訓練場〟に使える場所に事欠かない。そんな中、僕の〝能力訓練〟が始まろうとしている。


「わたしは『教える身』、ロクヘータさん、あなたは『教わる身』です」メイド姿のお姉さんは唐突にそう宣告してきた。

 なんだか厳しそう……そして〝訓戒〟はまだまだ続くよう、

「——こういうことは始める前にはっきりさせておきましょう」と、啖呵(?)を切られてしまう。


 やはり『ボロボロになる覚悟をしろ』だとか、そういう趣旨なんだろうと思っていると、

「わたしのことは『ルゥンさん』と呼んでください」


(はぃ?)


「どうしたのですか? お返事は?」


「あっ、分かりました、了解ですルゥンさん」


「はい、それでけっこうです」

 これからはメイド姿のお姉さんのことを堂々と名前で呼んでしまっていいらしい……


「なによ、このバカっぽいやりとりは」と草むらの上に座り込んでいるエリタスサマが突っ込んできた。

「名前はきちんと〝さん付け〟で呼ばせること。分限というものをはっきりさせておかなければなりません」とメイ、じゃないルゥンさん。


「〝ぶげん〟ってなに?」とエリタスサマ。


「わたしを呼び捨てで呼んでいいのはエリタスお嬢様を始めとしたフォーエンツオラン家の皆様だけです」


「なんか、上手いこと言いくるめられたような気がする」と頬杖をつきながら不承不承のエリタスサマ。


「ではさっそくあなたの能力の使い方を見させていただきます」そう言うとルゥンさんは自ら引いてきた荷車方へと歩いて行く。荷車には〝薪〟が数十本、積んである。

 むろんこの荷車引きは僕も手伝ったが、車輪がついているとは言えこんな重い物を『引こう』という発想が出てくる時点でやっぱり普通のメイドじゃない。


「じゃあロクヘータさんも薪を五本ほど運ぶのを手伝ってください」とルゥンさんから指示を受ける。


「分かりました」と返事すると。


「じゃ、わたしも一本だけ」となぜかエリタスサマ。立ち上がろうとするや、

「エリタスお嬢様はなにもしないでそこで座って見ていてください」と途端にルゥンさんからブレーキをかけられ、たちまちぶー垂れ顔に。


 ルゥンさんと僕はそれぞれ五本ずつの薪を抱えて荷車から離れるように歩き始める。歩きながら不可思議な注文をされた。

「ではこの薪を等間隔に立てて並べてくださいね」

 ?

 ともかくも言われるままに薪を立てて並べていく。都合十本の薪が横一列になって並ぶこととなった。

 ルゥンさんは僕に向かい最初の〝課題〟を出した。

「ロクヘータさんにはこの薪に対し能力を発揮してください。つまり破壊してください、ということです」

 課題はこれでは終わらない。

「もちろん、むやみに破壊すればいいというものではありません。〝木っ端微塵〟ではなく、真っ二つに割れるような破壊をお願いします」


 薪割りするように割ることは可能なのか? 要するにさっそくの本丸。敢えて力を抑えられるかどうか、それを試すつもりだな。


 よし、AFモードはシングルだ。

 思うや正方形が視界に現れ一本の薪をロック。

 抑えて抑えて、と自分に言い聞かせながら奥歯を噛み込む。




 ————なにも起こらなかった。薪が木っ端微塵に吹き飛ぶことさえ起きない。


「なによこれ、無双は?」と小馬鹿にした声調子すら感じさせずエリタスサマがそう言った。

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