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第30話【無双転生者、悪役令嬢と契約してしまう】

「さて、無双転生者さん、」メイド姿のお姉さんに、さっきとは打って変わった〝優しげな声〟をかけられた。「次はあなたの意志の確認です。わたしどものお屋敷に来て頂けますか?」

「僕が行くのはいいけど、あの、その、()()()()()()()()たちは?」

「もちろんご一緒にどうぞ。これでもう迷いの理由は無いはずです」


 これは確かに破格の条件だ。しかしなんか上手い話しには()があるような気がする。


「あの、ラムネさんちょっとちょっと」と呼び寄せる。他の元女奴隷の皆さんはみんな怪訝そうな顔はするが表だっては何も言わない。

「〝どうしたら?〟ってことですよね?」

「そう」

「だったらもう答えは決まっています。わたしたちはいつまでもここにはいられないのですから」

 やっぱそうだよな。一応他の元女奴隷の皆さんの顔を確認していく。もちろん〝笑顔で大歓迎〟とはならないが、誰一人異議を唱える様子ナシ。

 よし、決まった!

「じゃあ頼みます」と言うと「ありがとうございます」とこれまた破格の優しげな笑みで言われ「これで三方丸く収まりました」とメイド姿のお姉さんは関係者一同に呼びかけるように〝これにて大団円〟を宣言した。


 僕の魔物狩りのせいで金欠状態に陥ったらしいギルドとその組合員の皆さんはきんを手にし、僕らは路頭に迷わずに済み、そして異世界のお金持ちのお嬢さまはこの僕を雇えると——


 しかし雇ってどうするつもり? なんのために雇うんだ? しかししかしこの話しを拒絶してしまったら、僕ら一週間後には確実にホームレスになっている。

 『どのみち頼むしかなかったのだ』、とここは開き直るしかない。


「それでは—」まで言ってメイド姿のお姉さんは次のことばを飲み込んだよう。「あなたのことはなんとお呼びしたらいいでしょう?」と尋ねられてしまった。

「ではロクヘータさんで」とお願いした。〝名字呼び〟でも良かったとは思うが、メイド姿のお姉さんだしせっかくだから〝()()()()〟で呼んでもらおうと。


「ではロクヘータさん、」

「はい」

「さっそく宿を立って頂きたく思います」

「もうっ⁉」急すぎる!

「お嬢さまが首を長くして待っておられます。皆さんご一緒に今すぐお願いしたく思います」

 

 気がすっごく短いのか?

 まあたいてい大金持ちのお嬢さまはワガママだというのがステレオタイプだ。きっとステレオタイプの通りなのだろう。


「じゃ行きますか」そう僕は返事した。するとメイド姿のお姉さんはさっそくに女組合長との談判に移る。

「それではムーチさん。お金は既に用意してあります。1階で今すぐ受領は可能です」

 女組合長とお供のふたりのむくつけき男たちはそのあまりの手際の良さにただ呆然。

「1階でわたしたちが手続きをしている間に身支度の方をお願いします」


 ムーチと呼ばれる女組合長も僕と元女奴隷の皆さんもメイド姿のお姉さんに言われるままに動かされるだけ。

 本当にいいのか? という最後の直感が働いた。1階に行かれてしまう前に!

「あの、」と声を掛けメイド姿のお姉さんの動きを止める。

「なんでしょう?」とまだ優しげな笑みを浮かべてくれるメイド姿のお姉さん。

「お嬢さまは良いお方なんですよね?」

「はい、とても良いお方です」


 〝()()()()〟とかいう女組合長の話しはなんだったのだろう? しかしそんなことを確認しようとすれば、たちまちこのメイド姿のお姉さんに睨まれ謝罪を要求される。それはたった今目の前で見たんだ。


 ともかくこの人が『良いお方』と言うんだからそれを信じよう。そう思っとくしかない。

 続きは『カクヨム』で連載中です。

お急ぎの方は『無双転生者と24人の女奴隷たち。そこへ悪役令嬢が突っ込んだ!』で検索してみて下さい!

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