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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

経験値貸与はじめました!〜但し利息はトイチです。追放された元PTメンバーにも貸しており取り立てはもちろん容赦しません〜

作者: コレゼン

こちら連載を開始しました。(2022/6/13)


不遇ジョブで追放されたが俺のスキル経験値貸与がチート過ぎる件。トイチの利息で不労所得して最強最富に成り上がり、追放した奴らには当然ざまぁします!

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「うるさい! お前みたいな役立たずはもう追放だ!」


「……それは俺が貸した経験値を踏み倒すということか?」


 ダンジョンでの突然の通告。

 俺は呆然となって立ち尽くす。


 貸した経験値を返す返さないの問答の果てでの通告だ。


 所属している冒険者パーティーのメンバーは俺を含めて4人である。


「ああ、それは迷惑料として受け取っておいてやる」


「一人当たり300万もの経験値をか? その300万経験値があったからこのパーティーはAランクへと上がれたと思うが」


 300万の経験値によってレベルが70台で停滞していたパーティーは、レベル80台に上がれたという事実がある。


「Aランクに上がれたのは俺たちの実力だよ。それに俺たちはお前に経験値を借りたんじゃない。借りてやったんだ。役立たずの弓師のお前を少しでもこのパーティーで役に立たせる為にな!」


 俺は弓師だ。弓師は外れジョブと言われている。


 理由はレベル20台まではまだ使えるが、それから先のレベル帯では攻撃力が弱すぎて牽制的にしか使えない為だ。


 レベル80を超えてマジックアローを覚えるとかなり強いという話だが、そこまで上げた人間はほぼ皆無とも言われている。


 しょうがない。俺に適性あったのが弓師しかなかったのだから。


 そして経験値貸与。


 これは俺が1年前に取得したユニークスキルの名だ。

 自身の経験値を仲間に振り分けられる。


 経験値貸与の制限と仕様は以下の通りだ。


 ・自分が保持している以上の経験値を貸すことはできない。


 ・経験値を貸与すると当然自分の取得経験値が下がるので場合によってはレベルも下がる。


 ・経験値を保留して溜めておける。それを貸してもレベルは下がらない。


 ・利息は相手の同意を得れば自由に設定できる。


 ・得られる利息に上限はない。


 ・経験値は貸与だけでなく譲渡できる。


 ユニークスキルである経験値貸与を最初取得した時、パーティーメンバーたちはしょうもないスキルだと言って馬鹿にしていた。


 だが、俺は試しにと翌日から冒険者ギルドの冒険者たちに経験値を借りないか声をかけてみる。


 すると想像以上に食いついてきた。


 一番経験値を欲しているのが低、中レベルの30〜40レベル帯から抜け出せない層で、10万も貸してやれば50レベルまで上げれるためだ。


 次々に貸してほしいとの声上がり、冒険者ギルドでも評判となった。


 それを見たパーティーメンバーたちは手のひらを返して、自分たちにも経験値を貸して欲しいと言ってきたのだ。


 メンバーに貸した経験値は今までで一人当たり累計300万。


 一気に80レベル台まで上がれるような経験値でその価値は計り知れない。


「それにここで追放するとはどういうことだ?」


「どういうこともこういうこともねえ。お前とはここでお別れだ」


「お前らに経験値を貸しているせいでレベル20台なんだぞ俺は? そんな俺がここで別れられたら生きてこのダンジョンから出られないだろうが!」


「知らねえよ、そんなのは。弱いお前が悪い。それだけの話だ」


 パーティーリーダーのゴルゴはニヤニヤとしている。


 剣士のゴルゴはその剣を鞘からは抜いていないが、腰からは外し、両手を据えて地面に突き刺すような形で据え置いている。


 念の為の牽制であろうか。

 口調はそうでもないが、気配から警戒していることはわかる。


 他のパーティーメンバーたちもニヤニヤとしながら俺とリーダーとのやり取りを眺めている。


 こいつらはこんなリーダーの言に対して何も思わないのだろうか?


 ここは適性レベル60のダンジョンの20階層ほどある所の内、10階層ほど潜った所だ。


 レベル20の俺がこんな所で置き去りにされたら、死ねと言われているようなものだ。


「……これはパーティーメンバー全員の総意なんだな?」


「役立たずが抜けてくれるのはありがたいですわ。そもそも弓師が冒険者になろうなんて考えを持つのが愚かとし言いようがありませんわね」


 パーティーの中で紅一点な攻撃系魔術師のエリィ。


 肩を露出させ、胸元をはだけさせた独特の魔術師のローブを着て、周りに色気をふりまいている。


 その表情には俺への嘲りと嫌悪が浮かんでいる。


 最初、まだパーティーメンバーが10レベルにも満たない時にこの冒険者パーティーは結成された。


 そして後衛の牽制、並びに、奇襲役が欲しいと弓師の俺が誘われたのだ。


 そこから随分と考えが変わったものだ。


「正直、お前に治癒魔法かけるのすげー嫌だったんだよな。いつもタダ飯食わせるみたいな感じでさ。魔力の無駄じゃん。まあ、弓師なんて生きる価値もないんだからここで死んでくれた方が社会にとってもいいんじゃね」


 治癒系魔術師のルディが冷淡に言い放つ。


 人によって態度を変える人間で自身の利益に関係のないものに対しては冷淡なタイプだ。


 その冷たい視線をあざ笑うかのように俺に向けている。


 数年間苦楽を共にしてきたメンバーとは思えない言葉だ。


「ということでこれがメンバーの総意だ。ま、なんでここで死んでくれ。お前が死んだからと言って社会には何一つとしてデメリットないわけだからさ」


「むしろ、役立たずの弓師を間引いてやったんだから善行じゃね?」


 弾かれたようにメンバーたちの嘲笑が起こる。


 経験値の踏み倒し。

 そしてパーティーメンバーからの追放。

 この二点はこいつらならいつかやりかねないという予想はついていた。


 しかし、まさか殺そうとまでするとは……。


「……分かった、なら行けよ。ただ一言言っておくが……後悔するなよ?」


 俺は歯を食いしばってうつむきながらいう。


「後悔? するわけねえだろ! ああ、やっと役立たずとおさらばできるわ!」


「寄生虫の宿借り君とは今日でおさらばですわ。その顔を今後見なくていいと思うとせいせいしますわね」


「じゃあな、ゴミクズ。借りている経験値はこのまま有効活用させてもらうぜ!」


 メンバーたちは踵を返し、ダンジョンをもと来た方向へと戻っていく。


 奴らの姿と足音と俺への嘲笑が聞こえなくなった後――





「…………まさか、ここまでクズだとはな」


 俺はそう呟く。


 《経験値割当:100万》


 俺は保留経験値を自身に割り当てる。

 すると俺のレベルは一気に71まで上がる。


 まさか亡き者にしようとまでするとは思わなかった。


 だがこんなこともあろうかと奴らに貸した経験値とは別に、保留経験値として100万を経験値として別途溜めていたのだ。


 経験値を保留して溜めておけることは奴らには伝えていない。


 レベル71あれば弓師とてこのダンジョンから抜け出すだけならまず大丈夫だろう。


「さて……」


 念願の冒険者パーティーの脱退だ。

 まあ、あいつらからしたら追放か。


 2年前に冒険者パーティーを組み。


 パーティーメンバー全員がレベル20台になってから、急激に俺への態度が変わってきた所から脱退を考えていた。


 無能に役立たず。


 今日なんかはタダ飯食らいに寄生虫の宿借り君とまで言われた。


 今まで俺に吐いた暴言の数々。

 それだけならまだ許せもしたが、あまつさえ殺そうとまで……。


「まあ、とりあえずは別の所に行ってレベリングかなあ」


 今まで拠点としている都市イザベル。


 中程度の都市で中堅の冒険者パーティーが集まり、過ごしやす都市ではある。


 だが、元の冒険者パーティー暁の流星が拠点としている都市でもある。


 その時がくるまでは奴らには会わないようにしたい。


 なので近隣の同程度の都市ヤスミンに拠点移動しよう。


 ヤスミンはイザベルよりどちらかと言えば冒険者の初心者が多い都市。


 経験値貸与によって多くの経験値が稼げるはずだ。


 そうすれば俺自身はダンジョンに潜ったり、魔物を狩ったりしなくても自動的に経験値を得ることができる。


 必要なレベリングができた後は、経験値の販売を行おうとも思っている。


 これは下手をしたら冒険者ギルドなど、既存の利権を保持している勢力から敵視されるかもしれないので慎重に行わないといけない。


 今まで経験値貸与をしてきた感触だとニーズは確実にあり、事業としてかなり有望なのではないかと思う。


 そこまで仕組みが出来たら、労せず経験値を取得して、労せずお金も得られるようになるはずだ。


 そこまでいくまでに気をつけなければならないのが、俺を利用しようとする人間。それに俺を亡き者にしようとする人間だ。


 元のパーティーメンバーたちのように。


 よし、奴らが去ってからしばらくは待った。

 俺もダンジョンの出口を目指して歩き出す。


「見てろよ……いつの日か俺は…………」


 神級の冒険者。


 現在の世界にその高みまで登れた冒険者はいない。


 危険領域という冒険者ギルドで定められている領域がある。


 その危険領域に立ち入る為には適正ランク以上が必要だ。その領域区分は複数あり、危険領域、即死領域、暗黒領域と難易度が上がっていく。


 そんな中、過去、最高峰の神話領域まで到達し、踏破した伝説の冒険者がいた。その冒険者のみ得られた称号が神級。


 幼い頃にその冒険者の伝説を吟遊詩人から聞かされ、神級の冒険者になるというのをずっと密かな目標としてきた。


 その冒険者は不可能と言われていたレベル99を超えていたとも伝えられている。


 もしかしたら俺も経験値貸与によってレベル99を超えられるのではないか?


 そして神話領域。今ではそれがどこかも分かっていない領域であるが、そこを踏破し、俺も神級になれるのではないか?


 夢物語かもしれないが密かにそんなことも期待している。


 そしてこの経験値貸与というスキル。


 利息として経験値を得られる。

 経験値を譲渡することで金銭を得られる。


 この二つのメリット以外に後一つ、経験値を譲渡することで俺だけの最強パーティーを組めるのだ。


 弓師以外にもレベリングがしにくい種族であったり、ジョブであったりと、不当に扱われているという事例は多く有る。


 できれば自分と同じようなそんな境遇の人たちをパーティーメンバーに加えて救っていきたい。


 そして俺だけの最強の冒険者パーティーを結成するのだ。


 ああそうだ、経験値貸与の仕様を一つ忘れていた。


 経験値貸与は強制執行と言って踏み倒そうとしても強制的に利息と貸した経験値を取り返せるのだ。


 ちなみに元パーティーメンバーたちに利息はトイチで貸している。


 2ヶ月もすれば元金の倍以上の借り入れとなる。


 200日を越えた所になると経験値の借り入れ値が2000万を越えるはずだ。


 借り入れ値2000万などそれで強制執行したら保有経験値がマイナスになるのではないだろうか。


 そうなったら一体どうなるんだろう?


 そこまでのケースはまだ俺も経験したことがない。


 弓師で長かった不遇な時代。


 そして恵まれなかった仲間たち。


 未来への期待に胸を踊らせながら、自然と俺のダンジョンを脱出しようとする歩みが早くなってくる。


 先々が色々と楽しみだ。

こちら連載を開始しました。(2022/6/13)


不遇ジョブで追放されたが俺のスキル経験値貸与がチート過ぎる件。トイチの利息で不労所得して最強最富に成り上がり、追放した奴らには当然ざまぁします!

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