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第3話 渋い男

この話は、作者が実体験したことばかりの感動を書いております


ある日のランチで、テーブルをご一緒にした彼のお話

そのお方は、顔は髭面ですがとても良く髭がお似合いです

日本人には不向きの髭を、もしくは不精髭とも見られがちなのを

彼は上手に自分の個性にしています


初めてお会いする彼をここまで良い評価をしてしまう自分に驚きです

私の弁当のおかずは、

休みの時に作りおきしたコロッケと自分で干して作った切干大根の煮物、そして、鯖の塩焼き


素朴な弁当が好き


最近は、ご飯の量を抑えている


自分の身体のことを考えて、まずはご飯から少なくして、野菜を多く取ることを心掛けています


では、「いただきます」


食堂の熱い味噌汁を買い足しているので、冷めた弁当でも美味しくいただける


味噌汁を飲んでいるところへ、相席の方が会釈されて座られた



髭面の彼は、黒いジャケットに黒のタートルセーター


厳つい男ではあるが、身のこなしには品がある


彼のお盆には、五目うどんと稲荷寿司が二つ


私の弁当に視線を向けたのがわかった


彼は、手を合わせ「いただきます」と声にだして言った


背筋は伸びて、座り方も完璧


すぐさま、熱い五目うどんをすすりだした


私は、彼の食べっぷりにも目を奪われた


熱いうどんを、「ふうふう」と冷ましながら食べる彼が可愛いので驚いた


厳つい男が可愛くうどんを食べる姿のギャップが可笑しくて、笑いを堪えるのに苦労した


彼は稲荷寿司も美味しそうに頬張り、うどんの汁まで飲み干した


食事の最後は


やはり手を合わせて「ご馳走様」と頭を下げた


私は、彼のことを何も知らない


彼とランチの時間を共有しただけですが、彼の育ち方、彼の食に対する考え方が手に取る様に分かった


気がした・・・そして感動させられた


食事を済ませると、大概の男の方々は食後のコーヒーを飲みに


喫茶に行かれるが彼は、そのままの席に留まっていた


目を閉じて、休む体制になっていました


私は食事をしながら、彼の行動を見てしまいましたが


これほどの男に逢えて嬉しかったです


食事のマナーの出来ない方々がたくさん増えてます


女性だから、男性だからとは言いません


食べ方で人生をかいま見ることも出来てしまいます


厳つい彼の人生に感動してしまいました



最近は、厳つい彼を見なくなっていました



ある日のこと




遅いランチの時間になって、お腹はペコペコです


今日は、隣に若い二人の女の子が食事を終えて、話に夢中です


何やら、ボーカルの彼が好きとか・・・


私は弁当箱の蓋を開けようとした時に、厳つい彼が、私の斜め前に座られました


久しぶりの再会です


今日の彼のお盆の上のメニューは、五目ラーメンです


私は、箸で五目豆を掴もうとしたところ


隣の若い女の子が席を立ち上がる瞬間に、湯のみのお茶がこぼれてしまいました


「あ、やちゃた」


私は、身体がビクッと反応してしまい一瞬止まってしまいました


「すいません」と、彼女は言いました


すると厳つい彼は、すぐさま立ち上がり給湯器のある場所に行き布巾を持って来て拭くのを手伝いました


彼女たちは、その行動に驚き


「ありがとうございます」と、頭を下げていました


「いいよ」と彼は一言口にしました


その後は、何事もなかったようにラーメンをすすりだしていました


私は、彼の迅速な行動力にも感動しました


あぁ、こんな男もいるんだ


厳つい、髭面の彼を尊敬の眼差しで見る私です


私は、何もしないでただ座り続けていました


彼女たちは


「お騒がせしてすみませんでした」と言いながら席を立っていきました


私と彼は軽く会釈をしていました


厳つい彼の行動に今日も感動してしまいました


名も知らない彼ですが・・・


私は、心の中で彼に拍手をしていました


そして彼に弁当を作ってあげたら、どんな顔で食べてくれるのかなと思いを巡らしておりました


ランチの時間に、感動をくれた貴方


また、ご一緒できる日を楽しみにしております




久しぶりに、ランチの時間に起こった感動


まだまだ、いい男がいるので安心しました

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