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第2話綺麗な彼女に問題あり

今日の弁当は、大好きな稲荷寿司だから愉しみ。

今日の私の弁当は、稲荷寿司としんこ巻きです。

もうお腹が空いて早く食べたいです。

熱いお茶を入れて、席につきます。


私の横に座っている方は、若くて細い身体の方です。

彼女は、親子丼を食べているようです。


私は弁当の包みを解き、蓋を開けて手を合わせて「頂きます」と小声でいいます。

稲荷寿司は大好きなので、良く弁当に持って来ます。

大きな口開けて頬張ります。

自分で作ったのですが、美味しいです。


ふと、隣の方の仕草と箸の音が耳触りになって来ました。

彼女を観察してみますと、肩を出した黒いワンピースを着て、足元はレギンスとバレーシューズを履いています。

とても、素敵なお洒落をしていますが、食べ方がなんとも似つかわしくありません。

丼ぶりを持ち、箸でカチャ、カチャと音を立てているのです。

これでは、いい女も台無しです。


私達の前の席には、男性の二人連れの方々が定食を食べておられます。

彼らも彼女の箸の音を気にしだしました。

何度も、彼女の方に視線を向けているようです。


私は、彼女の育って来た家の環境を思いめぐらせました。

多分、お母さんがいない家庭の娘さんなのかな

兄妹が沢山いて、箸の上げ下ろしの教育が出来なかったのでしょうか


前の男性の方々が食事を終えられて、席を立って行かれました。


隣の彼女も、カチャカチャと箸の音をたてながら親子丼ぶりを食べられたようです。

静かになりました。


私も新香巻きをたいらげて、少しぬるくなったお茶を飲みながら心の中で葛籐しております。

隣の彼女に箸の持ち方を注意するべきかです。

たまたま、煩いおばさんが隣に座ったばかりに箸の持ち方を注意されて、彼女は気分を害するでしょう。

でも、若い綺麗な彼女がこれからずっと箸の持ち方、食事の仕方で笑われるのも可哀想です。

私の一言が、彼女のこれからの生き方を変えるかも知れません。

今なら、このテーブルには私と彼女だけです。


私は、彼女に小声で囁きかけました。


「すいません、たまたま隣に座っただけですが気になったので、お話させてください」


彼女は、少し驚きましたが


「はい、何でしょう」と顔をこちらにむけました。


私の話を聞く姿勢になりました。


「貴女の箸の持ち方と食事の仕方が、気になりました。綺麗なお嬢さんだからもったいないと思います。」


彼女は、顔を少し歪めましたが想い当たったようで


「あっ、音をたててました。御免なさい。」


「無意識にしてました」と、顔を赤くしました。


「箸使いが優雅ですと品格が出てきますよ。貴女は綺麗だから、一段と素敵に見られます。

今日の貴女は、無意識の余りに音を立てて食事をされましたね。これからは、注意して下さい

下手な方ほど、下の方を持ちます、箸は、上の方を持てばより優雅に見えるのよ」


彼女は、私の話に身を向けて聞き出しました。


「そうですね、私の箸の持ち方は下の方で持ってました」と、言いながら手で箸を持ちながら頷いてます。


「たまたま、隣に座った私が気になったので、教えて差し上げたのよ。これからは、優雅な箸使いを覚えて、気品のある女性になって下さいね」


彼女は、「教えて頂いて有難うございます」と、素直に頭を下げた。


「いいのよ、私の講義はこれでおしまい」


「ご馳走様」と、手を合わせた。


今日のランチも美味しく頂きました。


私と同じテーブルに付かれる貴女、お気をつけ遊ばせ。

優雅な箸使いを心がけてください。

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