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冬いいふらす

作者: 双葉立葵

箱が、嫌いになっていた。

正確には「悪魔の術めいたことを主にする箱」が嫌いにならざるを得なくなっていた。

もっと言えば「主に人じゃないもので作った、人に向かない、愛ではない、ナイナイ尽くしの遠隔幻影の箱」……蛇足を覚えそうだ。

その箱のコンテンツで気になるものはあれど、以前ほど積極的にとる気はない。2,3割ほど他の要因はあるが、思い出そうとすると縮こまりそうになるからやめておこう。

他の4人のうち、箱を存分に享受をしている1人がいる。

4人のうち3人は、箱のコンテンツに対してどこかしら興味の区切りと無関心を持っている。

だが、あの1人は箱の電気が通ってないと生きた心地がしないらしい。

何かしら選り好みや興味が見て取れる場合もあるが、それより目立つのは「あの箱の影響を呼吸と同じように存在させないといけない」。そんな行動があの1人には目立つ。

そんなくだらなさそう事情を知ってか知らずか、今日も箱は悪い仕事をこなす。

箱の仕事を強制的に止めると、非難が飛ぶのが見えている。だからほかのことでしのぐことが多い。

自分が好きなもの。それはインターネット、SNS、ゲーム。箱の世界よりは随分マシに見える。マシではないものも知ってるがそれは置いといて。

しかし、残念ながら今日はやることが思いつかない。正確に言うと、選択肢はあれどそうするやる気がわかない。

そんな日もある。と気持ちを切り替えて、向かうはドアの外だ。

空気の循環がないと、生きた心地は減る一方でもある。



「ようこそ」と

冬いいふらす

箱を去る



日光を浴びて散歩をしたが、今は外の空気を吸いたい。

そんな思いを胸に秘め、普通なら絶対思いつかない黒い遮光シートに覆われたベランダを見た。

そして思った。いつかシートを取り払い、カーテンを買おう。これも表に出さずに、夜の道を行く。

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