33.まっくろ
もう疲れたな…。
なんで…なんでこうなったんだろうか。
○○○○○○○○○○○○○○○○
死人のターン
僕には大切な家族と、親友と、幼馴染がいた。
親は僕がまだ小さかった頃から共働きだったけど優しく育ててくれていた。
妹はいつも僕の後ろをついてきて慕ってくれていた。
親友は中学の頃に知り合ってすぐに仲良くなった。
昔からずっと一緒だった幼馴染とはこの先もずっと一緒だと思っていた。
でもそれらはすべて過去であって、今は別のものになってしまっている。
最初に壊れたのは家族との関係だった。
僕はその日もいつものように友達と遊び、家に帰り、家族全員でご飯を食べていた
いや...父さんはいなかったか...
母さんがその日はやけに静かだったのを覚えてる
母さんは酷く疲れた顔をしていて幼い僕でも気軽に触れてはいけないことを感じとっていた
母さんは結局その日は何も喋らずに自室へと入って行った
部屋の中から怒気を含んだ声が聞こえたような気がした。
...父さんはその日から帰ってくることはなかった。
とても急なことだったと思う
今思えば前から前兆はあったのだろう
だが幼い僕らは若干の違和感は感じつつもそれが何かまでかは分からなかった
母さんは暗くなり父さんが居なくなってから数日経つと妹が急に泣き始めた。
当然だろう。
逆によく持っていた方だと思う
父さんは帰ってこず優しかった母さんは最低限のことしか喋らない。
数日の間、妹はずっと僕と一緒にいた。
僕も妹と一緒にいることで不安を無くそうとしていたのかもしれない。
妹が泣いている。
母さんも泣き始めた。
母さんは妹に向かって謝っている
僕は2人に近づき、母さんと目が合う。
一瞬、母さんの顔が酷く歪んだように見えたが母さんは僕と妹を抱きしめて泣いていた。
その後も詳しい説明は無かったが僕と妹はそれ以上触れることはなかった。
だが家族が1人欠けたことにより着実に僕の周りと、僕は壊れ始めていった。
小学校では僕はいつも妹と幼馴染の道長サヤちゃんといつも一緒だった。
女子とばかり遊んでてキモイとか色々言われたけど僕にとって二人は小さいながらも大切な人だと思っていたから自分から離れるようなことはしなかった。
いつの日か家に帰ると玄関前で妹が扉を背に座っていた時があった。
鍵は持っているだろうに入らなかったのは仕事で母さんも誰もいない家の中で待っている方が辛かったからなのかもしれない。
僕を見つけた時の妹の顔は今も忘れられそうになかった
その日から僕は妹よりも早く帰るのを心掛けるようになりそれまでよりももっと友達と遊ぶということが無くなっていった。
それでも僕は、もう僕から離れて行って欲しくないから、それでもいいと思った。
サヤちゃんもいたので何も寂しいことも無かった。
小学生の頃起きたことはそれだけ、あとは夜に母さんが泣いている声が聞こえてくるのが記憶に残っている。
小学校では僕はいつも妹と幼馴染のサヤちゃんといつも一緒だった。
女子とばかり遊んでてキモイとか色々言われたけど僕にとって二人は小さいながらも大切な人だと思っていたから自分から離れるようなことはしなかった。
いつの日か家に帰ると玄関前で妹が扉を背に座っていた時があった。
鍵は持っているだろうに入らなかったのは仕事で母さんも誰もいない家の中で待っている方が辛かったからなのかもしれない。
僕を見つけた時の妹の顔は今も忘れられそうになかった
その日から僕は妹よりも早く帰るのを心掛けるようになりそれまでよりももっと友達と遊ぶということが無くなっていった。
それでも僕は、もう僕から離れて行って欲しくないから、それでもいいと思った。
サヤちゃんもいたので何も寂しいことも無かった。
ただ、サヤちゃんは高学年になるにつれてサヤちゃんをイジメていた張本人やちの子らとも遊ぶことがあった。今となってもその時のサヤちゃんの気持ちは理解できない。
だけど僕は彼女が決めたことだからそれでいいと思っていた。
小学生の頃起きたことはそれだけ、あとは夜に母さんが泣いている声が聞こえてくるのが記憶に残っている。
中学生に上がるとサヤちゃんが男子から告白されるようになった。
小学校の頃は周りから夫婦や恋人とかでイジられていただけだったが場所が変わり、知らない人も増え、環境が今までとは違うと共に思春期という心の成長も合わさり周りが変化していったのを感じた
始めてサヤちゃんが告白されたと知ったのは中学生になって友達が出来始めた頃だった
「なぁ、知ってるか?道長告白されたらしいぜ?」
久しぶりに男友達ができ昼休みに楽しく話していると唐突にそう言われた
それを聞いて僕はその時確かに嫉妬をしていたのだろう
少し嫌だと思っていた
確かに小学校の頃から男子から人気があることを感じていたがこうも明確に好意をぶつける行動をして来た人は僕が知る限りその時が初めてだった
「あれ、そう言えばお前って道長と幼馴染って言ってたよな?もしかして付き合ってたり?」
小学校から仲が良かった親友ともいえる男友達に聞かれる
「い、いや、付き合ってはないよ」
小学校の頃はいつも一緒だったしそれ以上を求めなかったのもあるが付き合うというのを考えたことはなく出たのは否定の言葉だった
だがそう言った後少し胸が痛んだ
「そっか〜、その告白断ってたらしいから彼氏でも居るのかと思ったけど...んじゃ俺も告ってみよっかなぁ〜」
「バカお前じゃ釣りあわねぇよ」
別の友達がそう言うが親友は顔が良く女子からも人気があった
少しドキリとしたがその感情が何かわからず僕は形だけの笑顔を作っていた
そして断ったことを知って少し安心していた。
それからもちょくちょく告白された報告を聞く日々だった
ある日、中学になってお互い別の部活をやり始め一緒に帰ることが滅多に無くなってしまったが久しぶりに一緒に帰ることになった
始めは他愛の無い会話をしていた
まるでいつも一緒だった小学校の頃に戻ったようだった。
いつまでもこれが続くだろうと思っていた
「ねぇ、私昨日サッカー部の先輩に告白されちゃった」
僕は一瞬歩いている足を止めてしまった
「そう...なんだ」
変な汗が背中を伝っているのがわかる
「私、付き合っちゃおっかな」
前で歩いてるサヤちゃんが何気ない声音で言う
顔は見えない
「そうなんだ...」
「.........それだけ?」
それだけ...?サヤちゃんは、何を求めてるのだろう。
いや、そんなの分かりきってる。
自分の気持ちをちゃんと伝えるんだ
ふと、父親の顔が思い浮かんだ
母親とのすれ違いにより離婚してしまった
もしこのまま僕の気持ちを伝えたとしても少しのすれ違いが重なって自分も親のようになってしまうのではないだろうか…
そんな考えがよぎってしまう。
ちゃんと話し合いをすれば…でも憧れだった父ができなかったことを僕ができるのか
親ができなかったことを僕ができるのか…
そんな考えが溢れてきて止まらなくなる
そうして、何も言うことができなくなる
「あっ…いや…その…」
絞り出すように声を出すが情けない声で言葉にすらならない
「…もういい」
サヤちゃんはそう言うと前を向き歩いて行く
「私、付き合うことにするよ」
血の気が引いていく
サヤちゃんはそのまま走っていく。
手を伸ばしたが、その手が届くことはなかった。
〇○○〇〇○○〇〇○○〇〇○○〇〇○○〇〇○○〇
ショウのターン
「ちょっとたんま、てかまた別の日に頼むわ」
「え、」
「なんかもう今日は腹いっぱいだわ、それに何話かに分けての方が楽しみ増えるじゃん?」
「えぇ…」
我ながら人の不幸話を楽しみというのは中々にヒドイとは思うが普通にちゃんと話長いし
やっぱり長編ものはちゃんと長い期間かけるのも粋だよね。
「それよりお前結構冷てぇなぁ~」
「え?そ、そうですか?冷たくしてる気は無いんですけどね…」
「いやそうじゃくて、体温の話だよ」
オレは死人の手を握る。
「ほら、やっぱお前体温低いよ」
にぎにぎする。
「そ、そうですかね…。確かにショウさんの手はあったかい気が…。」
「だろ?」
「すみません」
「あ?何で謝んだよぉ~、謝ることなんて無いぜ?オレはなぁ、寝るときにナニか自分より暖かかったり冷たかったりするやつに触れるのが好きなんだよ」
「そ、そうですか」
「というかお前、ひょろそうな見た目して結構がっしりしてんだな、ほら手も」
手の絡め方を変えながら触る。
骨ばった感じが強いがしなやかさを感じる細い指だ。
「ちゃんと男って感じがするぜ?ま、オレには負けるがな」
「ちょ、ちょっと触り方が気になりますが…。あ、ありがとうございます」
「普通に肌も白いし綺麗だな」
「…。」
何だか手がしっとりしてきた。
顔を横に向けると死人が腕で目元を隠していた。
「お?なんだ?照れてんのか?おいおいオレ男だぞぉ~?」
「ニヤニヤしてるのが声でわかるのが嫌ですね…。あと、これは照れでは無いです。」
「じゃあ何なんだよォ~」
「…怖いんです」
「…」
「また、”同じ”ことが起きるんじゃないかって…」
オレは空を見上げる。
空は雲が流れ、太陽を隠していた。
太陽が隠れると少し後に日差しが無くなり春の少し残った寒さが風邪とともに肌に感じた。
オレは、立ち上がる。
「オレはお前のよう”同じ”にはなんねぇよ」
布団から出て立ち上がり、ポケットに死人の手の温もりを逃がさないように手を突っ込む。
太陽が雲から出てくる。
「そんなん、オレが嫌だからな」
日差しが、出てくる。
「オレがお前の”特別”になってやんよ」
「…無理ですよ。もう疲れちゃいました」
オレは後ろを向く
そこには俯いて立っている死人がいた。
「いやシランが。お前の意思、考え、関係無しにオレがしたいからすんだよ」
風が、死人の髪を揺らす。
「…っ。そうですか、ヒドイ言いようですが…期待しないで待ってますね」
顔を上げた死人の目は、光が無く、暗く、生を感じない、濁った黒い目をしていた。
だがその瞳もまた、美しかった。
生きてまぁぁぁあぁぁあっぁぁぁあぁぁぁあぁああす!!!!!!!!!!!!!
エターナル回避ぃぃぃぃぃいいいい!!!!!!!!!!!!!
ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!




