26.子供
おっひさ~
二か月ちょいぶりの更新だよ~
パァンッッッッ
ショウに呼ばれて来た公園でいきなり刺激的なものを見るとは思わなった。
今、俺の目の前には同じ学校の篠崎さんとショウがいるわけだが…
一方は若干内股になっていてもう一方は片頬を少し赤くして固まっている。
この時ショウを見てちょっと笑いそうになったのは内緒にしよう。
まぁ、このまま突っ立っていてもどうにもならないだろうから手始めに話を聞くか。
「で、何があったのさ」
パーカーに付いているポケットに両手を突っ込んだまま近づいていく。
篠崎さんは近づいてきた俺を見ることはせず、片手を打ぶたれたところに添えている。
「ユキちゃぁん!聞いてくれよぉ~!コイツがさぁ!」
ショウは股間を手で押さえているようだ…。
もうこれだけで大体想像がつくな…。
「はぁ、で?」
「コイツがさぁ!?勘違いだっつぅのにオレの頭蹴ったうえに股間も蹴ってきたくせに謝らないんだぜぇ!!」
「はぁ、なんか……はぁ…」
これ、絶対どうでもいいことで呼び出されたなぁ…。
もう帰りたくなってきた…。
「こう言ってるけど…って大丈夫?篠崎さん?」
篠崎さんを見てみるとさっきから動いた素振りが無い…。
というかなんか小声でぼそぼそと何か言ってる…。
「…私…殴られ…た…?…わた…し…が…?」
うっわ、こいつもめんどくせぇタイプか。
これ、どうするかなぁ。取り敢えずショウに詳しい話聞いてからかなぁ…
数分後。
ショウと一緒に話をするためにさっきの場所より少し離れたベンチに座って話をしている。
「いや、子供じゃん。思ったより子供だよ、もう帰っていい?」
「なぁんでそういうこと言うんだよぉお!」
「いやぁ、何から言ったものか…」
ショウは両手で目を擦りながらぐすんぐすん言っている。
……なんかこういうショウを見るのは久しぶりで少し可愛いと思ってしまった…。
これ…だいぶ重症だよなぁ
「まず、禄に話もしない…というかコミュニケーション取ろうとしてないし。
そもそも真っ先に暴力に移るのがもう小学生というか幼稚感が半端ないし…」
「うぇぇえ~!だってよぉ?あいつぜってぇ謝る気がなかったし自分の考えが正しいって思ってる自己中バカだぜぇ!!」
「いや、それもなんというかほとんどショウにも言えたことだし全体的にレベルが低いというか。
この場合、まさに喧嘩両成敗で解決するというか」
ほんと小学生の喧嘩を見ているかのような気分だ…
「 さんもなんかぶつぶつ呟いてて怖いしさぁ、流石にビンタは無かったんじゃない?ショウってそんな女に暴力振るうやつだったけ?」
「いやぁ、なんかムカついたから....」
「もう理由が酷過ぎるしなぁ、それ下手したらカッとなってヤったていう報道されるやつでしょ」
「いや、なんかアイツ面白そうなヤツではあるんだがめんどくさい臭いもするんだよなぁ。
もうなんかそれだけでイライラしてくるわ」
「理不尽すぎて笑っちゃうよソレ」
「我が儘がオレのアイデンティティだからな」
「それ...アイデンティティなのか?」
「いや...わからん」
「なら言うなよ...」
ショウと話しながら横目で篠崎さんを見る
そこにはさっきまで少し遠いとこにいた妹さん...みーちゃんが篠崎さんのとこまで行って腕袖を掴んで何か呼びかけているようだ
まぁ、お姉ちゃんの様子がおかしかったら気にするよな
...。
「でさぁ、この茶番いつまで続けるのさ」
「....そうだなぁ〜、もう飽きたわぁ」
女の子にビンタしてこの発言はだいぶキテルと思うが今更なので気にしないでおこう。
最近ショウのクズさ加減に拍車が掛かっているように感じるが気のせい...では無いだろうな。
「で、篠崎さんはどうするのさ。あのまま放っておくのは流石に酷過ぎると思うけど...」
「別に大丈夫っしょ、みーちゃんがどうにかしてくれるっしょ」
「えぇ....明らかに小学生ぐらいの子に任せて大丈夫なのか...?」
「オレの感が大丈夫って言ってるし問題無いさ」
「ショウの感とか3割しか当たらないじゃん」
「いや、3割も当たればすごくね?」
凄いのだろうか...微妙すぎる...
まぁ取り敢えず本当に帰ろうとしているので俺は本当に何で呼ばれたのかわからないまま帰ることになりそうだ。
いや、ただ暇だから呼んだというのが正解なのだろうが。
「ちょっとみーちゃんにお姉ちゃんよろしくって伝えとくわ」
「あぁ、わかった」
そういえば俺たちが話してた間ずっと篠崎さんの横で篠崎さんの顔を見上げてたな
篠崎さんは少しも動かなかったが本当に大丈夫なのだろうか…
というかショウに任せてもよかったのだろうか…?
まぁ、今更だし別にいいか…
そういえばここに来るのも久しぶりだな...
滅多に外に出ないから当たり前ではあるけれど
この公園でもショウは色んなことをしていた
主に人を泣かせていた。
どうやって泣かせていたのかは...まぁ、ほとんどが暴力だったな...
小さい頃のショウはその辺のガキ大将よりもタチが悪かった
自分が気に食わないと思えばすぐに突っ掛かるし、何が気に食わないのかがわからない点が大きかっただろう。
ショウは自由すぎる子供だった
(いや、今も変わらず自由で子供だとは思うけども)
普通の人から見たらショウはただの馬鹿だろう。
というか誰から見ても馬鹿だと思う
俺もショウは馬鹿だしカッコ悪いことばっかりしてて人に褒められるような人間では絶対無いと思う
ふと中央にある池を見る。
「そういえば…一回だけここでショウが負かされたことがあったな」
あの時は一際大きな音を立てて池の中に投げ飛ばされるショウの姿が衝撃的だったのを覚えてる
…誰に投げ飛ばされてたんだっけか…。
(というかショウ遅いな)
ショウのほうを確認しようと視界をずらしたちょうどその時
空中を飛んでいるショウがいた。
空中を飛んでいるショウを眺めながら
(あ、フラグだったのか…)
などと呑気に考えてるが、正直ショウだし…
ふふ、『ショウだから』で済ませるのまるで最近人気の主人公キャラみたいだな
ショウが主人公か…それはちょっと…気分が良くなる話ではないな
もしも、ショウが主人公だったら…ヒロインは俺じゃない誰かになるんだろうな
…やっぱ自分をヒロインとかいうのは無いわ…ハズイ。
「てめぇ!!急に人ぶん投げるとかどういう思考してんだオラァ!!!」
なんかショウが喚いてるし取り敢えず引き上げるか
ショウに近づきながら篠崎さんを見る。
(なんかプンスカしてんなぁ…)
「ほら、さっさと上がってきなって」
ショウに右手を差し出し掴まるよう促す
「あの女ァ…」
うっわ、ショウの顔ブッサ。
眉間に皺寄りすぎだろ、ウケる。
「ちくしょ~、アイツのせいで服がびしょ濡れじゃねぇか…」
「今度は何をやったのさ…」
「知らねぇよ!みーちゃんと話してたら急に空飛んでんだよ!」
「んじゃ篠崎さん、何で急にショウ投げ飛ばしてんの?」
後ろに振り返り篠崎さんを見る。
「そこのクズがクズだからよ」
「それは否定できないけど急に投げ飛ばすことは無いんじゃないかな?」
「確かに私もその…アレを蹴る…のはやり過ぎたと思ってるわよ。
でもそこのクズは女の私を殴ってきたのよ?
私は女を殴る男はクズだと思ってる、でも私自身が殴られるぐらいならまだクズと思うだけよ。
でもこの男は絶対に誰にでも手を上げるホンモノのクズよ」
…目が怖くなってきてるな。
冷静になったかと思ったらそうでもないか…
「このクズが私の妹に関わると思うと吐き気がしたの。
だから遠ざけるために投げたわ」
「そっか。
気持ちはわかるよ、確かにショウはかなり危ない人物だと思うしそんなヤツに自分の大切な妹を傷つけられたくないと思うのは当然だと思う」
「なら…」
「うん、だから俺は別に篠崎さんを否定する気はないよ。
だからもうショウを篠崎さんと妹さんに近づけないようにするよ、迷惑かけてごめんね」
「……ふぅ…。
そうですね、結果としてはこちら側は私が殴られただけですし」
「ごめんね」
「もういいです。
あ、もう私と妹には関わらないでくださいね」
「わかったよ」
案外サラっと話が進んだな。
まぁ篠崎さんはさっきからずっと早く離れたい感がすごかったしな…。
篠崎さんは妹さんを連れて公園から出ていく。
そういえば妹さんはずっと黙ってたな
慣れてるっぽかったし多分篠崎さんがああいう風になってるのを何度も見たか、ただ興味が無いのか…
ま、俺にはどうでもいいことだな
と、篠崎さんがこっちに振り向く
忘れモノかな?
「あ、それと…なんで貴方があのクズと一緒にいるかわかりませんけど離れたほうがいいと思いますよ」
「うん、ありがとう。でも俺は好んでショウと一緒にいるから余計なお世話かな」
「そう、わからないわね」
…。
「なぁ~、ユキちゃ~ん」
「ん?」
「ラーメン食いに行かね?」
なぁ~~~~~んでぶった???????




