私の思う百合のお話
まずはいつも通り。こう尋ねるところから始めましょう。
「あなたは百合が好きですか?」と。
もし百合が嫌いで、自分には関わることのないものだと切って捨てるなら、ここでブラウザバックしてください。
でも、少しでも興味があるのなら、もしくは好きであるならば、一旦腰を下ろして読んで頂けると幸いです。なに、そんなに時間は取らせません。
ここで私が語りたいのは一つだけ。「百合ってなんなの?」という簡単な疑問に対する、私の解釈と回答です。
◇
皆さんがご存知のように、もののジャンルで百合と言った時に示されるのは女性同士の恋愛、いわゆるGLですね。ちなみに男性同士の時は『薔薇』と言ったりBLと言ったりするのは有名な話でしょう。
まずは基本中の基本。『百合とレズビアンの違い』です。
これは百合好きにとっては基礎知識。「そんなことも知らんのか」と思えてしまうレベルでしょうけど、ここは百合初心者のためにゆっくりお教えいたします。
そもそも「百合」というのは、先ほども言った通り、基本的には『女性同士の恋愛』のことを指すんです。そして、それさえ知っていれば答えは簡単でしょう。
『百合は状況を指し、レズは人を指す』
百合は複数人の女子によって作り出される状況を指しますから、個が百合となることはありえません。
それに対してレズはLGBTのLに当たる、いわゆるセクシャリティ、個人の性的嗜好を表す言葉です。女性のことを好きな女性が一人いれば、「その人はレズビアンである」と言えるわけですね。そう考えてみると、これらが似ているようで全く別のことを指していることがわかると思います。
次に、私の解釈によるところが大きい、『百合とGLの違い』です。
ここは殆どの人が同じものと考えていると思いますけどね。私は、少しだけ違うと思っているんです。
百合って、便利な言葉なんです。ほら、例えば百合アニメと言われるものを思い出してみてください。らき〇すた、けい〇ん!、きん〇ザ、ごち〇さ、などなど……いろいろ思い浮かぶと思います。ゆる〇りなんかは特に百合!って感じがしますけどね。名前で言ってますし。
さて、ここで質問です。上記のアニメは全てGL、ガールズラブというジャンルだと言えるのでしょうか?
そう、ガールズラブってそのまま『女性同士の恋愛』なんですけど、百合は少しだけ違うんです。
なんというか、もっと広い範囲の『女性2人の関係全般』と言うのが簡単ですかね。
例えば、授業中にこんな女の子二人の会話があったとします。
「ねえ、佳奈ちゃん。教科書、見せてくれる?」
「うん、いいよ。机寄せて一緒に見よ」
「ありがとっ!!」
あー…………尊い。えっ、わかるでしょう? この尊さ。
たったの三行。小学校や中学校、高校でも大学でも、実際に起こってもおかしくない、何気ない会話にすら、百合は起こりうるのです。
もちろん、この状況以外にもいっぱいあるでしょう。
例えば帰り道、突然雨が降ってきたときにグループの一人しか傘を持っていなかったら?
「ごめん、駅まで傘いれて?」
「えーいいけど。アイスおごりね?」
「おごるから早く入れて!」
「はいはい」
ほら、百合です。
例えば放課後、買い物に行ったときに友達と偶然会ったなら?
「佳奈ちゃんもおつかい?」
「うん、今日はハンバーグ作るんだ」
「えっ、すごい。今度私にも食べさせて?」
「いいけど、あんまり期待しないでね?」
「やったっ!」
当たり前のように、百合です。
こんな会話だけで、恋愛感情なんて何も含まないのに自然とできてしまう。それが百合です。
恋愛感情の有無にかかわらず、微笑ましいと思える状況の1つ1つが百合になるわけですね。
◇
百合って、作ろうと思って作られるものじゃないんです。
複数人の女の子がいる空間で自然と創造される、「状況」として現れる現象。それが、百合なんです。
だから、大本となる状況はなんでもいいんです。
『それ』が女の子だけによって作られているものなら、百合になるんです。
授業中に教科書を見せて貰う話。
買い物に行ったら友達と会った話。
急な雨が降って傘に入れてもらった話。
好きと告白された話。
キスされて好きになっちゃった話。
告白したら、ずっと一緒になれた話。
好きな子とえっちした話。
レズの子にゆりえっちの良さを教わった話。
もちろん、監禁されて犯された話であっても。
全部、百合になりえるんです。そこに境界も、ルールも、常識だって存在しません。
だから、百合をそんなに狭く捉えないでください。
百合の世界はとっっても広大で、全部尊いんです!
だから皆さん、百合を愛しましょう! そして尊ぶのです!
………………………………。
…………………………。
……………………。
………………。
…………。
……。
おや、見つかってしまいましたか。
そう、まだありましたね。大事な大事なお話をしましょう。
これは百合の暗黒面、タブーのお話……。
先ほど言いました。
——————大本となる状況はなんでもいい
——————『それ』が女の子だけによって作られているものなら、百合になる
そう、ここだけがタブーになりえるポイントです。
ここで言う「女の子」に年齢は関係ありません。必要なのはただ一つ「女性である」ということです。
これだけが地雷となりえる危ういポイント。
『百合のタブー①:男性は論外』
男性が女の子たちの間に入る、女の子を寝取る、男性の良さ(笑)を教える、など。全部論外、特大サイズの地雷です。それらは凌辱タグかハーレムタグでもつけてください。もちろん『男の娘』も男カウントです。
天変地異が起ころうと百合ではありません。極刑レベルですのでやめましょう。
『百合のタブー②:身体が女性でもダメ』
身体が女性でも心が男性であったなら、それは百合にはなりえません。『TSしたから百合です』なんて言ったらセメントで固めて海に沈められても文句が言えないレベルで恨みを買うことになります。
例外としてTS後に様々な要因によって女性としての自覚を持った後それでも、ということであれば百合と認められるかもしれませんが……これはあくまで例外です。百合としないのが無難でしょう。
『百合のタブー③:ふたなり・竿役はNG』
R18の百合世界で賛否両論分かれるところが「ふたなりは百合なのか」ということですが……。あえてハッキリと言いましょう。ふたなりは百合ではありません。
何故かと言えば、先ほども言った通り百合は『女性であること』が大前提です。女性的意識を持った両性具有の方が交わるとき、これは百合ではありません。なぜなら両性具有の方は女性ではないから、です。同じ理由で他種族の竿役等も百合としてはNGですね。
私はふたなりも好きですが、それは「百合でないこと」を前提とした上での話です。百合と称してふたなりが出された日にはお皿をひっくり返すでしょう。
そんなこんなで、今度こそ終わりです。どうかタブー3つはぜひ覚えて帰ってください。
百合NG用語は、『男』『TS』『ふたなり(竿役)』です。
そんなわけで、百合学・基礎編でした。
「てめぇ何言ってんじゃボケぇ!」と思われたことや共感、感じたこと等ありましたら感想欄でどうぞ。