試練1
教室に行くと、有紀がいた。
「有紀、どうだった?」
俺は、有紀が少し心配なのもあって声をかけた。
(す、好きだから気になるとかじゃないからな!)
有紀は俺の方を向き、顔色を一つ変えず答えた。
「大丈夫よ。」
そしてすぐにそっぽ向いた。
(なんだ・・・?有紀の様子がいつもと違う・・・。それに何だろう。嫌な感じだ。)
少しして、チャイムが鳴り、先生がやってきた。
新しく見る先生だ。外見はイケメンで、何だか遊び人の様な感じだ。
(キャー・・・すごくヤバクない?!)
(うん!若いし、イケメンだしこのクラスになってよかったぁ)
何やら、後ろから女子の声がコソコソキャーキャー聞こえる。
(まぁ、確かにイケメンなんだけど、この先生何かが気に喰わないんだよなぁ。)
っと、やってる内に先生が話し出した。
「はい。皆さん、今日から二年生ですね。」
「はい!」(一部の女子生徒だけ)
「はい。今日からこのクラスを受け持つ事になった、朝倉圭都と言います。よろしく。」
(外見だけじゃなく、名前もイケメンてか・・・)
「えー、このクラスにいる皆は理事長から話を聞いているとは思うけど、それなりに覚悟をして進級した子達だと思います。そして、去年とは違い前のクラスとは違いますので、もちろん初めて見る同士なのかもしれません。」
(そうですね・・・)
「そこで、今日は軽く自己紹介を兼ねて、能力テストをしていきたいと思います(笑)」
「はーい♥!」(一部の女子)
新しい先生はニコニコしながら話を続けた。
「はい。じゃ、返事な元気なそこの君からお願いしようかな?」
「はい♥」
俺の後ろ側にいる女子が声をかけられた。
一番返事が大きかった子だ。
「では、自己紹介と自分の属性を言ってください。その後に先生に向かって属性に相応しい能力を発揮してください(笑)」
「はい♥」
そういうと、その女子は前に来て自己紹介を始めた。
「えっと、門田友恵と言います。私の属性は「火」です。」
見た感じ、ちょっと、ギャル系って感じの子だ。
門田は、自分の趣味なんかを紹介した後、先生の方を向いて能力を開放した。
「はぁー!」
すると、両手を開いた手から火が生まれチビチビと燃えている。
「す、すげぇ。」
「いいなぁ、俺も炎系がよかったなぁ。」
(そんなに炎っていいもんか?)
そこで、先生が口を開いた。
「はい。門田さんありがとうございます(笑)」
「はい♥」
(ドスっ)
突然、何やら鈍い音がした。
先生はニコニコしながら、手を前に出し、門田の方を向けている。
「あ・・あ、あ、あぁ。」
門田が突然呻きだした。
俺は門田の方を見た。そして理事長の話を理解したんだ。
なんと、門田が床が多きなドリルの様な形をした物に突き刺さってるではないか。
突然の出来事だ。急に教室中がパニックになった。




