女の子
連続投稿です。続きになります。
【感情の魔女】〝ミラ〟。
『ミラ』は〝この世界でただ一人の魔女〟だ。
『ミラ』の司るのは【感情】。それは人、生きとし生けるモノの全てとも言えるものだろう。
【感情の魔女】〝ミラ〟は自らの【感情】で星を壊しもするし、救いもする。だが、まだ彼女は幼く自分というものが分かっていない。故に彼女の【感情】が現れたとき、それは見境なく発せられる。
『喜怒哀楽』が彼女であり、それが星にぶつけられる。星としての打撃はいたいものだ。
『喜』。『喜び』で空が輝き、天が地を焼く。
『怒』。『怒り』で山が火を噴き、地が割れる。
『哀』。『哀しみ』で天が陰り、滝となって地を飲み込む。
『楽』。『楽しみ』で風が吹き荒れ、物を飛ばし、地を削る。
俗に言う、天変地異を【感情】によって起こすことができる。
『ミラ』がこの世界に生まれたきっかけ、何てことはない、ただの偶然である。
生まれ持った物の中に魔力があった。その魔力が規格外と呼べるほど、異常と呼べるほど、奇跡と呼べるほどに高かった。
『ミラ』には神からの授かり物があった。
それを満たせるだけの器量があった。
全てが偶然、いや必然だったのかもしれない。だとしたら、やはり彼女は神サマに選ばれたのだろう。
だが、彼女は人間だ。母、父の元に生まれ、普通の女の子の筈だった。それでこのような力をもってしまったのならやはりそれは偶然でも必然でもなく神サマの悪戯としか言えないだろう。
彼女は物心ついた頃から全て分かっていた。自分のことが。他の人とは違うと。だけどそんなこと認めたくはなかった。
自分は普通だと、何も特別ではないと信じたかった。しかし、どこまでも彼女にとって世界は残酷だった。
まだ幼く、制御出来なかった【感情】で生まれた場所を壊した。それはすぐに明らかになり、彼女は居場所を無くした 母と父もその時に死んだ。
居場所を無くした少女は故郷を出た。出て当てもなく歩いた。何日か歩いた少女はお腹が減って動けなくなった。何日も何も食べてもいなく、このままでは死んでしまうということも分かっていたが別に死んでしまっても構わなかった。
だけど少女はそんな時に男の子と会った。倒れている私に水と食べ物をくれたのだ。
あの時の味は今でも覚えてる。ただのパンと水。たったそれだけだったのにスゴく美味しく感じられた。彼が居たから生きられた。彼が居たから私はまだ生きて行こうと決めることが出来たのだ。
――少女は今日も生きていく。




