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第8話 先行投資

総合日間ランキング10位になりました!皆様のおかげです、ありがとうございます!!

服屋を出てから俺は街中を走り回った。辺りを見渡しながら困っている人を探す。


街にはいないな…、外出てみるか。

人助けと言えば、外でゴブリンに襲われているのを助けるーとかだよな?


街の周辺をグルッと周り探した。




今日は平和だった。



平和な事はいいことだよ。うん。どうしよう…。あてが外れた。だが!ここで諦める俺じゃねえ!まだまだこれからだっ!


俺は再び走り出し困った人を探し続ける。


「くっそ…困ってる人がいない…」

「ユウタ。」


走り疲れ立ち止まって休憩をしているとルルの声が聞こえた。


「疲れすぎてルルの声が聞こえる…やっべえどうしよう…。」

「何を言っておるのじゃ。ワシの声で間違いないぞ?」


今頃ルル怒ってるんだろうなぁ…。すぐ戻るって言っといてだいぶ時間経ってるもんな。


「ユウタっ!」


ボスッと背中に衝撃が走った。

振り向くとそこにはふくれっ面のルルがいた。


「なぜ無視をするのじゃっ!」

「やべぇ。幻覚まで見えてきた。」


そうだ。これはきっと幻覚だ。本物のわけがない。さっきの衝撃も気のせいだ。


幻覚ルルを見るとプルプルと震えていた。あ、怒ってらっしゃる。


「ご、ごめんなさい。」


素直に謝るのが一番だよね!


「…もういいのじゃ。それより、マリエールが戻ってこいって言ってたのじゃ。」


マリエール?誰だそれ。


「あら、こんな所にいたのね?」


服屋のオバ様がやって来た。もしかして遅いから俺のことを探してくれたのかな?


「あ、すいません。すぐ戻るって言ったのに。」

「マリエール。さっきまでユウタは走り回ってたのじゃ。」


え、マリエール?もしかしてオバ様の名前?


「あらそうなの。一度服屋に戻ってくれるかしら?」


オバ様。もといマリエールさんがニッコリと微笑みかけてくる。


怒られるのだろうか。ここじゃ、あれだから事務所来いやオラァ!的なアレだろうか?


俺は恐る恐るマリエールさんについて行き服屋に入った。


「はい、これ。」


服屋に戻ったマリエールさんが、ルルが選んだ白のゴスロリ服を手渡してくる。


あ、お金ないこと言ってないや。


「すいません、実は、お金が無くて…。」

「だろうとは思ってたわ。」

「えっ?」


もしやこの人…エスパーだな?


「あなた、ついこの間召喚されたばかりの勇者様でしょう?」


す、素性がバレてる…だと…っ!


「い、いえ。通りすがりの者ですが。」


マリエールさんから目をそらし手をブンブン振り回して否定する。


「ユウタ…噓が下手なのじゃ…」

「そうね。」

「え。」


この2人は俺のポーカーフェイスを見破ったと言うのか…?


「勇者様は召喚されたばかり。だからお金を持っていなくても問題ないわ。それに精算する時にあんな顔を引きつらせて冷や汗ダラダラになってたら、いくら鈍感でも察すわよ。」


あれ、俺のポーカーフェイス…。


「すいません…じゃあ、これは一体?」


手渡された白ゴスロリ服を眺める。


「あなたが出て行った後にルルちゃんとお話ししててね。仲良くなっちゃったの。」

「…それで?」

「だから、その服プレゼントするわ。」


何言っちゃってんのこの人。そんな理由で服あげてたら商売にならないだろ…。一応考えが悟られないようにポーカーフェイスを作る。


「何言ってるんだろうって顔してるわね。」


もうポーカーフェイス辞めます…。


「まあ他にも理由はあるわ。」

「理由ですか?」

「先行投資と考えてくれてもいいわよ?」


先行投資…。俺に投資して一体なんの価値があるのだろう。


「勇者様の1人にご贔屓にしてもらいたいってだけの話よ。」

「あぁなるほど。」


確かに無料で商品を渡されたら申し訳なく何回もこの店に通ってしまうだろうな。


「ほら、はやくルルちゃんにその服を着せてあげな。」

「じゃあお言葉に甘えさせてもらいます。」


オバ様に丁寧に頭を下げ白ゴスロリ服をルルに手渡す。


「ルル、そこで着替えて。」


個室更衣室にルルを案内し俺は外に出る。ゴソゴソと服の擦れる音が聞こえている。


「…着替えたのじゃ」


カーテンの隙間からルルが顔だけを覗かせる。


「どうしたルル?」


一向に個室から出てくる気配がない。ジッとカーテンから顔を出したまま動かずだ。もしかしてサイズがあってなかったのかな?


「…笑うのは無しじゃぞ?」


やっと決心したのかカーテンをバッと勢いよく開けた。


「おぉ…」

「あら…」


俺とマリエールさんは息を呑んだ。


銀髪ケモミミッ子の白ゴスロリの破壊力は俺のHPを1にした。超可愛い。


「な、なんじゃ。黙るのも無しじゃっ!」

「いや、その…。」

「「大分似合ってるぞ(わね)」」


マリエールさんと声がハモる。

適当に選んだ服にしては似合いすぎだとは思ったがルルなら何を着ても似合うんじゃないのだろうか…。


「ここまで似合うとあげた甲斐があるってものね…」

「…マリエールさん本当にありがとうございます…。グッジョブです。」


親指を立てて爽やか笑顔で笑う。


「ぐっ…じょぶ?なんだかよくわからないけど、ぐっじょぶ。」


マリエールさんも俺の真似をして親指を立てる。ノリがいい人だな。


「マリエール、一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

「ええ、いいわよ?」

「俺でも金を稼げそうな仕事ってありませんか?」


俺はこの世界の金を一円も持っていない。こりゃ流石にマズイだろう。


「魔物を倒して剥ぎ取ったものを売れば良いお金になるわよ。」


なるほど。次に何をするかは決まったようだ。モンスターを狩りまくってお金をゲットしてやる!


誤字脱字などがありましたらご報告ください!



次の更新も明日の昼頃です。

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