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第3話 初回限定10連ガチャ無料

「こちらが渡部様のお部屋となります。」


そう案内されてやって来た部屋は、日本の俺の自室くらいの普通の部屋だった。廊下とか超でかいから、でかい部屋を期待したのだが俺程度は無理なのだろう…。自分で言ってて泣きそう。


部屋の中はベッドと机くらいしか置いてなかった。とりあえずベッドに腰掛け一息つくことにした。


「ふぅー…マジかぁ…」


ステータスの件については大分ショックだった。そりゃそうだろう…俺だけ弱すぎる…。


先ほど貰ったオンボロ装備を脱ぎ、ベッドの横に立てかける。さて。固有スキルでも見るかぁ…。


「ステータスオープン」


【名前】ワタベ・ユウタ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】****

【レベル】1

【体力】100

【魔力】78

【攻撃力】62

【防御力】53

【敏捷性】127

【スキル】鑑定・偽装

【固有スキル】ポイントガチャ

【魔法】無し



ポイントガチャ…。なんだそのヘンテコな名前は。さっきも見たけどよくわからない名前だな…。


【ポイントガチャ】

ポイントを貯めてガチャを回すことができる。何が当たるかはランダム。初回10連無料!1回10ポイント。10連100ポイント。


何だこれ。説明を見ても全く分からんぞ?クラスメイトの固有スキルは火属性操作とか、魔法が使えるようになったり攻撃力が上がったり、必殺技があったり。とかだったはず。


ポイントガチャ…まるでゲームみたいな…。ゲーム?ま、まさか。


震える手で空中に浮かぶ10連初回無料の文字を押してみる。


パッと目の前が金色に光った。


「っ!何だこの光…!」


光が収まり目を開けた。俺は目を疑った。俺の視界に広がる10連の中身に見たことがあるものがあったからだ。


どこで見たかって?それは『モンクエ』だよ…。


装備

・鉄の盾 【レア度2】

・鉄の剣 【レア度2】

・鉄の鎧 【レア度2】

・鋼鉄の剣 【レア度3】

魔法

・火球20発 【レア度3】

・水球20発 【レア度3】

スキル

・火属性操作 【レア度4】

・水属性操作 【レア度4】

・剣術の極意 【レア度5】

従魔

・神獣フェンリル 【レア度6】




…し、しし、神獣シリーズきたぁあ!!じゃなくて!これはどう見ても『モンクエ』のガチャ画面…。どういうことだ…。


とりあえず一番上の鉄の盾をタップしてみる。


ドサッと目の前に鉄の盾が落ちた。


えっ。これ本物じゃん…。

次は鉄の剣をタップする。


ドサッと目の前に鉄の剣が落ちた。

これってもしかして…。

俺は急いで火操作をタップした。


「ステータスオープン!」



【名前】ワタベ・ユウタ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】****

【レベル】1

【体力】100

【魔力】86

【攻撃力】62

【防御力】53

【敏捷性】127

【スキル】鑑定・偽装・火属性操作

【固有スキル】ポイントガチャ

【魔法】無し



す、スキル欄に火属性操作が増えてる…!しかも魔力が増えてるぞ。も、もしかしてポイントガチャって固有スキル、ぶっ壊れじゃね。


とにかく!!もしかしたら偽装無しでも平均くらいステータス伸ばせるかもしれないぞ!


とりあえず上から順にガチャで手に入ったものをタップしていく。そして最後。神獣フェンリル。これどうしようか…。タップした途端この部屋に現れたらどうしよう…。


【従魔】

従魔の名前を呼ぶことで目の前に出現する。


あ、大丈夫そう?ポチッとフェンリルをタップする。…よし。何も起きない。とにかくこのスキルは凄いぞ…。俺に唯一残された異世界満喫ライフ手段…!


俺の与えられた部屋には剣と盾が転がっている。…これどうしよ。


剣と盾の保管場所に悩んでいるとコンコンとドアが叩かれた。誰だろ?


「はいー?」

「先生だ。今から皆で外に出るからさっきの部屋で集合だ」


え、外出るの?…いや、まぁさっきの絶望してた時よりかは幾分安心できる状態にはなったけど。それでもステータスは雑魚のまんまだからなぁ。まっ仕方ないか。


ベッドに立てかけたオンボロ鎧を来て、置き場所に困っていた盾を手に持つ。武器は〜…鋼鉄の方にしよう。怖いし。


明らかに部屋に入る前よりいい装備を持って部屋を出た。俺が出たのと同時くらいに隣の部屋が空いた。


「おっ、優太。隣だったのか!」

「直也か、一瞬誰かと思ったぞ。」


直也の服は先ほどまでの制服とは違い、魔術師っぽくなっている。


「…優太、良いことなんかあったか?」

「ん?」


良いこと…いや、さっきまで悪いことずくめだったからなぁ。ポイントガチャは良いことに入るな。


「あぁ。ちょっとな。」

「よかった。さっきまで死んだ魚の目してたからな。」


談笑をしながら先程いた部屋についた。


「…遅いぞ。渡部ちょっとこい。」

「え?はい。」


皆が集まっている中、俺だけ呼ばれて注目を浴びる。悪い意味で。


なぜか、イケメン君と王女、そして王様らしき人のとこまで連れてこられた。皆がジッと見てくる。こいつ何しでかしたんだ?ってな感じで。


「私のスキルにはあまり使えないものがありまして。」


王女が口を開いた。なんだ?いきなり世間話か?


「そのスキルは【偽装破り】というものなんですが。それを聞いて何か思い当たる節はございませんか?」


…ある。大いにある。あるけどこれはちょっとまずくないか?

偽装という言葉を聞いてクラスメイトや他のクラスの奴もザワザワしだす。


「…はい。」

「やはり。ではもう一度ステータスを見せてもらってもよろしいでしょうか?今度は偽装無しでお願いします。」


…くっ。仕方ないか…。


「ステータスオープン…」


【名前】ワタベ・ユウタ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】****

【レベル】1

【体力】150

【魔力】200

【攻撃力】362(62+300)

【防御力】303(53+250)

【敏捷性】127

【スキル】鑑定・偽装・火属性操作・水属性操作

【固有スキル】ポイントガチャ

【魔法】火球20発・水球20発



…あれっ。なんか成長してる…。魔力は魔法を覚えたから上がったとして…攻撃力は鋼鉄の剣がプラスされてるのか…という事は防御力は鉄の盾か。


す、すげぇ。平均以下だけどこのくらいなら…問題ないかな…。


「スキルが平均より多いですね。それに職業…これは何でしょうか…。それよりどうしてステータスに偽装を?」


弱かったから。なんて恥ずかしくて言えない。


「今、王女様が言った通り、職業が不明でして。自分が平均以下だから出現していないと思い恥ずかしく偽装しました。」


よし、あり得る言い訳だろう。


「…なるほど。確かに私も見たのは初めてですが気を落とさないでくださいませ。」

「渡部、二度と偽装はするなよ。」

「はい。すいません」


痛い忠告をされてしまった。偽装破りなんて物があるなら教えてくれよこの野郎…でもステータスが装備で上がった…!


怒られているのにもかかわらずちょっとだけニヤけてしまう。


「それじゃあ皆!外に出て戦闘に慣れよう!」


イケメン君が声を上げ皆に微笑む。さすが勇者様っすわ。


俺は目立った恥ずかしさでコソコソと集団の中に戻った。


「お、おい。優太。ステータス上がってたよな?あれも偽装か?」


アホか…偽装バレて呼ばれたのにそこで偽装使うわけないだろ…。


「いや、何かステータス上がってた。」

「はぁ?なんで!」

「多分固有スキルのお陰かな。」


直也は頭の上に?を浮かばせながら「ま、まぁよかったな!」と肩を叩いてきた。

うん。確かによかったよ…。


読んでいただきありがとうございます!次の投稿は明日を予定しています!これからもよろしくお願いしますm(。_。)m

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