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第2話 ステータスの差

なぜだ。なぜ俺は自分の夢なのに人に負けてるんだ…。いや、それは百歩譲ってもいい。なんでこんなにステータスが違うんだ…。新手のイジメか?イジメなのか?


「…そ、その。気にすんなよ?」


やめろ!その哀れむ目で見るのは!


「おう…他の奴のも聞いてみるか…」


直也が特別俺の中でよく出来ただけかもしれない。そうだ…他の奴は俺とさほど変わらないさ!!


そう意気込み周りのクラスメイトのステータスを見せてもらった。


結論を言おう。直也は普通でした。え?どういうことかって?皆まで言わすな。俺がメガ弱だったんだよ…。


皆ステータスは三桁が当たり前でしたよ。へっ!


「おおぉぉ!!!王子、やっぱスゲェな!」

「さすが王子君ね!!」


どんより気分の俺をスルーして隣のクラスのイケメンが騒がれる。この夢、俺にハードモードすぎだわ…。


「こ、これはーっ…」


王女までもが息を飲んだ。


【名前】キサラギ・オウジ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】勇者

【レベル】1

【体力】1000

【魔力】800

【攻撃力】800

【防御力】800

【敏捷性】600

【スキル】鑑定

【固有スキル】勇者の力

【魔法】火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・光魔法


あ。王子ってあだ名じゃなかったんだ…キラキラネームってやつか。ってハァア!!!???何だこのステータス!!


化け物じゃねぇか…職業勇者とか羨ましい…。くっそ、俺の夢なのにぃ!!!


ギュゥーっと頬をつねった。あれ?痛い。隣で直也が更に哀れむ目で見てくる。


「なぁ、直也。ちょっと俺のことビンタしてくれ。」

「は、はぁ?」


ビタァンっと思っきりビンタされた。うん。痛い。めっちゃ痛い。泣きそうになってきた。二重の意味で。


「も、もっかい。」

「目覚めたのか!?」


バッチィーンっ!といい音がした。やっぱり超痛い。号泣しそう。痛いからってのあるよ?あるけど…

痛いってことは夢じゃないってことだろ?そのことで泣きそうなんだよ…。


「くっそがあ!!!夢じゃねぇのかよぉお!!」

「おまっ、大人しいと思ってたら夢だと思ってたのかよ!?」


俺が叫んだ事と、夢だと思っていたという事にダブルで驚く直也。


待てよ…これが夢じゃないってことは…俺はこのステータスで異世界ライフを送らなきゃならないのか?


「皆、とりあえず落ち着いたみたいだしステータスを全員分把握しない?」


王子がキラキラ笑顔で言い放つ。周りはその意見に賛成らしい。


「そうだな…。知っておいたほうが良いかもしれん。」


おぉ、先生もいたのかよ。そりゃそうか。同じ教室にいたんだし…。にしてもどうしようか…。俺だけこんなステータスだとバレたら…。


何か良い策は…とりあえず、ステータスもっかいみるか。


「ステータスオープン…」


【名前】ワタベ・ユウタ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】****

【レベル】1

【体力】100

【魔力】78

【攻撃力】62

【防御力】53

【敏捷性】127

【スキル】鑑定・偽装

【固有スキル】ポイントガチャ

【魔法】無し



なぜか俺の職業が見えない。まさか弱すぎて職業無しってことか?あ、やばい。目から汗が…。おっ、スキルに偽装ってあるけど、なんだこれ?


【偽装】

自身のステータスを他者の目から偽装できます。鑑定スキル持ちでも偽装可能。


お、おぉお!!なんて素晴らしいスキルなんだ!この状況で俺が一番必要とするスキルじゃないか!!


「えっと【偽装】…ステータスオープン。」


【名前】ワタベ・ユウタ

【種族】人間

【性別】男

【年齢】17

【職業】戦士

【レベル】1

【体力】500

【魔力】400

【攻撃力】400

【防御力】400

【敏捷性】200

【スキル】鑑定

【固有スキル】振動剣

【魔法】無し


こんな感じか?クラスメイトに戦士が多かったから職業も、偽装してみたけど…。やっぱこれが平均なんだよなぁ。


とりあえずステータス公開はこれで乗り切れるな…。


ふぅ。と一安心し順番を待つ。その隣で「大丈夫か?」なんて心配してくる直也がいるが基本スルーだな。

なんか腹立つし!


「次。渡部!」


先生に呼ばれ出席番号にステータスを公開していく。そして俺が呼ばれた。


「ステータスオープン」


俺の偽装したステータスを先生がメモっていく。


「うん。渡部は平均的だな。行っていいぞ、次!」


平均的だと良かったんですけどね!ギロッと恨みを込めて先生を睨みその場を離れる。


「優太!どうしたんだ、さっきのステータス!」

「俺のスキル、偽装で誤魔化したんだよ…。」


直也に嘘をついても仕方ないからここは正直に話した。


「そんなことができるのか…ちょっと安心したわ…」


まぁね、俺も安心したわ…。


「よし。全員のステータスはわかった!戦士系の皆は装備を配布するから集まってくれ!」


いいなぁ、職業あるやつは…。って偽装で戦士にしちゃったじゃん!行かなきゃマズイよな。


戦士じゃないが一応、集合している場所に行ってみた。そこにはズラーッと装備が置いてある。


「ステータスが高い者から順にとっていってくれ。」


ここでもステータスかよ。チッと舌打ちして後ろの方に行く。


平均的と言っても下の方だからな。あまり高すぎると偽装なのに期待されてしまう。


俺の番が回ってきて、残った装備を見る。雑魚そうな鎧や武器ばかり残っている。残り物には福があると言うがありゃ嘘だな…。


俺の後ろには10人くらいしか残っていなかった。魔術師とか全て含めた平均を取ったのがミスったか…まぁいっか。


この中でマシな装備は〜。


どれにしようかな、的な感じに悩んでいると後ろの女の子が泣いているのが分かった。女の子で戦士って、かわいそうだな…。


残された装備をもう一度見ると、綺麗な装備が1セットだけ残っていた。俺に取られると思って泣いていたのかな?


その装備一式を手に取った。女の子はあからさまにガッカリとしていた。やっぱ、この装備が欲しかったのか…。


「はい。」


俺は女の子に装備一式を手渡した。なるべく笑顔で。


「えっ?」


女の子だけじゃなく周りの生徒や先生まで驚いていた。この装備を除けばあとはオンボロばかり。どう考えてもこの装備を選ぶと思っていたからだろうか。


俺はいらないんだよな。なんせ偽装で戦士になってるだけで実際戦場に立てば速攻死ぬだろう。だから着ないで大人しく応援でもするさ。


「い、いいの?」


恐る恐る聞いてくる女の子。名前は知らないな。違うクラスの女子の名前なんて把握してない。けど顔は見たことはある。


「いいよ。」

「あ、ありがとう!」


俺はオンボロ装備を片手に取りながら笑顔で言った。すると泣きそうな笑顔で感謝を言われてしまった。

泣きそうなのは俺なんだけどなぁ…。


手に持った装備を見て思う。ボロすぎだろ…と。


「鑑定。」


【錆びた鉄鎧】

鉄くず一歩手前の鎧。レア度0

防御力+1


うわー…まぁ一応+1されるんだ…。

半ば諦めモードで一人とぼとぼと部屋の隅にある椅子に座る。


「あーあ…どーしよっかなぁ…」


前途多難。ハードモードすぎる…。あ、そうだ。俺の固有スキルってどーゆー能力なんだろ…。まぁステータスからしてゴミスキルだろうなぁ…。


「皆様、一人一人にお部屋を用意しております。ご案内いたしますので呼ばれた方からおいでください。」


うん、いいタイミングだ。自室で固有スキルの内容を見てみるか。

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