鈴木直也視点その1
作者の都合で昨日投稿できませんでした!すみません!
今回は優太視点ではなくサブタイトル通り、直也視点です。
俺の名前は鈴木直也。
ある日俺は、異世界とやらに召喚されてしまった。
そこで与えられたステータスは平均より少し上。まぁまぁと言ったところだったのだが俺の親友の優太は平均以下どころか下の下。
見るからに落ち込んでいる優太に何と声をかけていいかわからなかったのだが、案内された部屋から出てきた優太はさっきまで見せていた暗い顔はもうしていなかった。
「…優太、良いことなんかあったか?」
「ん?」
優太は色んな感情が顔に出るタイプだから俺の質問に対して嬉しそうな顔を見せた。
やっぱいい事があったんだな。他人事なのだが少し俺は嬉しかった。
その後、俺達全員は城の外に出て魔物と呼ばれるモンスターを倒しに行くこととなった。
優太の班は…あ。五十嵐がいるじゃん。大丈夫かなぁ〜…。
俺の班は全員が魔術師で魔法を使う練習をしよう!という事になった。
本当に魔法が使えるのかはまだ完全には信じきれてなかったがいざ試してみると凄かった。
何もないところから火や水が発生して魔物にダメージを与える。初めの方は攻撃の威力も弱かったのだが魔物を倒してレベルを上げるとだんだんと威力も高くなっていった。
楽しくなりどんどんと魔物を倒していると王子たちに合流した。俺達以外の班もたくさんいたが、優太達の班は探してもいなかった。
怪我してねえかな…。
少しだけ心配になる。なにせあのステータスだからな。それに他の班のメンバーも平均以下だったはずだし…。
そう考えれば考えるほど心配になっていくのでとりあえず大丈夫だろうと信じて王子達と行動を共にした。
そこで見た王子の攻撃は圧巻だった。俺達が何回も攻撃してやっと倒せるモンスターを一撃で倒してしまった。
流石勇者ってことか…。
暫く経ち集合場所へと戻ってから数十分ほど経って優太達が帰ってきた。
よかった、無事か…。
見たところ怪我も無さそうなので安心した。優太の顔を見ると何故か苦笑いで、班のメンバーは顔が引きつっていた。五十嵐に至っては顔が青ざめていた。
何かあったのだろうか?声を掛けてみるか。
「お、優太!帰ってきたか!」
あたかも今気づいたかのように振舞う。俺は優太とは違いポーカーフェイスが上手いから恐らくバレないだろう。
優太は俺の顔を見て、プッと笑っていた。何かしたっけ…。
「直也達はどうだった?」
どうだったって、やっぱ魔法のことだよな?
「あぁ、魔法って凄えな!まぁ俺なんかよりも王子の方がよっぽど凄かったけどな。」
俺は思ったことを全て優太に言った。
「王子と班同じだったっけ?」
「ん?いや、途中で結構な班が合流して一緒に行動してたんだよ。知らなかったのか?」
王子の話をしたから同じ班だと思ったのだろうか。
「い、いや。知らなかったな。」
知らなかった?…俺が合流した時は王子の班のメンバーが1人教えに来てくれたけどな…。そこで俺はあることに思い出した。
「あっ…」
つい声が出てしまった。
「どうした?」
正直に言うか迷うがここで嘘をついても意味はないか。
「あ、いや…そう言えば合流した奴らの中に平均以下の奴らはいなかったなと思って…」
正直にそう告げると優太はムッとした顔になった。あ、ムカついてる時の顔だな。
「やあ!皆集合したね!」
そこへ王子が声を上げた。
「班行動をして思ったんだけど、戦闘できるステータスを持つ人と持たない人で別れたほうがいいと思うんだよね!」
何を言ってるんだ?と一瞬混乱したが直ぐに王子の言う意味が理解できた。王子はわざわざ今の言葉の意味もしっかりと伝えた。
優太を見ると明らかにイライラしている顔つきになっていた。火に油だ…。
それから優太は数回王子と言葉を交わし、最後に俺に平均以下組を頼むと言った。
少し言い方が気になったがあまり気にしないことにしたのだが、優太が放った言葉で気になった理由がわかった。
「俺は出ていく。」
自分は守ってもらうやつに入ってなかったのかよ…。
もちろん俺は止めた。止めたが昔からの付き合いだからわかる。こういう時、優太は一度決めたら曲げない奴だ。言っても無駄だろう。
こうなったら俺も優太について…いや…。優太に頼まれた通り平均以下だった奴を誰かが守らなきゃいけないよな。
「じゃあまたな。」
優太は俺を真面目な顔をしてみた。頼むぞってことなのか?
優太が出て行った後に女の子が1人走って行ったけど、何だろう。まあなんだかんだで意外にモテてたしな。本人は気づいてないみたいだが。
その後数日間、特にすることもなく魔法の練習をして過ごした。そして全員が再び呼び出され集まった。
「皆。今から迷宮に行ってレベルを上げよう。」
王子が言うには近くの森で迷宮が発見されたらしく、そこの魔物は経験値がいいらしい。
なるほど、レベル上げには持ってこいな場所だな。でもそんな魔物に王子はともかく俺達は勝てるのか?
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やはり俺が思った通りだった。
王子や、ステータス上位組はともかく俺達には倒せる敵じゃなかった。
数人で一体を攻撃してやっと倒せる。蜥蜴のような魔物、リザードマンに苦戦していた所にさらにデカイ蜥蜴が飛んできた。そう、ドラゴンだ。
「で、でけぇ…!」
俺が想像していたドラゴン通りのドラゴンだった。俺達は戦うしかなかった。
王子達も応戦していたのだが、いつの間にか消えていた。俺達を盾にして逃げたのかよ!?
くそ!これは勝てないだろ…!逃げ道も無いし…。死んだな…。
「鑑定!」
俺の背後でこの場にいないはずの人の声がした。まさかとは思ったが後ろを見てみた。
「優太っ!?」
そこには苦笑いをして走ってきている優太がいた。
1日1話投稿だと、内容がさらに薄くなってしまいますね…。2日に1回くらいにペース落とすことにします…。
次の投稿は6/29の昼頃です!




