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前投宿日と初日

一年ごしにようやく呉に行きました

投宿日

呉という街はのんべにはたまらぬ街である。


夜になると数件の屋台が蔵本通りに立ち並び、それぞれに異なる料理を出す。

挿絵(By みてみん)

昨年に来たときはテールスープのラーメンを食べたし、今回はおでんや串物のだるまで食べた。

おでんは百円からで安くて美味い。

挿絵(By みてみん)

頼んだのは大根、たまご、すじ。

どれも味が染みていてうまい。


挿絵(By みてみん)

豚足があったから頼んでみたら、煮込みかと思ったら焼きで、皿にどっさり乗っていたから驚いた。

手掴みでかぶりついて食べる。

非常に野趣があり、ぷるぷるしていてうまい。


それからラーメンを食べる。

挿絵(By みてみん)

どれも、呉でなくては食べられぬというような、特別なものは無かったがうまかった。


好きな人であったら、一軒で少量頼みハシゴしてまわりたくなるような気分になるに違いない。



赤ビルというビルが川沿いにあって、そこの寝カフェに投宿した。

ここはその上に温泉があって、ネカフェで指定時間以上利用すれば、入浴券がもらえるというものだ。

という訳でナイトパック10時間で利用して、入浴してきた。

7時から2時まで営業していてサウナや、鉄板が温泉の熱で温まっている地熱温泉というものまであり、なかなかに快適であった。

温泉は時によって湯が変わっていた。私が行った時は紫色のローズであった。


挿絵(By みてみん)

なぜかネカフェの入口に、艦これの大和の艤装があったけれども、全部ではなかった。が、少しテンション上がった。



初日

私が旅に出る時に必ず、きっちり調べておくのが朝飯だ。

よほど、店もやっていないくらい早くに出ねばならぬというのでなければ、ちゃんときちんとした朝飯を食べられる場所を探しておく。

というのも、昼飯や晩飯なら、適当な店に飛び込む事もできようが、朝飯となると開いている店も少ない。

やっている店を探しているうちに見たいところが始まってしまうやもしれぬ。

だから、朝飯はきっちり探しておく。


東京なら山の上ホテル、京都ならイノダコーヒなどというようにこの街なら、ここという店はいくつかあって、そのうちの一つが呉森沢ホテルのベールマランである。

森沢ホテルは呉で百年続くホテルで元は小さなホテルらしかったが、今ではなかなか見事なホテルである。

挿絵(By みてみん)

その森沢ホテルのロビー脇にある喫茶orレストランがボアマレーである。

残念ながら高級ホテルであれば、ラウンジ扱い程度のレストランなのだけれど、ボアマレーが凄いのは、そのコストパフォーマンスの良さである。

朝食は和、洋の二種類あって、どちらもオーソドックスな料理であるけれども、これにバイキングまで付いている。


挿絵(By みてみん)

そのバイキングの量といえば、それだけで金を取っても良いのではないかと思えるほどの種類と量があるから、定食とバイキングを少量食べるだけでお腹いっぱいになる。

いや、もう食べきれないほどだ。

サンドイッチやカレーもあるから、洋定食にカレーを付けたり、和定食にサンドイッチを付けたりするのもありだ。

定食は少し量が足りない感じがしなくもないが、なに、足りなければバイキングを食えばいいのだ。

これで千円というのだから安すぎるほどである。

そんな訳で森沢ホテルのボアマレーの朝食なら朝から豪勢な食事を満喫できて、よし、今日も頑張ろうという1日の活力となるだろう。



呉ではクジラが鳴いている。

嘘だった思ったら、アレイからすこじまにきてみたらよい。


キュルリ、キュインという鉄がすりあうような音が響いている。

それは鉄のクジラが鳴いているからだ。


どこか淋しげに、哀しげに鉄のクジラは鳴いている。


何を思って鉄のクジラは鳴いているのであろうか。


はるか、横須賀にいる仲間の鉄のクジラを思って鳴いているのだろうか。

それとも、かつての姉妹艦であったれども、今はいない飛龍を思い出してそうりゅうが鳴いているのだろうか。


なかには、

いや、違う。

あれは潜水艦が出しているのではない。


あれは海面に浮いている鉄板がこすりあったりして音がしているだけであって、潜水艦とは無縁だという方がいるやもしれぬ。


それは著者もおそらくそうであろうと存じているけれども、そこは鉄のクジラが鳴いているからとした方が小説としてきれいではないか。

だから、そう書いたのである。


小説とはすべて事実を書く必要などないのだから。

ところで、呉の自衛艦を見るのは、いささか難しい。アレイからすこじまから見れるのは潜水艦がほとんどで、護衛艦はあまり見れない。

というのも護衛艦が停まっている埠頭は基地の奥側にあって、 基地の入口からわずかに覗けるくらいだからだ。


からすこじまから見れるのはいなづま、さざなみくらいで、しかも遠いからあまり見応えがない。

あぁ、護衛艦じゃないけど、ひびきは間近から見れましたっけ。


では、近くから見れる方法は無いのかというと、いくつか方法がある。

ひとつはバンカーサプライの港内めぐりに乗るか、日曜日の艦船見学に参加するしかない。

かつては艦船見学は指定の時刻に行けば、好きに参加できたのだけれど、今では、前者の水曜日までにインターネットで配布されている申込書と参加者リストに記入して、それをファクス送信せねばならぬ。

ネットで配信しているのだから、そのまま、ネット申し込みできるようにすれば良いような気がする。


そんな訳だから、艦船見学をしようと思ったら、あらかじめきっちりとスケジュールを決めておかねばならぬ。

時間に間に合わぬから後の回に回すなどというまねができるわけがないのだから。


ちなみに日曜日には、元呉鎮守府の建物である総監部の見学もできるのだけれど、こちらもまた、事前予約が必要である。

さらに当日は免許証などの顔写真付きの身分証も必要である。

今は厳しく確認しているそうであるから、忘れてしまわないようにしていただきたい。


ともかく、基地内に首尾良く基地内に入れたら、艦船などの撮影は自由にしてよいようであるが、あくまでもそれは目的の艦船に行くための通路から見える分を撮影しても良いというだけで、見たい艦船があるからと言って、規定のルートを外れて違う場所に行ってはいけない。

という事である。

こればかりは厳しく言われている。

だが、そう言った決まりを守っていれば隊員の方たちはみんな親切でフランクで記念撮影などにも応じてくださっている。

やはり、男性隊員よりも女性隊員の方が撮りたくなるのだろうか、まるでルックスで採用したのかと思うほどの可愛らしい隊員さんもいらしたから、やはり、その隊員さんは撮影人気であった。

結論としては艦船見学は非常に楽しい。

ところで、今回は練習支援艦のくろべだった。

ある意味ものすごく残念だった。

いなづまかいせの時にでも、見学するためだけに行きたくなった。(笑)



日曜日の呉では、曜日時間が限定されたイベントがいくつかある。

先に述べた艦船見学や総監部見学などもそうだけれど、民間ボランティアによるガイド付き見学が二種類ある。


ひとつはおさんぽクルーズという江田島までのフェリーに乗船して、往復の最中をガイドしてもらうというもの。

ちなみに参加費は500円で、昼と14時の二回だけガイドが着く。


これは護衛艦から呉の街についてなどさまざまな話をしてくれる。

それはもう、ついてくれるガイドによって話は異なるわけで、私が行った時は十人以上の参加者がいて、二人のガイドがいたけれども、どちらも異なる話をしていたものだから、どちらも聞こえる場所に座り、面白そうな話を聞くようにしていた。


まぁ、これは長期連休で人が多く、故に艦船めぐりに参加出来なくなった故の人がいたからかもしれない。

なにせ、受付で艦船めぐりに参加したらどうかと言われてしまったくらいだから。


もう一つが海軍の遺跡めぐりというもので、大和ミュージアムそばの中央埠頭のバス停にて集合し、バスに乗って、歴史の見える丘、アレイからすこじま、入船山記念館を回るというものである。

私はもうどれも見てきているし、何がどこにあるかは存じているけれども、それでもガイドの話を聞きながら回るのは、なにやら修学旅行のようで楽しかった。

ただ、長期連休なだけに人が多く、バスの時刻表が遅れに遅れ、結局、30分以上も遅れて出発し、終了したのは二時間も予定を上回って終了した。

まぁ、私はその後に予定が無かったからよいが、他の人は櫛の歯が抜けるようにいなくなっていったから、やはり時間どおりでないのはつらいものがある。

当初、私は夕呉クルーズに乗ろうと思っていたかが、席がいっぱいで諦めたので、まぁ、最後まで付き合ったのだが、予約が取れていたら、大変な思いをしたやもしれぬ。

ともあれ、からすこじまはもう書く事もないから略して。

歴史の見える丘は大和を建造していたドックを見下ろせる丘のことで、大和の塔が立っている。

この塔はまだ大和ミュージアムがなく、したがって十分の一の大和模型が無い頃に立てられたのだという。

他にも大和のドックに使われていた石を使った石碑など大和関連の展示の多い場所である。

余談ながら、近くの船舶のドックに、自衛隊の護衛艦が入って、修理を受けており、さながら駆逐艦が建造されているようであった。


入船山記念館は、呉鎮守府の長官の邸宅である。

外側の洋館と内側の和館に別れてい、洋館は来客用に、和館は長官達の私用に使われていたそうだ。


洋館の特徴としては金唐紙という技法を用いた壁にあり、金唐紙というものを使っている邸宅は日本でも数少なく、貴重な建築物であるらしい。


そんなこんなですべて見終わってみると、時刻は17時を過ぎていて、もはや、見る場所もなくなっていた。

翌日は周防大島の先端の陸奥記念館に行くのだから、なるべくに西へ向かわねばならぬと思っていた。

だから、予定通りに三時過ぎに終わっていたら、岩国を見て回ろうかと思っていたが、これでは、急いで行っても終わっている。


それならば、とりあえず晩飯を喰ってからにしようと向かったのが、田舎洋食のいせ屋であった。


いせ屋はかつて海軍のコックが艦を降りて後に始めた店で、水を使わずに煮込む海軍式の肉じゃがと、いせ屋流のカツ丼、海軍カレーがウリである。


店はかつてはどこの街にもあったような、懐かしい、大衆食堂の佇まいで、私は海軍がどうこうという御託など抜きにしても、こういった店が好きである。


昨年訪れた時には老夫婦が二人でやりくりしていたのだが、今回訪ねたら、息子夫婦だろうか、若い男女と四人でやっていた。


これで私はある意味で安堵した。

老夫婦二人ならば、体力的にきつくなり引退を考えるようになったら、店が終わってしまう事もありえるかもしれないと思ったけれども、後継者がいるなら安心である。

この先もこのままずっと続けていってもらいたい。


頼んだのは肉じゃがと特製カツ丼。

カツ丼と言っても、いせ屋のカツ丼は丼ではなく、カレーにも使うであろう深めの広皿で、それに飯が盛られ、一口大のビフカツが並べられ、デミグラスソースがかけられ、グリーンピースが乗っている。

一般的なカツ丼とは違うという意見もあるやもしれぬ。

が、これはいせ屋特製カツ丼であり、この店ではこれがカツ丼だから、これで良いのだ。

味は文句なくうまい。

そして、老婦人の柔らかな接客もとても良い。

呉に来る度に通いたくなる、それがいせ屋である。


以降執筆中

帰って来たくなかったです

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