熱くなる理由(わけ)
あらすじにも書きましたが下ネタが入ってますので苦手な方は今のうちにお戻り下さい。ちなみに性的描写は一切ありません。
「なぁ。」
「んー?」
ベッドの上でファッション誌を眺めてた俺は、人の家のソファに座り、人の家のお菓子を食べ、人の家のゲームをしている智に呼ばれた。
「お前さ……エロ本ってどこに隠してる?」
「………は?」
思わず間の抜けた声を出してしまった。
「だ、か、ら!!エロ本だよ、エ、ロ、…」
「いや、そんなに強調しなくてもわかるけど。」
「……で、何処よ?」
「そんなの言うわけ……って、何してんだ!!」
智はいつの間にかソファから降り、俺のベッドの下に手を入れている。
「う〜ん、………おっ?」
手応えを感じたのか智はニンマリと笑う。
「ヒデのオカズみ〜っ……け?」
智が取り出したのは『小四の算数・上』だった。
「智………今時の学生がベッドの下にエロ本を隠してるとでも思ってるのか?」
ちなみにベッドの下には小学校、中学校の教科書やノート、昔読んでいた漫画ばかりである。当然18禁のものなど一つも無い。
「ば、馬鹿な!!ヒロもカズもジュンもベッドの下だったぞ!!」
あいつら………馬鹿だな……
「大体なぁ!!ベッドの下にエロ本は男子学生の浪漫だろ!?」
いつから浪漫になったかは聞きたいものだが。
「大体最近の奴らはやれビデオだやれDVDだ、って……元祖はブックだろ、BOOK!!」
いや、そんなのは個人の勝手だろ。
「つーか、さっきからヒデ!!お前は何だ!!」
「は?」
俺は斎藤 秀秋じゃないのか?
「さも『俺、そういうの興味ないから。』みたいなクールを装いやがって!!だいたいなぁ……」
「………なぁ。」
「何だよ!!」
「お前なんでそんなに興奮してるわけ?しかも話題がエロ本って。」
すると智は寂しそうな目をした。
「実はな……俺もエロ本をベッドの下に入れてたんだ。」
……ここにも馬鹿がいた。
「……で、母ちゃんに見つかったんだ……」
………ご愁傷様に……
「で、あのババア!!あろうことか俺の机の上に置きやがったんだ!!」
………うわ……エグいな……
「……で、俺も考えたよ。本棚に隠したり、机の中に入れたり、逆にカバーをつけてベッドの上に置いたり。恥をしのんで学校の鞄にまで入れたさ!!」
……凄い執念だな。
「ところがだ!!あのババアときたら毎日確実に見つけやがるんだ!!」
………更に凄い執念だ。
「つまり………あろうことかあのババアに俺の……俺の性癖を知られてる……ってことなんだ……」
なんだか智が凄く可哀想になってきた。俺なら……ひきこもるかも。
「俺のこと可哀想だと思うだろ?」
「ああ。」
「だからさ……」
智は一回深呼吸をした。
「お前ん家にエロ本置かせてくれ。」
「却下だ。」
「何でだよ!!助けてくれよ!!」
「馬鹿野郎!!そんなメンドくせぇ親子のやりとりなんか知ったこっちゃねぇ!!それに………」
「な、なんだよ。」
「お前の性癖なんて知りたくねぇし。」
その後一時間程智はうなだれていた。
「……金庫でも買おうかな……」
「………やめとけ。」
中学校時代のネタ(めちゃくちゃ古いです(汗))を久しぶりに思い出したので書いてみました。ちなみに友人の話ですので物語と作者とは一切関わりがありませんので(笑)