十二の石像
私、本当にウサギになったんだ。
ウサギにしては、ちょっと耳が長かったり、耳にイヤリングしてるし……ほんとにウサギ?
目が覚めてから、しばらく経ったけど、まだ上手く身体動かせないな。
てか、これって明らかに、私死んで転生したよね。
こんな景色が地球に存在するはずないもん。
天にも届きそうなほど高い火山。
浮いている小島。
空飛ぶ見たこともない鳥。
海の中を泳ぐ巨大な亀。
ほんとに異世界だ。
まあ、前の世界は地獄だったし、それに比べてここは景色は綺麗だし、なんか楽しそう。
こういうのって、自分がどんな能力使えるの見れるのないっけ?
魔法とか使えたりしてー
【名前を決めてください】
なんかでた。
めちゃくちゃゲームぽい。
なまえー、んー何にしよー。
んーウサギと冴月から一文字ずつ取って、「キサ」にしよ。
【名前:キサ】
あ、名前が設定された。
名前しか見れないや。
魔法と使えないかなー。
大体こういう転生ものって、魔法使えるかんじだし。
こう、んー火の玉出したり。
ま、出るわけないか。
すると、キサの頭上に、大きな火の玉が現れた。
その火は、みるみる大きくなり火の色が赤色から蒼色へと変化し、周りの草を燃やし水を蒸発させた。
火の勢いは増していく。
なんか、暑くなってきたな。
この世界って、結構暑いのかな。
キサが空を見上げると、そこにはとてつもなく大きい蒼い炎の玉が頭上に浮かんでいた。
な、なにこれ!
もしかして、私が出した!?
や、やば、き、消えろー!
必死に飛んだり、長い耳を振っていると頭上の炎は消えていた。
危なかったー。
でも、一つ分かったのはこの世界には魔法が使えるってことだ。
夢にまで見た魔法が使えるなんて。
そして、嬉しかったことと反対に一つ問題が。
思ったよりこの身体動いにくい。
歩きづらいし、目線は低いし、ちょっと跳んだだけなのにすっごい跳ぶし、中々大変。
跳んだときに一瞬なんか見えたけど、この先になんか像みたいなのあったな。
行く当ても無いし、行ってみようかな。
キサは像のあった方へと向かった。
道中は、見たこともない果実や動物と出会った。
しばらく歩き続けると、一本も木が生えていない場所に出た。
そこには、動物は愚か、小さな虫の姿さえない。
そして、キサの目の前には大きな像が十二体建っていた。
十二体の像の前には、それぞれ石板があり何かが書かれている。
暴狂の戦女神・悲哀の|英雄・魅惑の不死鳥・失望の剣聖・慈愛の魔王・虚空の巫女・悲怒の罪人
石板に書かれていて読むことが出来たのは、七つだけだった。
ここどこだろ。
なんか変なところ。
でも、ここにある像知ってる。
知ってるし、多分会ったことある。
一緒に話して、遊んで、ご飯を食べてた気がする。
名前は……思い出せない。
ま、思い出せないことを無理に考えても、思い出せないだろうし、考えるのやーめた!
そうだ、ここを拠点に居住食を揃えよ!




