表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

その七

6600

 本当に善いものが構築されるには、努力もそうですがず何よりも時間が必要です。投機なら場合によっては一生分の勝ちを一発で得る事もあるでしょうが、本当に善いもの、自分が一生頼りに出来、励まされ、孤独の中に在ってもそれに支えられる程に善いものです。そういうものは、時間年月と共に創られます。何度も何度も『体験』して、それでやっとそれが本当の支えだと分かるからです。

 一足飛びに出来上がるものは大したものではありません。精々『便利』であるくらいなものです。


6601

 一日一回、『粗食』にする。良いのではありませんか。いや、私など毎食そうかも知れませんが、意識して食等ランクを落とすのです。栄養価は考慮しないといけませんが。

 それで何を得るのか。決まっています。現在の自分の生活の有難味です。間違ってもそれを忘れない為にです。


6602

 恩知らずというのはほぼ間違いなくあほんだらに該当します。恩知らずという資質は後から矯正するにはかなり難しい種類のものではないかと推察します。後天的な資質であるのはあっても根深いものだと思います。なので見切りを付けましょう。それに比べたら『怠惰』だとか『びびり』の方がずっと希望がもてるでしょう。冗談ではありません。怠惰や小心というのは多くの場合必要な情報を知らないだけの話で、ちゃんとそれを知ったら卒然と勤勉になったりしっかりやり遂げたりするものです。従って直ちに悪徳であると決め付ける事すら出来ないものでしょう。

 人間として、人からの善意を軽く見る。してや自分の目的の為にその善意を利用する。これは既にまともな人間の出来る事ではありません。姿形すがたかたちは人間でも心が最早もう人間ではないからそんな真似が出来るのです。新しい人を見出すべく、探しに出掛けましょう。私はそれを勧めます。


6603

「私は今まで、貧乏というものを過度に恐がっていたのです」

 或る漫画に描かれていた人物の言葉です。子供の頃から貧しい家庭に育ち、親もお金が無いために不自由な暮らしをして来なければならなかった、そういう登場人物の。けれども大人になって働いているうちに、昔程に貧乏ではなくなったけれど、お金ではない別のもの、人間らしいあたたかな感情の欠乏を自覚し、それを取り戻すべくその時の自分の職業を棄てる訳です。判り易い漫画でした。でも真剣で真面目で、とても大事なテーマであるとはっきり感じました。

 お金の無い苦労は、現代でも昔でも多くの人が経験しているでしょう。けれどもそのお金に余裕があっても人間らしいあたたかみが無いと、矢張人は幸福にはなれません。苦労の種類が違うだけで、依然として矢張幸福への道程みちのりは遠い。そして矢張、お金の無い時と同様に渇いている、満たされない。安心する事が出来ない。

 自分に必要なものを知って下さい。自分に何があれば心から幸福であると思う事が出来るのか。それは人が自分の暮らしに余裕が有ろうが無かろうがそういう事情には全く関係なく、ずっと課されている問題ではありませんか。

「今は兎に角金だ。それ無しには何をうする事も出来ない。他の事は考えなくてい」

 多分、一度ひとたびこの考えをもてば、それは生活に余裕が得られて後もあなたを離れないでしょう。金銭的に苦しいという事情を、自分にとって根本的にもっと大切なものに就いて考える事をしない事の言い訳にしてはいけません。

 ブログには他の手紙も掲載しています。(毎日更新)

https://gaho.hatenadiary.com/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ