用語解説②
こんばんは。川口冬至夜です。
マヤリィが目覚めたところで『用語解説②』でございます。
今回は、主に登場人物の現在について纏めてみたいと思います。
ぜひ最後までお付き合い下さいませ。
・マヤリィ
流転の國の前女王。突然『宙色の魔力』を失い、國から追放された後も長らく意識不明の状態だったが、ようやく目覚める。
『宙色の魔力』は使えないものの、幻系統魔術の適性だけは残っており、高い魔力値も相まって高度な魔術も扱える。
「このまま流転の國に帰らずに桜色の都で暮らしてもいいかな」というジェイの言葉を真に受け、彼と二人きりで生きていきたいと願う。
自分を見限った流転の國は帰らないと決め、置き手紙を残して、ジェイと一緒に姿を消す。
・幻系統魔術
現在のマヤリィが持つ唯一の魔術適性。
人の記憶を視ることが出来る魔術(名称不明)を使ってジェイの脳内を視て、これまでのストーリーを全て把握した。
他にも、相手の意識を朦朧とさせる『幻惑』魔術、自分の姿を誤魔化す『幻影』魔術などがある。
相手に傷を負わせずに戦闘不能に出来るということもあり、流転の國にいた頃のマヤリィは実戦訓練の際によく使っていた。
・ジェイ
マヤリィの恋人。風系統魔術の適性を持つ。
流転の國から意識不明の状態で追放され、マヤリィよりも早く目覚める。しばらくは魔力が使えない状態だったが、徐々に本来の力を取り戻し、流転の國のミノリに連絡を取る為のマジックアイテムを作り出した。
当初は流転の國を元通りにしようと奔走していたが、マヤリィが目覚めたことにより状況は一変。自分の言葉を真に受けたマヤリィに「二人きりで静かに暮らしたい」と言われ、彼女を流転の國から解放したいと思い、得意な『空間転移』魔術を使って姿を消す。
・『長距離念話』
ジェイが作ったワイヤレスイヤホン型のマジックアイテムを使うことによって発動出来る魔術。普通の『念話』よりも高度な魔術で、遠く離れた場所でも脳内伝達が可能。
シャドーレが召喚した使い魔によってマジックアイテムが流転の國に届けられ、ミノリと連絡が取れるようになった。
・シャドーレ
桜色の都出身の最上位黒魔術師。マヤリィとジェイが流転の國から追放される際、故郷へ帰ると言って彼女達を保護した。
今は実家である伯爵家から与えられた邸に住み、ジェイが目覚めた後は一緒に流転の國を元通りにしようと約束する。
現在は都の黒魔術師部隊『クロス』の特別顧問を務め、国王からの信頼も厚い。
流転の國のミノリとは恋人同士だが、今は邸のメイドである同じ名前のミノリ・アルバに気があるらしく…。
・ミノリ・アルバ(通称ミノリ嬢)
桜色の都の男爵令嬢。経済的に困窮している実家をシャドーレに支えてもらいながら、自身は彼女の邸でメイドとしての経験を積んでいる。
都では珍しい雷系統魔術の適性を持っているが、本人は黒魔術の適性が欲しかったという。
昔からの憧れの人であるシャドーレの邸で働けることを心から喜んでいる。
どことなく流転の國のミノリに似ている為か、シャドーレからとても可愛がられている。
・ミノリ(通称『流転の國』のミノリ)
シャドーレの恋人。書物解析魔術の適性を持ち、書物の魔術師と呼ばれる。
流転の國の現状を憂い、マヤリィが戻ってきてくれることを願っている。
『長距離念話』でシャドーレと話した際に彼女から『能力強奪』魔術の詳細を教えて欲しいと頼まれ困惑する。
・ルーリ
流転の國の現女王。閃光の大魔術師と名高い雷系統魔術の使い手。
見る者全てを魅了する絶世の美女だが、その正体は残酷な悪魔であり配下を殺すことも厭わない。
『流転の閃光』というマジックアイテムを身体に宿し、瞬時に殺人級の魔術を発動することが出来る。
用途は不明だが『宙色の魔力』を使ってホムンクルスを造り出したことにより、水晶球に危険視されることになった。
・ネクロ
ルーリの側近。強大な魔力を持った黒魔術師。
常に『隠遁』のローブを身に付けているが、その素顔はマヤリィに瓜二つである。声は似ていない。
ネクロマンサーとしての実力を高める為に、たびたびルーリに実験体(人間)を要求している。
・クロネ
ルーリが造り出したホムンクルス。19歳という設定。
ネクロの血を混ぜて造ったので、黒魔術の適性を持っていると思われる。
綺麗な高い声を持ち、ネクロを「お姉様」と呼ぶ。
髪型と服装を変えれば若き日のマヤリィの姿によく似ているが、デザインしたルーリ自身は気付いていない。
・クラヴィス
かつて桜色の都の危機を救い、英雄と称えられてヒカル王直々にもてなされ、語らったことがある。都との盟約が破棄されたことにより行き来出来なくなってからも、ヒカル王と再び会うことを望んでいる。
シャドーレからの使い魔に一番最初に気付いたが、ルーリに報告することはせずミノリの所へ連れて行った。
その上で、たとえルーリを裏切る形になったとしても「桜色の都に関わることなら協力する」とミノリに告げる。
・水晶球
流転の國に顕現した直後のマヤリィに『宙色の耳飾り』を授けた、普段は物言わぬ水晶球。
当初は耳飾りがルーリの手に渡ったことを肯定的に捉えていたが、女王になってからの彼女の残忍な所業やホムンクルスを造り出したことに対して懸念を抱き、危険視しはじめる。
このままルーリに耳飾りを持たせておいて良いものか悩んでいる。
…というわけで、今回の用語解説はここまでになります。
読んで下さり、ありがとうございました。
『流転の國』第二幕もどうぞよろしくお願い致します。
川口冬至夜