市バスに乗って・・・
ふいに出来た休みには
市バスに乗ってどこまで行けるのだろうと
行った事のない場所を探して
路線図とにらめっこ
乗った事のない路線は
1時間に1本という事さえあるけれど
時に片手で数えられる乗客の一人になって
曖昧な目的地に向かって初めての街を行く
誰かが押した降車ボタンの音が
穏やかな空気を揺らし
車窓からの景色がゆっくりと流れて行く
春の景色は花の色でカラフルで
ついこの間まで桜が人々を魅了していたはずなのに
いつの間にか街路の躑躅が満開で
こぼれる雪のような白い花
緑を増す葉に映える赤い花
たどり着いた公園の
花が終わった梅の木にたわわに付いた青い梅
水辺の菖蒲はまだ咲く時を待っている
時の移ろいと共に
季節の移ろいを花は自覚して
そう どんな花も時がくればいつか咲く