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第四百九話 Side小春 強敵

 美鈴が死ぬと思った瞬間自然と体が動いた。後で生き返らせてくれるかなとか、助けなくても大丈夫とか、余計なことは何も考えられなかった。


 多分昔なら助けなかったな……。


 どうしてこんなに大事に思うようになったんだろう。


「大丈夫、小春!?」


 美鈴が目の前にいた。返事をするよりすぐに体を確かめていく。美鈴が持っていた【蘇生薬】だと低レベルのものだから今のレベルが下がってるはずだった。博士曰くあの【蘇生薬】は魂と体のつながりをちゃんと治せないらしい。


 だがレベルが下がっていないことを感じる。ほとんど空になっていたMPやSPも完全に元の状態まで満たされている。美鈴はこんな生き返らせ方をする方法は持ってなかった。どうやったんだ?


 そう感じながら気配を探ると、嫌というほど強いギガの気配が残ったままだ。そしてもう二人、摩莉佳さんと、巨人がいた。あれは皇帝様? どうしてこんなところに? わからないことが多くて混乱しながら、ともかく、


「はは、なんかあっさり生き返ったら死んだ価値下がっちゃうね」

「バカ。私の代わりに死ぬとかやめてよ! 私一生もののトラウマになるところだったんだから!」

「やっぱ何か生き返る方法作らなきゃダメね~」


 美鈴のガチャ運が最悪で、それを補うためのルビーエリアのアイテム集めとか、博士やドワーフの親方行慶(ぎょうけい)さんに頼んで装備作りとか、そんなことを一生懸命してたら、ついつい生き返らせる方法が後回しになった。


 なんだかんだで死なずに来れたし、回復不能な怪我もしないで来れた。何よりも、六条が帰ってくるまでに美鈴もレベル900代まで上げてあげたかった。結局それもうまくいかないし、生き返らせる方法も後回し。


 おまけに美鈴の力が、攻撃特化すぎて過保護なことをしてしまうと、私のレベルだけなんかどんどん上がった。気づけば私はレベル970。美鈴は873。100近い差がついて私は焦った。焦ってる間に六条が帰ってきちゃった。


 あいつが帰ってきた瞬間、あっという間にいろんなことが起きるようになった。以前以上のイケメンになった六条に協力しないなんて選択肢もなく、いきなり即死するような相手と戦うはめに……。


「やっぱ、六条と一緒のクエストを舐めたらダメだわ」

「それは確かに。私たち死んだら終わりだもんね」

「うん。で、あれ何?」

「ギガ」


 美鈴が一言でシンプルに答えてくれる。いやそれは分かってるんだけどさ。なんかあんな無茶苦茶なやつだったっけ? 私が死んだ時より倍ぐらい強くなってない? それに追加で2人ほどいた。


「生き返って早々悪いが、何かあいつと戦う方法があるか?」


 摩莉佳さんが聞いてくる。一応仲間内では私は頭いいグループに入ってる。


「あるにはあるけど勝てるかな……」


 ギガの様子を見る。200m超の超巨体、その上、神々しい気配を放つ。あれは学校で習った【神気】だ。使いこなすやつを見たことないから確信は持てないけど、多分この自分より上にいると思わされるような感覚は間違いない。


 私は学校でのことを思い出した。



『先生、【神気】を使う敵に遭遇した場合の対処法ってあるんですか?』

『ない。簡単に使っている程度なら何とかなるが、もしも【神気】をまとっているようなやつが現れたら、その時点で敵対してるものは終わりだ。ルビー級が対処できる相手ではない。正直逃げることも勧められん。まず間違いなく逃げられないからな』

『じゃあ相手が許してくれなかったら諦めて死ぬしかない?』

『ふん、どんな状況であれ、諦めておとなしく死ぬなどという選択をするならば、最初から探索者などやめて大人しく家で寝ておけ。その方が無駄な努力をしなくて済む分、よほど建設的だぞ』

『つまり対処法があるとすれば、生き足掻くことだけですか?』

『そういうことだ。特にお前のところの桐山は面白いものを持っている。あいつ自体はバカだが、バカとハサミは使いようだと言うだろう。榊、お前は少し賢い。だからバカと付き合うなら、どんな状況も想定しておけ。バカはよく自分の実力もわからず、トラブルに自分から突っ込んでいくぞ』



 相変わらず口の悪い教師だ。これを美鈴の目の前で言うものだから、美鈴が横で泣いていた。


 でも言うことは大概正しいから笑えない。目の前にトラブルがいる。いや、ちょっと無茶苦茶すぎない? レベル1000を超えてからも、相当強くならないと【神気】は使いこなせないと聞いたんだけど、ギガは自然とまとってる。


 なぜなのかすぐに想像がついた。おそらく博士と千代女様が調べ続けていたことに関係してる。こいつは、この大陸の秘密と何か関係があるんだ。それにしても、生き返ってすぐこれとか泣きたい。


「どんな方法だ?」


 でも泣いてる暇なんてない。今度は巨人が聞いてきた。この人やっぱりホロスだよね。なんで仲間みたいな顔してここにいるの? その疑問を飲み込んで私は言った。


「そんなに難しいことじゃありません。皇帝ホロ……ス?」

「そうだ。その他の細かいことは気にするな。さっさと言え」

「私の言うことを聞くってことでいいの?」

「よい。俺はお前たちの能力を知らないから、作戦など立てられん。あと教えておいてやるが、ギガは昔から勝つことよりも楽しむことを優先する傾向がある。しかしそれも無限の時間ではない。何かの拍子に攻撃してくることがよくある」


 ホロスの顔をよく見る。大男総身に知恵が回りかね。なんて言葉があるけどその顔は私よりはるかに思慮深く見えた。ここにもかなり考えた上でいるか……。

 

「こっちの考えはいつもシンプルよ。私はいつもどうにもならない敵が来た時は、美鈴の攻撃が当たるように全力でサポートするだけなの。今回もそうするつもり」

「分かりやすいな……」


 巨人が柔らかい笑みを浮かべた。私の言葉に文句がないようだ。教師から言われて何度か考えたけど、それが一番いいとしか思えなかった。それぐらい美鈴の一発の威力だけは常識外れだ。


【毘沙門天の弓槍】


 美鈴のレベルが上がっていくほどに訳が分からないほどどんどんと一撃の威力が上がっていった。


 今では美鈴の一撃は神をも殺しうる一撃だ。


 この皇帝様の理由はさっぱりのままだけど、外からの連絡が全くないとは思っていたんだ。ある瞬間まではかなり頻繁に光の精霊は私たちに戦況を報告してきてくれた。それが急にパタリとなくなった。


 理由を確かめようにもギガを前に他のことに集中している余裕などなかった。でもそんな中にもいいこともあった。美鈴、そして摩莉佳さんもかなりレベルが上がってる。どうやらここは最悪でも外の戦況は順調なようだ。


「皇帝様。とりあえず私もレベルを戻しますね」


 レベルを上げすぎるとこの世界から弾き出される。だから警告が来ないラインを慎重に見極めて、レベル907。そこでストップした。これ以上にしようとすると世界から追い出される感覚がした。


 六条の奴、皇帝様を仲間にしたみたいだし、やっぱ何でも簡単にやっちゃうやつだ。でも、ここまでレベルが上がったってことは六条の助けは期待できない。予定通りにやってるなら、まず間違いなく六条はガチャを回しに行った。


 それどころか紅麗様のところに【黄泉孵りの卵】を探しに行ってる可能性も高い。そうしなければセラスへの対抗手段がしっかり揃わないのだから、私であれば絶対そうする。だから六条もそうしたはず。つまり、


《六条は助けに来ないか》

《その通りだ。あの小僧は外へ行ってしまったようだぞ》

《そっか。なんかあいつがいればなんとかなっちゃう気がするんだけど、期待するだけ無駄ね》


 多分セラスたちを除いて残ってるのは帝王ロガン達ぐらい? ひょっとするとそれも終わってる?


 まだ考えたかったけどギガに動きがあった。200mを超える超巨体が、その体をどんどんと縮めていく。完全に人形にまで縮むと口を開いた。


「さて、もういいか?」


 巨大だったギガが再び人間の姿に戻ってしまった。デカい方がこっちはやりやすいのに、なぜ戻る。というか、こいつ神様に見えるんだけど……。博士のやつ千年かかって神様を造ることに成功した? セラスもその関係?


 博士、ここで何をしてたの?


 いや、ともかく博士にまた会ったら、


『ものすっごい足を引っ張ってますよ!』


 って思いっきり愚痴ってやる。


「榊。いくらあいつが余裕をかまして待ってるとはいえ、今は戦いに集中した方がいい」

「それは分かってます」


 ギガはまだ動かない。自分の力が急激に強くなりすぎて、万能感と自信に溢れ返っているようだ。こちらの体制が100%整うまで何もしてこない。それぐらい余裕で、人間の姿になって、楽しげな顔でこっちが悩むのを見ている。


 こいつが本当に油断なく戦う六条みたいなタイプだったら、この場に生き残ってた人間はいなかったと思う。


《みんな聞こえる?》

《聞こえてるよ》

《聞こえておる》

《大丈夫だ》

《幸運なことにこいつ、かなり余裕かましてる。こういうのは能力が高くても戦いやすい。これなら多分逃げる時間ぐらいは作る方法があると思うの》


 全員が頷いてくれた。


《じゃあまず全員の能力を私に教えておいて。特に皇帝様。私はあなたのことを何も知らないわ。問題なければ教えてほしいのだけど》


 普通は教えない教えるわけがない。だが皇帝様は私が口にした瞬間、私の頭の中に全てのデータを送ってくれた。


《これで完全に全てだ。隠し事はない》


 皇帝様は自分ができる可能なことを全て本当に送ってきた。ちょっと面食らってしまう。隠さなかったこともだが、皇帝様の出たら目の強さにも驚いた。従ってるって事は六条、この巨人に勝ったの? 


 いや、無理よね? 皇帝様はどういう経緯でこっちの味方に……? それも送ってくれたらいいのに、それはなかった。それでも組み立てた作戦を全員で共有した。


《——了解した。これで行こう》

《うむ。あまり複雑でなくて良いな》

《小春、全員でちゃんと生き残ろうね》

《OK。全員私なんかの言うことを聞いてくれたことお礼を言うわ》


 何気にプレッシャーがすごかったけど、私はあの嫌味な教師の言うことはできるだけ全部聞くようにしてた。だからこういう状況になればどうするかはもうほとんど決まってたんだ。私がギガに向かって言ってあげた。


 こいつが待ってくれたことだけは本当に助かったからだ。


「お待たせ。いいわよ。あと、待ってくれてありがとう」

「とても楽しみだ。待った甲斐があったぐらいは思わせてくれ!」


 それ以上、ギガは一瞬たりとも待たなかった。体が前傾姿勢になり動き出そうとして、地面を踏みしめてこちらに飛び出そうとした。瞬間。地面が割れた。ギガが踏みしめるための地面がなくなった。


 摩莉佳さんの土の能力で地割れを起こした。それでもギガならそこまでバランスは崩さない。ある程度予想もしてるはず。しかしそこに鋼よりもまだ硬度と粘性を増した私の放った蔦が伸びる。


【縛化法!】


 ギガの体に巻きついた。足元がなくなったことでほんの少しはバランスを崩す。蔦が巻きついたことで、今のギガなら何も考えずに引きちぎろうとする。でも、ほんの少し動きが遅くなる。それによってできた時間は刹那もない。


 その間にホロスが素早く、


【転移】


 ギガの真横にその巨体を表す。そして容赦なく脳天目がけて槍を振り下ろした。


【極光塵滅斬!!!】


 心の中で言霊は、唱え終わっていた。本当は声に出すのがいいのだけど、できる限りこの瞬間に何をするか知られたくなかった。統合エネルギーを可能な限り詰め込んだ全力の一撃。しかし、ギガの防御が間に合った。


 ホロスの全力がギガの“脳天”に激突する。


「少しは痛いぞ! よく頑張った! 褒めてやる!」


 余裕を崩さないギガが脳天で攻撃を受け止め、その力は凄まじく、ギガに当たった瞬間、大地が真っ二つにひび割れた。最初のギガならこれでダメージを受けた完璧なタイミングだった。


 攻撃のタイミングがあまりにも完璧で見惚れた。皇帝様やっぱバカ強い。しかし【神気】で防がれた。だが、いくら【神気】でも攻撃よりも防御の方が強いなんてことはない。


 防御に回れば攻撃を防ぐのは、攻撃されたエネルギーの倍以上が必要になる。ギガの頭にホロスの槍の刃が食い込んでいく。ギガはそれでも面白がって最後まで頭で受けきるつもりだ。他の防御態勢を取ろうとしない。


 そこに摩莉佳さんがホロスと同じく全力で統合エネルギーを練り込んで、


【巨岩土龍波!!!】


 腹部に向かって思いっきり拳を振り上げる。その拳が龍の形を象り、衝突するとギガの腹部に食い込んでいく。


「面白い! 面白い!! もっと頑張れ! お前たちならできる! どうした!? このぐらいでは全く死ぬ気がせんぞ!!!」


 摩莉佳さんの一撃とホロスの一撃によって、過剰なエネルギーに大地が悲鳴を上げて揺れる。周囲は光り輝き、地割れとクレーターが広がっていく。そこに雲が割れた。そこから強力な緑色の光が差し込んできた。


 仕上げだ。


「ばーか! 死ね!」


 私が叫んでやった。美鈴が【毘沙門天の弓槍】を放ったのだ。


【高天撃!】


 美鈴に私の詳しい言葉なんていらない。ここしかないというタイミングで【毘沙門天の弓槍】による一撃が放たれる。それは統合エネルギーによる完全なる一撃。美鈴の虹装備はそれ以外ガチャから何もいいものが出てこない。


 その反面、虹装備は他の専用装備を寄せ付けず、圧倒的な性能がある。持ち主だけがそれを使いこなし、そしてそれが早ければ新人の頃から使える。ガチャ運1はパーティーのお荷物。いなくていい存在。


 確かに普通のパーティでガチャ運1は、ただのお荷物だ。はっきり言って、普通のパーティでは使いこなせない。美鈴は自分のことをずっとそう思い続けてきたけど、私は違うって思った。


 この子こそ私が上に行くために必要なんだと信じた。六条もそうだったんだと思う。全てのガチャの結果を虹装備だけに注ぎ込んだその威力は、まさに破壊的だ。それは地上で放ったのに空から落ちてきた神の一撃。


「決めるわよ」


 これを絶対にギガに当てなきゃいけない。神獣になってしまったギガに私たちが勝つチャンスがあるとすれば今この瞬間だけ。ギガが自分の力に酔いしれて、自分の力を試したくて仕方がない。


 私たちの攻撃を全て受けてやると思っている最初の瞬間。ここしかない。私たちの攻撃がちょっとでも効くとわかった瞬間。こいつは利口だ。ちゃんと戦ってくる。そうなったら私たちはもう勝てない。


 だからホロスも摩莉佳さんもしょっぱなで全火力を注ぎ込むことにしてくれた。そして仕上げは私だ。


「ミイ。ちょっとしんどいぐらい注ぎ込むけど我慢してね」


 ここまでレベルが上がれば言霊を唱える必要はなかった。ただみんなと一緒に全てを注ぎ込むだけ。


【三毛猫ミイの血の池地獄!】


 一瞬でギガの足元に血の池が広がる。地割れして何もない空間に不思議と血の池が広がった。そこから血で薄汚れた猫が飛び出したかと思うとその体を伸ばして、ギガの体に巻きついていく。そしてそのまま赤のマダラ模様の猫がギガの口の中に入り込んだ。


「なっぐう!?」


 そして自分の体を血液に変えた。ミイの呪いが血となってギガの血管に入り込む。


「どう? 自分の血管の中にまで入り込まれた気分は?」


 ルビー級最高峰の3人が、ギガの足止めだけに全てを注ぎ込んだ。そして天空から落ちてきた1本の煌めく一撃が、ホロスに続いてギガの脳天に突き刺さるその瞬間。摩莉佳さんがギガの体から離れた。


「ホロス?」

「おい、皇帝! 何をしている!?」


 しかしホロスは離れずギガの体をその巨大な両手で掴んだ。


《ホロス、逃げなさい!》


 口ではとても言うのが間に合わなくて【意思疎通】で送った。


《馬鹿を言うな! 俺が逃げたらこいつは絶対に動ける! こちらに構うな! ここで死んだとて問題のない命! 小さな貴様らこそさっさと逃げろ!》


 ホロスがそのまま自分の両手でギガの体を握りつぶそうとした。美鈴の一撃がギガの脳天に食い込んでいく。完全にヒットした。たとえどんなモンスターであろうと、それがたとえ神獣であろうと、この一撃を食らったら終わり。


 最初にホロスの両手が消し飛んで、その威力に耐えきれずにホロスの巨体までもが消滅していく。その中でホロスの【意思疎通】が届いた。


《外でセラス様がこの大陸を見張っている。理由は知らん。お前たちはそのままでは逃げられん。そいつに乗って行け。なんとか俺はそれでここに入ることができた》


 そう言って私たちの目の前に銀獅子が現れた。


《光の上級精霊だ。お前たちの姿を誰にも見えなくしてくれる。そいつなら俺のこの大きな体でも入れたのだ。お前たち3人ならなんとかなるだろう》

《いいのか?》

《急げよ。俺が死んだら銀獅子はそれほど長く持たん》


 巨大な銀色の獅子が地面に佇んでいた。どこか悲しげにホロスが消滅する姿を見て、その姿勢を低くしてくれた。美鈴と摩莉佳さんにもホロスは連絡していたのだろう。3人で頷きあうと、すぐに銀獅子の背中に乗った。


 ギガはまだ美鈴の攻撃にあらがっていた。私の血の縛りとホロスと摩莉佳さんの一撃で少なくないダメージを受けているはず。それなのに美鈴の一撃に耐えてる。


「銀獅子、ごめんだけど出てくれる?」


 そう言うと銀獅子の姿が揺らいだ。光の精霊による光学迷彩だろうか? どうもそういう単純なものでもないように見えた。この世界から完全にその姿が見えなくなり、それでいて私たちは景色が見えていて、銀獅子が地面を蹴った。


 ギガをこれで殺せるかは自信がなかった。ただ少なくとも足止めはできたはずだ。悪いが仕切り直させてもらう。これでギガがまたこちらに攻撃してくるようなら、こっちの全戦力で迎え撃つまで。


 その時は千代女様達にも協力してもらえばいい。それなら多分こいつには勝てる。ともかく一旦逃げられることに心底ホッとしていた。


 私はどこか期待していた。


 そんなわけないのに期待していた。


 外から見てるなら、私達が逃げるのを見逃すわけがないのに……。


「逃げてはダメですよ」


 そんな言葉が聞こえた。その瞬間私たちが乗っていたはずの銀獅子の感覚が足元から消えた。

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― 新着の感想 ―
絶望しか無い状況。起死回生はあるのか?
この嫌味な教師ってどのくらいのレベルだろうな〜
ギガはセラス嫌ってるので普通に反発しそうですよね。その最中、千代さんがルビー倍加薬使って参戦すれば逃げられそうですね。
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