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第四百六話 赤様

「行こうか」

「祐太君……いいのね?」


 弁財天が聞いてくる。伊万里に関しての良案は浮かばないままだが、悩んでいる間に美鈴と榊がどうなるかもわからない。そして摩莉佳さんも向かってもらったまま連絡が取れていなかった。殺されていないといいが……。


 みんなルビー級である。即死を免れる何かを持っている可能性は高い。でもそれで死なない保証などない。あのジャックが死んだのだ。ジャックだって即死を免れる何かは持ってたはず。悲観的なことばかりが頭に浮かぶ。


 それでも、


「今ここで、紅麗様のところに行くしかない。紅麗様のところに行かないと俺自身のことも理解できないままだ。そして俺が俺自身を理解すれば、伊万里をこちら側に戻るように説得できる可能性もある。その場合は、俺がレベル1000を超えるのを諦めればいいだけだ」


 伊万里を生かして俺がレベル999で止まる。そこで探索者として上に行くのは諦める。最初にダンジョンに入った夢を諦めることになるが、伊万里が生きてるなら安いものだ。でも、そうなると白蓮様の思惑からは完全に外れる。


 何しろルルティエラのクエストで伊万里を殺す必要がある。ダンジョンクエストは断ってしまうと次のクエストが出ない。レベル1000を超えるのはどうあってもダンジョンクエストが必要だろうから、俺の探索者としての人生は終わりだ。


「それでいいの?」

「夢はレベル1000を超える。いつも伊万里には言ってたんだ。でも俺だって心の中ではそんなの無理だって分かってた。それがレベル900以上まで来た。日本、いや、世界の超有力者になれたんだ。俺にしてはよくやった方だと思うよ。弁財天と最後まで生きられないのは残念だけど」

「それはいいのだけど、あなたがもし究極系というものだとしたら、ルルティエラ様がそれを許すかしら……」


 不意に不吉なことを弁財天は言った。


「いえ、余計なことを口にしたわ。ごめんなさい。ともかく神太陽・日輪に急ぐしかないわね。狐魅(こみ)

「はい」


 弁財天に呼ばれて久しぶりに狐魅が姿を現した。ずいぶん前、まだ迦具夜が生きていた頃、狐魅の背中に乗ってユグドラシルを目指したことを思い出した。狐魅は体長10mほどの白と赤が入り混じる美しい狐の従者。


 弁財天の影の中に常にいるらしく、雰囲気から前よりも神々しく感じる。どうやら神獣に種族進化したようだ。召喚獣ではないから主と共に強くはならないはず。それでも俺がいない10年間の間に狐魅が努力したということだ。


 だとすると以前と同じく俺より強い。これだけ強くなったのに、まだまだ強い存在がゴロゴロいる。それなのにどうしてルルティエラは俺なのだろう。その辺を紅麗様が教えてくれればいいのだが……。


「狐魅、神太陽に行くわ。一緒に来てくれるわね?」

「もちろん、どこまでもお供します」


 狐魅が伏せの状態になる。ふわりと浮き上がった弁財天がその背中に乗った。またがることはなく腰掛けるようにしていた。狐魅はかなり大きい狐なのでそれでも安定するようだ。


「祐太様もお乗りください」


 狐魅が促してくる。以前ならそのまま大人しく乗ったのだが、今は俺にも【鳳凰飛翔】がある。このスキルがある以上、自分が狐魅に遅れを取るとは思えなかった。それにひとつ懸念点があった。


「狐魅。多分、狐魅の背中の方が安全なんだと思う。でも俺は自分で飛ぶよ」

「乗られた方がいいと思うのですが……。祐太様の【転生】は聞いております。それでも、私が神獣になった以上、速さにそれほど違いは出ません。それなら弁財天様とご一緒の方が良いのでは?」

「まあそうなんだけどさ。どうも俺は紅麗様に好かれてるように思う。あまり弁財天とくっつきすぎない方がいいかなと思うんだ。まあ余計な心配かもしれないけどね」

「そうですか……。紅麗様にですか。なるほど、相も変わず不思議な方ですね」


 不思議な方。狐魅って俺のことそんな風に思ってたんだ。個人的にはちょっと馬鹿にされてるんだと思っていた。何しろ前にあった時の俺って完璧にお荷物だった。


 ともかく俺も鳳凰の姿になると空へと飛び上がった。狐魅と並んで桃源郷の空を飛び上がっていく。どこに行くのかは分からないので、狐魅に位置情報を送ってもらった。


「ありがとう」

「どういたしまして。長い旅路となりますが、気長に参りましょう」

「長い旅路……」


 狐魅に言われて俺は位置情報をしっかりと確認した。


「おおぉ」


 俺はその位置をしっかりと確かめて、


「いや、これは遠すぎでは……」


 頭がクラクラした。日輪への距離が、どう見ても俺の想像していた遠さとは違った。


 日輪までの距離が少しぐらい遠いのは不思議ではなかった。例えば地球から太陽までで約1億5000万㎞離れている。ジャックは田中とともに火星に向かった時、火星と地球との距離がお互いの公転周期のせいで、ちょうど離れていた。


 そして宇宙の移動はまっすぐ向かえばいいというわけではなかったこともあり、年単位の時間がかかったと言っていた。そう考えると太陽という性質を持った存在が遠いのが当たり前と言えた。だがそれを踏まえた上でも遠い。


 これでもダンジョンの中という考え方でいいのか? そう思えるほどだ。俺は今結構絶望している。何しろ大八洲から日輪へは、地球と太陽の距離の100倍。距離に直せば150億km。もはや遠いという言葉すらも生ぬるい。


 というかダンジョンの中は宇宙空間のようなものまで内包されているようだった。


「ダメだ。これは無理だ」


 この距離はいくら【鳳凰飛翔】を使ってもどれほどかかるのか想像もつかなかった。そんな時間はかけられない。


「でも、信長たちはどうしてたんだ? 三種の神器の一つがあったなら、取りに行くだけで何年も時間がかかる場所なんておかしいよな。弁財天、何か知ってる?」

「神の争奪戦の間は紅麗様の御所まで、特別に【転移門】が開いていたそうよ。最もその場所は隠されていた。あの時【黄泉孵りの卵】を手に入れるのは完全な無理筋だったわ。何しろ、まず【黄泉孵りの卵】がある場所に気づいて、【転移門】の存在に気づく。その必要があった」

「なんかそう考えると三種の神器の入手難易度ってちゃんと調整されてたんだな」

「今から考えるとそうね。ただし、信長は【転移門】には気づいていたようよ。でも、日輪や紅麗様にどうやって近づくかで躓いた。信長は炎系とは無縁の戦闘スタイルだから、紅麗様のところへ向かうのはどう考えても死ぬだけだった」


【黄泉孵りの卵】を狙った陣営はことごとくその場所に気づいた時絶望しただろうな。こういうのをダンジョンに嫌われると言うのか。そしてその間にまんまと俺たちに【千年郷】と【幻影の円環】を手に入れられたわけだ。


 信長は未来予知系のスキルの伝手はなかったのだろうか。いや多分それはあったはずだ。それでも【黄泉孵りの卵】に導かれた。近藤家も風魔家も同じだ。いや、信長は少なくとも最初【千年郷】の方にも来ていた。


「俺たちほんのちょっとした差で勝てたんだな」

「かなり綱渡りだったわよ」

「弁財天。じゃあ日輪への【転移門】に案内できるか?」

「それについては調べたのだけど、今その【転移門】は破棄されているようなの。神の争奪戦の監督神をしていた月夜見様がそうされたようよ。まあこれは当然なの。四元龍に直通の【転移門】なんていろいろな意味でおっかないから、普段は絶対にないのよ」


 行く方法がますますない。何年もかけたらクーモと約束した期日もすぎてしまう。そしてセラスによって聖勇国側も再び完全復活されてしまう。セラスには健康上の問題があるみたいだから、しばらくはみんな耐えてくれると思うが……。


「でもね。そこまで時間がかかるなら、今の時期にはやめておいた方がいいって言ったわ。おそらくもうそろそろだと思う」

「もうそろそろ?」


 何のことかと思いながらどんどんと空を飛んでいく。


「ええ、祐太君が10年ぶりに戻ってくる以前から、この日のために色々頼み込んで、ちゃんと準備したのよ」

「じゃあ日輪に行くまで何年もかからない?」

「もちろん。早く行ける方法を私の方で準備したわ。もう少し行ったところで落ち合う予定なの」

「そっか……。ほっとした……。あの、いろいろ準備してくれたありがとう」

「この件に関して私にお礼なんていらないわ。これは私にとっても一番重要なことでもあるのよ。それより祐太君、ほら綺麗よ」


 弁財天が狐魅の上から後ろを指差した。俺は弁財天の言葉に安心して後ろを振り返った。広い。とても広い桃源郷。振り返るとその姿が見えた。綺麗な桜の花や富士山のような高い山。それはここから見てもよくわかった。


 そしてさらにその上空。はるか空へと飛び上がっていく。鳳凰の姿で後ろを向くのはちょっとやりにくいので、目玉をもう一つ用意して、後ろを見た。どんどんと地上から離れていき大八洲国全体の姿が見えた。


 ブロンズエリアが巨大すぎるのだろう。いまだに平面にしか見えない中で、青い海の上に昔の日本地図みたいな日本列島のようなそうじゃないような形をした大八洲国が見えた。


「大八洲国だけで地球と同じ広さがあるんだったか」

「ええ、不思議よね。ブロンズエリアにある国のすべてがそうなの。ゴールドエリアの大きさだって地球と同じだし」

「偶然の一致じゃないんだよな?」

「そうね。ルルティエラ様は地球にこだわりがあるようなの。相当な昔からもうずっとダンジョンは地球の隣にあったみたい」

「俺はきっとその理由が分からなきゃいけないんだろうな」


 そんな気がした。日本だと陸地は大きく分けて4つだが、大八洲国は8つあり、それらが、それぞれに大きい。その中でもひときわ巨大なのが本洲で、桃源郷は四国のような位置にあった。そこからさらに空へ空へと飛び上がっていく。


 やがて宇宙に出た。ただそれでもダンジョンの中なのだろう。大気があることが感じられて、呼吸をすることができた。


「さっきの話に戻るけど、日輪に行くのにあっちこっちにお願いに行ってね。見返りも相当払わされると思った。でも、さすがと言うべきね。祐太君の縁でちゃんと繋がったわ」

「俺の縁?」


 俺の縁でダントツで強いのは弁財天と南雲さんだ。でも、南雲さんは日本をそんなに留守にできないはずだ。その他にあるだろうか。


「紅麗様は赤の系譜と言ってね。赤に連なるものへとつながっていくの。そして紅麗様から生まれた龍がいる。有名どころだと炎竜・垓も炎龍・烈もそうね。最初私はここにお願いに行ったの。そうしたら垓は死んでて、烈でも、日輪に向かうには半年以上かかるということだった。それだと困るでしょう?」

「そうだな」


 何気なく話しながら俺は炎竜・垓の名前が出たことに反応していた。何か繋がりが分かれば垓もストーリー解放ができるのか……。


「それで烈から聞いたのだけど、烈は祐太君に縁があるのよね?」

「ああ、そうだな。一瞬だけど会ったことはある」

「なんだかあなたのこと気に入ってるみたいで、協力的だった。だから烈は『引き受けてくれるかは分からないが』と言って、赤の系譜に連なる神獣を紹介してくれたのよ」

「烈の紹介……」

「ええ、烈が紹介してくれたのも龍でね。真性の神獣、炎龍帝・赤様。と呼ばれているわ。ものすごく有名な龍よ」


 弁財天がそう口にすると何かの気配を感じた。かなり大きな気配。紅麗様とどこか似てる。しかしさすがにあの方ほど大きな気配ではなかった。それでも俺や弁財天とは比べられない。


 宇宙の空間に出て太陽の方角を見つめた。手を伸ばせば届くのかと思える太陽だが、それは遥か彼方先にある。そしてそこから赤い翼を羽ばたかせた物体が近づいてくる。その姿が徐々に大きく見えてきた。


「——来たわ。祐太君、失礼のないようにね」


 弁財天がそう言うならサファイア級の上、ダイヤモンド級以上か? 近づいてくる。それはとてもとても大きな龍だった。赤い西洋の龍、いや、龍ではなく、近づくほどにはっきりしてくるその姿は雄々しきドラゴンだった。


 手と足としっかりとした胴体。そして大きな翼。多分今まで見てきた生物の中で一番大きい。大きさで言えば紅麗様よりも巨大だ。体長が1㎞ぐらいありそうな超巨大ドラゴン。完全に近づいてくると目の前の視界を埋め尽くす。


 宇宙空間にいる巨大な存在を見ると南雲さんを思い出す。あちらは和龍だったけど、赤様と呼ばれた超巨大な西洋のドラゴンが俺たちの前で止まった。


「お前が六条祐太で良いか?」


 巨大な顔が目の前に来てその大きな口を開く。開くと言っても少しの隙間だけで、実際の声は、その口から発せられるのではなく、魔法によって俺の耳に届けられているようだった。だからその声は特別巨大ではなく、初老男性の声だった。


 結構なイケボだなと思ったけど余計なことは言わなかった。


「六条祐太で間違いありません。妻の弁財天とともに今から紅麗様のところに向かおうと思っていました。この度はご足労いただきありがとうございます」


 しっかりと頭を下げた。礼儀の問題でもあるが、巨大なドラゴンを見ていると自然と頭が下がった。


「うむ、別に構わんよ。紅麗様にも確認したが、あの方にしては珍しくお前のことを確かに覚えていた。そして改めて紅麗様からも『急いでいるなら早く連れてきてやっておくれ』と指示を頂いた。烈ならばともかく紅麗様の頼みとなれば何よりも優先させよう」

「ありがとうございます」

「よい。お前が嫌がっても私はお前を紅麗様のところまで連れて行くよ」

「ところで1つお聞きしたいのですが、これから紅麗様の元に向かうのにどれほどかかるのでしょうか?」

「片道1週間というところだ」


 往復2週間。向こうで時間がかかればさらに時間がいる。現実的な時間にはなってくれたが、美鈴達が2週間も無事でいてくれるかどうか。いや、正直、今の時点で、もう美鈴達自身がなんとかできてなければ生きてる可能性は低い。


 だからって美鈴たちのピンチを知ってあの時すぐにガチャも回さず、紅麗様のところにも行かず、ギガノス大陸に向かったとして、セラスに殺されるだけだった。その行動に意味はない。


 意味がなくてもやってどうにかしてしまうのがヒーローなのだろうが、残念ながら俺はヒーローじゃない。勝算もなくそんなバカな行動をとれば死ぬだけだ。分かってはいるのだが人はヒーローになりたいものだ。


 それなのにここまで来ても、できないことはできない……。


「赤様。少しだけお時間をください。どうしても仲間に伝言だけは残しておきたいのです」

「急いでいるのはお前たちで、紅麗様は慌てていない。私も急いでいるわけではない。ゆっくりしたいのならば好きにすればいい」

「ありがとうございます。弁財天、狐魅は一緒に連れて行く必要があるか?」


 俺は赤様に頭を下げて弁財天にまず確認した。


「いえ、離れても大丈夫よ。狐魅を仲間への言伝に使いたいのね?」

「ああ、良いか?」

「もちろん。狐魅、祐太君の言うことを聞いてあげて」

「畏まりました」


 弁財天は狐魅から降りた。そして俺が狐魅の前に来て人型に戻った。俺はマジックボックスから、仲間に渡してほしいものを取り出した。


「狐魅、弁財天と別行動になってごめんな」

「全く問題ありません。狐魅は弁財天様が喜ぶことをするまでです。まあ少し紅麗様の御所は見てみたかったですけどね」

「また今度機会があれば一緒に行こうな」

「はい」

「じゃあよく聞いてくれ。大八洲国から千年郷に向かって、桜千にこれを渡してきてくれ。桜千は狐魅が千年郷に入って『桜千殿、六条祐太からの使いです』といえばその瞬間目の前に現れる。そういうやつだ」


 そう言って俺は【蘇生薬(中)】を2つと【ルビー級倍加薬】を狐魅に渡し、誰に渡すべきかは桜千に任せると伝えた。そこから俺は狐魅に現在の状況を桜千に伝えて、聖勇国の仲間に知らせるように頼んだ。


 さらにギガノス大陸には絶対に近づかないようにと伝え、あとは各々の判断に任せるとも言って、さらに最低でも2週間以上は聖勇国へ帰るのにかかることも教えておいた。


「秘密にはしなくて大丈夫ですか?」

「仲間に『いつ帰るか分からないけど待っててくれ』なんて言えないよ。狐魅、『2週間以上かかるけど……できるだけそれに近いうちに必ずセラスへの対抗手段を持って帰る。それまで待っていてくれ』そう伝えるんだぞ。『もしも死にそうで逃げれば助かるなら逃げてくれ』これも伝えてくれ。頼むな」

「畏まりました」


 狐魅が大きすぎて頭には手が届かず、最後に鼻の頭を撫でた。狐魅が気持ち良さそうにしていた。伝言を届けるために狐魅が地上へと戻っていく。それを見送り、俺は弁財天と共に赤様の背中に乗った。

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― 新着の感想 ―
紅麗さまはゴッド級で赤さんが最低でもダイヤモンド級あたりかな 翠聖さまはミスリルぐらいありそうだな ダンジョンリセットを回避できるのはどこから上のクラスになるんだろうね
勇者編入ってから何一つ面白くないね
どうなるのかワクワク
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