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君を救うために僕は何度でも立ち上がる  作者: ウール
第一章 最初の分岐点
10/12

力を欲する者


ーー2059年四月三日ーー

ーータイムストップ

 それにしても大きい蛙だなぁ。

 どうやって倒すか。

 そういえば昨日、頑張って石を尖らせた物を木の棒に付けた槍があるんだった。

 どうやって槍を作ったのかを話そう。

 と、話したいところだが息が続きそうにもないので省略させてもらう。


「おらー!」


 僕は蛙の頭に向かって槍を突き刺した。

 多分これで蛙は消えるだろう。

ー解除

 やはり蛙は消えた。

 何故消えたと表現するのか。

 理由は、倒したはずの蛙が地面に倒れるのではなく、一瞬にしてチリのように細かくなり、次第に見えなくなっているからだ。

 このモンスターたちは当然元の世界にいなかった。

 なら、このモンスターは科学者の実験で作り出されたモンスターなのか。

 しかし、その可能性は低いだろう。

 今の科学者の力で、モンスターが倒された時に消える仕組みを作りだすのは難しい。

 最後の考えは...。

 いや、ありえないな。

 こんなに多くのモンスターを一気に出すことは不可能だ。

 考えているうちに時間が過ぎていく。


「早く葵に会いに行こう。今僕がいるのが森林エリアの川だ。ここから近いエリアは山岳エリアと草原エリアと海エリアだ。草原エリアは一通り探したから省いて、海エリアよりも山岳エリアの方が探しやすそうだから山岳エリアに行くか。」


 僕は山岳エリアを選択した。

 腕時計を見るのをやめて歩き始めた。

 その10分後。

 前に男子生徒が見えた。

 山を登っている。

 すると、足音に気づいたのか後ろを振り返り僕を見た。

 

「こ、殺すな!」


 男子生徒はとても怯えていた。

 今にも足を滑らして落ちてきそうな感じだ。

 頼むから僕の方に来ないでくれよ。

 もし来たら大変なことになるからな。


「僕はあなたを殺したりなんてしませんよ」


「嘘だ、絶対に殺しにくる」


 男子生徒は疑心暗鬼になっていた。

 それもそのはずだ。

 こんな実験のようなものに参加させられていたら人を信じられなくなる。

 しょうがない、

ーータイムストップ

 これで早く頂上へ走って行くしかなさそうだ。

 しかし走るってのはきついもので直ぐに息苦しくなる。

 男子生徒に見つからないくらいまで走った。

 きつすぎるだろ。

ーー解除


「はぁー、疲れた」


 やっぱり呼吸をしないのは疲れるな。

 そんなことをいっていると、やっとの思いで頂上についた。

 僕は体を休めるために一息ついた。

 あの男子生徒の様子なら直ぐには来れないだろう。

 ここから眺める景色はすごい。

 いろいろな場所がある。

 この中に葵がいると思うと気が遠くなるな。

 でもそんなことは気にしない。


「葵を救うって約束したんだからな」


 そう言葉を発した瞬間。


「ぐはぁー!」


 何かが僕の体を貫通した。

 呼吸が出来ない。

 よく見ると昨日作った槍が刺さっていた。

 どうして。


「まだ生きてるのか」


 不気味な声が後ろから聞こえてきた。

 呼吸が出来ないので言葉を発することが出来ない。

 後ろにいたのは山にいた男子生徒だった。


「その顔、驚いてるね。何故僕がここにいて自分が作った槍が刺さっているのか。それは僕の異能力が念動力だからだよ。あとなんでこんなにも早く来れたのか、それは演技をしていたからさ。僕はこの三日間このようにして人を殺してきた。実に簡単だったよ」


 男子生徒は笑いながら喋っている。

 もう僕は死ぬだろう。

 呼吸が出来ないので酸素が回らずもう終わりだ。


「僕の名前は2年1組御影蓮。君の名前は...あー。2年5組蒼山空。ちっ、ハズレかよ。いきなり消えたから凄い異能力を持ってるのかと思ったら無能な5組だったのか。あーもういいよ。さっさと死んで」


 御影はそう言い残すと何処かに行ってしまった。


「も、もう...駄目だ」


 この出血量じゃあもう死ぬな。

 葵との約束を守れずに死ぬのか。

 それは絶対に嫌だ。

 僕...俺にもっと力があれば。

 そんなことを考えていると、


「力が欲しいか」


 そう、何処かで聞いたことがある声が聞こえてきた。

 

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