家康に謁見した未来人(互いの常識)
「家康殿。謁見を申し出ておる者がございます」
「誰じゃ?」
「何やら数百年後の日本から参ったと」
「は?なんだそりゃ? 面白い。通せ」
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「金髪?それになんだその格好は?歌舞いておるな」
「はい。わたくしは竹の子族と申す者。遠い日本の社会からやって参りました」
「竹の子?どこぞの部族じゃ? まあ良い話せ。この先の我が国を」
「えっとお。まずはどこから、、あっわたくしのおる日本は今、車社会でありまして」
「江戸も同じじゃ。荷車も馬車もある」
「いえいえ、そういった類の物ではございませぬ。なんと言っていいのやら、、あっそうそう鉄の塊り。数百キロから数十トンの鉄の塊りがですね、日本中の至る所、端から端まで40キロから100キロの猛スピードゴロゴロと駆け巡っているのであります。しかも7千万台は優に超える台数」
「7千万の鉄の塊りぃ?ハハッ!有り得ん有り得ん!避け切れぬではないか?ハハッ!」
「それがですね。交通の法律ってやつですか、それを守ると掻い潜って避ける事が出来るのでありまして」
「お前はアホか!法律があろうが無かろうが、そんな物がそのスピードで走り回っておっては、家は滅茶苦茶。人は轢かれ、、、住めぬわ、出歩く事もままならん!噓八百を並べるではない!生きてはおれぬ!」
「お、それから今、家康殿が吸っておられますキセル。それも中々吸えなくなりまして。禁煙運動が始まり、禁煙家達が反対運動を」
「わしはそんな時代には生きてはおらん。関係ないわ!」
「その禁煙運動の集会に排気ガスを撒き散らして、、その車でやって来るのでありまして、、」
「もう良い!この嘘っぱち!縛り付けて牢獄にぶち込め!そんな未来は有り得ん!」
「いえ、本当の事を申したのであります!」
「我が国はそんなバカの集まりではないわ!」