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エンタージェ  作者: 夢猫うさ子
1/1

1、始まり

はじめて小説かいて投稿します。ʕ•ٹ•ʔ  

誤字脱字は多めにみてくれるとうれしいです!笑 

学校もあるので、頻繁に更新はできませんが、がんばりますので、みてくれるとうれしいです。

よろしくおねがいします!




風吹美琴(ふぶきみこと)、都内の女子校に通う高校2年生。 

父親は会社員、母親は事務員、そして小学生の弟に猫一匹という、平々凡々な家庭でそだった。 

 

だけど、夢は非平凡。  


私の夢は世界中を駆け回る、スーパーレディになること。 

そのためならどんな努力だってする。ダイエット、勉強、人付き合い……  


美は一日してならず、夢も一日にしてならず。

 

正直、毎日忙しすぎてしんどくなることもあるけど、毎日の日課である、夜空を眺める時間さえあればまた頑張ろうとおもえる。 

 

満天の星空、は残念ながらみえないけれど、柔らかくそっと体をぬける夜風と静かに光を放つ美しい月がそこにはある。 

 

人と建物がゴチャゴチャとせめぎあい、ストレスが充満する現代社会であっても夜空を見上げれば、なんだか自分は魔法できらきらした世界にいるような気分になれる。 

将来の不安も悩み事もすーっとほどけて消えてしまう。   


「 美琴、まだいたの?湯冷めするからそろそろ中に入りなさいよ」 

「あ、うん」   

 

パチンと、夢が醒めたような感覚になる。   

現実に戻るお時間だ。


魔法の世界でふわふわのドレスをきて、空を優雅にもうすこしとんでいたかったなあ。 

 

なんてね。さて、頭を切り替えて、勉強するか。 

 

テレビと、それをみておかしそうに笑う弟と母親の会話が聞こえる部屋に戻ろうとふりかえったときだった。 


「あれ?」 


風が、ぴたりとやんだ。さっきまで絶えずふいてたのに。 

…音も聞こえない。テレビの音も家族の会話も車の走行音も。

 

ガラス扉をあけようとしていた手も止まる。

 

突然の変化と違和感を頭でかんがえるよりもはやく肌が感じ取った。  


本能的に、バッと空をあげた。

 

「な、にこれ…」 

 

あんなに美しかった月、そして藍色の夜空が、なぜか灰色に変わっている。 

夜空だけじゃない。街をてらしていた光も人も建物もなにもかもが色や輝きを失っていた。 

なによりおかしかったのは、まるで映画を一旦ストップしたかのようにすべてが動かなくなっていることだった。

 

飛んでいた虫が宙にういたままになっている。

  

フラフラと、おかしくなった世界から逃げるかのように後ろにさがると、壁にぶつかる。 

 

軽い衝撃で、はっと家族のことをおもいだした。 

 

幸い、ガラス扉は普通に開き、勢いよく中に入って家族を探す。 

 

「お母さん…!」  


冷蔵庫をあける途中だったらしい母親を発見した。 


「お母さんお母さん!!ねえって!!」 


何度も呼びかけてもぴくりともうごかない。 

むりやりふりむかせようと肩をゆらす。


がくんがくんと揺らした拍子に母親の体はうしろに傾き… 


「ひっ…!」 


蝋人形のように直立不動のまま倒れてしまった。

  

足に力が入らなくなり、下がったときにあしがもつれて転んでしまう。

 

眼下にひろがる色を失ったフローリングをみて、絶望感と恐怖感がどっと押し寄せた。 

冷や汗やら涙やらが無意識のうちにとめどなくあふれる。

震えがとまらない。 


大変なことになったのだと、ただそれだけが、頭に浮かんだ。 


 

その時。

 

突如として、外からかあふれんばかりの光がさしこんできた。

あまりの明るさに、かべも床も境がみえなくなってしまう。


(目が、開かない…!!) 

なにが起こったのかさえ、たしかめることもできずに、両腕で目覆ってその場をやり過ごした。 


数分後、段々と光がよわまっていくのを感じてそっと目を開ける。  


光は、ベランダの下からでているようだ。  

 

…なんだろう、猫の鳴き声もきこえる気がする。

 

ガラス扉を音をたてずに静かに開けて、手すりからそろりと見てみた。 

 

「わ…ぁ…!」 


そこにあったのは、きらきらと澄んだ光を放つガラスの巨大な球体。シャラシャラと、宝石を連ならせたいく数もの飾りが揺れる。どうやら、タイヤがついてるのをみると乗り物らしい。  

  

童話にでてきそうな、そして思わずみとれてしまう美しさだ。 

 

「…さあ、出てらっしゃい。」

「…!?」 

 

 

突如として乗り物の中からきこえてきた声に、心臓がばっくんと飛び跳ねる。おもわず、さっと手すりの下にかくれて息を殺した。  

   

(誰…?) 

 

まさか世界をこんなふうにした元凶だろうか。 

それとも、味方…?   

どちらにしても様子を見なくては。   

段々と、頭が働いてきて、冷静に考えられるようになってきたのん感じる。 


 『ニャー』 


「!!」 


いきなりうしろから、おびただしい猫が空へまいあがった。 

視線を追うためまた手すりから顔をのぞかせる。


猫達は空をまったかとおもうと、急降下し、乗り物の前にくるくるとまわった。 そしてポフンと煙をだした。 

 

煙が晴れると、そこには、一本道をみっしりとうめた大量の猫が、馬車をひく馬のように体にリードをつけて整列していた。


真っ白な毛が色をうしなった世界を照らす。 


あぜんとしていると… 


    

「レリアナ様、準備が整ったようです。」 

 

さっきまで、猫と乗り物しかなかったところに、燕尾服をきた人が急にその空間にあらわれた。 

 

(ずっとみてたのに…一体どこから…) 

動揺しまくりなわたしのことなんてきにせず、紳士は扉を開く。


そして出てきた人物にわたしは息を止めてしまった。



真っ白いふわふわの長い髪に、長いまつ毛。ピンク紫青…様々な色が混ざり、きらきらした石が散りばめられた、ドレス。ラベンダー色のちいさな唇。 ぱっちりした大きな目。


まさに天使、いや、女神といっても過言ではないだろう。

そして、なにより纏うオーラが、ただものではないとおもわせた。 


「ありがとう、オリバー。……わたしのかわいい子供達。今日はすこし頑張ってもらうわよ。」 

 

そう女神が呼びかけると、猫達は士気があがったのか、女神に向かって口々に鳴いた。

 

そしてそれだけいって優雅に振り返り、また馬車ならぬ、猫車の中に入っていった。


「…オブラージュ候補生へ第一の課題を告ぐ。人々の輝きを取り戻させなさい。暗き心に光をともすのです。」 


小窓から手をたからげると、きらきらと色とりどりにかがやく光が世界をつつように広がる。同時に猫達が猫車を引き始め、空へとかけていく…  


 

私は光に視界を覆われ、気づけばそのまま意識を失っていった。




 

   






 

 


  



 


  


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