049話:助けてやりたいんだ
「修也が、修也が1人で!」
俺は必死に光輝に訴える。あんな化け物と1人でやり合うなんて無理だ!必死に身振り手振りも加えて伝えようとするが上手く伝えられない。
「今は一人一人に構っていられないんだ。怪我人がいるなら風上さん達にポーションを貰ってくれ」
冷たくあしらわれてしまった。頼りに出来ないのなら自分たちで動くしかない!予備の武器を受け取り、最上級のポーションを治療班から半ば奪い取るような形で受け取る。
「悠真、実どうかしたのか?」
俺達の行動が余程不審に見えたのか、康介が声を掛けてくる。
「もう一体いる。死ぬ覚悟があるなら手伝ってくれ」
「なっ!」
康介はその顔を驚愕に染める。
「今、光輝に・・・」
「伝えようとしたが取り合ってくれなかった。一人一人に構ってはくれないそうだ」
「そうか、ならついて行こう」
「そのボロボロの身体で?」
「そうだ」
血だらけで傷も残ったその体。それでもこいつはついてきてくれるという。あんな勇者なんかより頼りがいがある。すげえ奴だ。
「なら、急ぐぞ!」
俺達3人は闇夜を駆けた。
◇◇◇
「いないな」
先程の場所に着くがそこにはどちらの姿も見えなかった。
「一体どこに・・・」
「こっちだ!」
実が何かを見つけたようだ。行ってみるとそこには踏み倒された草花があった。
「よくやった!いくぞ!」
実の見つけてくれた手掛かりを元に修也の向かった場所へと向かう。そこには目玉の中に短剣を突き刺され、絶命したビッククロウがいた。その直ぐ横には血だらけで倒れている修也がいる。
「修也!」
俺達は修也に駆け寄る。修也の腕は潰され、右目も潰れている。こいつはビッククロウと殴り合いでもしたんじゃないだろうな?
「修也!」
出来るだけ身体を動かさずに様子を確認する。
「生きている!息があるぞ!」
俺達はアイテムボックスの中から手持ちのポーションを全部取り出して使用する。馬鹿みたいにかけたお陰で傷は直ぐに塞がった。最上級の苦~いポーションを無理やり口に突っ込み、飲ませる。
「よう・・・お前らも・・・死んじまったのか?」
「馬鹿野郎!」
「修也!」
大きな涙を浮かべながら俺と実は修也を抱きしめる。
「「助けを呼んでこいって言ったのはお前だろ(お前じゃねえか)」」
「馬鹿か、こっちに来て・・・どうするんだよ」
それだけ残して修也は気を失った。一応脈を確認する。よし、生きている。
「康介、その化け物の頭を吹き飛ばしてからアイテムボックスにしまってくれ。キャンプ場に持って帰るぞ」
俺達はクソッタレの頭が吹き飛ぶのを見てようやく安心できた。俺達は急ぎ足でキャンプ場に戻った。




