048話:必要な犠牲
~修也side~
くそがぁぁあああ!
俺は同じ索敵班の雲隠と霧里と警戒に出てきていた。ビッククロウの変異種が度々森の中に戻るのを不思議に思って一度森の中に入ったのだ。それが間違いだった。
「どうするんだ!修也!」
雲隠が尋ねて来る。
「まずは逃げるんだよ!」
「どこに!」
次は霧里だ。
「ここじゃないどこかにだよ!あいつらの元に向かわせる訳には行かないだろうが!」
森の中にはもう一体のビッククロウが潜んでいた!そいつに見つかった俺は一先ず戦いやすい場所に誘導することにした。ビッククロウは2体いたんだ!一つキャンプをする前に見つけておいた場所があったはずだ。そこへ向かおう。
「いい場所があった!ついてこい!」
索敵班の班長としてやっているから指示をしっかりと出せるようになった。頼むから俺を信じてついてきてくれ!
◇◇◇
着いたのは少し大きめの広場だった。キャンプをする際に見つけた予定地だったが、真ん中に川が流れている良い場所だとしても、平坦なキャンプ場を見つけたからと却下した場所だ。
「ここで相手をするぞ!」
「わかった」
「了解」
雲隠と霧里が返事をしてくれる。しかし、その声は震えていた。クラス全員を一体で相手取る化け物とたった3人で仕留めなければならない。これにどうして恐怖を感じずにいられるだろうか。
俺もここで仕留めるではなく相手すると言ってしまった。本当は分かっている。勝てっこない。草を掻き分けついにビッククロウがその姿を現す。そして、ビッククロウは巨体を揺らしながら俺達に迫ってきた。だがビッククロウは瞬き1つの間に・・・その姿を消した。
「どこに消えやがった!」
霧里が大声で騒ぐ。
「落ち着け!冷静さを失えば殺されるぞ!」
馬鹿な真似をするな。落ち着け、しっかりと観察しろ。なにが起きているのかを正確に把握するんだ。広場の真ん中を通る川に波紋が現れる。
「そこだ!《フリーズ》」
魔力を使って川ごと凍らせる。《透明化》を使っていたであろうビッククロウの場所がはっきりと分かる。
「やれぇぇええ!」
アイテムボックス内の爆弾などを全部まとめて投げつける。基本的に索敵系の魔法を使い、武器が短剣の俺達の最高火力は爆弾だ。
爆風に包まれるビッククロウ。これで仕留められなければもう終わりだ。勝機はない。煙が晴れる。そこには多くの傷を負いながらも未だにこちらに明確な殺意を向けてくるビッククロウがいた。
これは無理だな。
「応援を呼んでこい」
「応援なんて呼んでこられるわけが」
「呼んでこいって言っているだろ!早く行きやがれ!」
「お前・・・」
「早く行けよ!行けって言っているだろうが!」
あはは、目からなにかが溢れてきやがる。あいつらが向かった方向を確認してからビッククロウの方へ目を向ける。傷だらけの身体でも気にせずに向かってくる。
「最後ぐらいカッコつけても罰は当たらねえだろ?」
恐怖の鬼ごっこが始まった。




