006話:与えられたもの
~クラスメイトside~
「勇者って何のことですか?」
「ふざけないで」
「家に帰してよ」
そんな声がクラスの中から上がった。
「すまない勇者殿、今から説明を行わせてくれはしないだろうか。今回行った勇者召喚はかなりの代償を払って発動させた大魔術。女神さまの助けもあってどうにか成功することができたのだ。」
そんなことをいきなり言われてクラスのみんなも静かになる。俺は勇気を振り絞って発言する。
「僕の名前は山内光輝といいます。王様、申し訳ありませんが。今どのような状況なのかの説明をいただけませんか?勇者召喚や大魔術なんて言われても全く分からのです。」
「少し長くなるが説明させてもらいたい。どうか落ち着いて聞いてもらえると助かる。
まずこの世界の名前は≪アリステイラ≫。おぬしらの住む世界とはまた違った別の世界だ。この世界には魔法が存在し、特別な職業に就いたものが扱うことができる。個人個人が職業を活かして社会を発展させてきた。
そこに亀裂を入れてくる種族が現れた。それが邪神の生み出したとされる魔物を使役し人々を襲う魔族どもだ。奴らは村々への略奪を繰り返しわが臣民を苦しめている。これ以上奴らの横暴を許すわけにはいかないと女神から授けられた大魔術≪勇者召喚≫を行ったのだ。
貴殿らには本当に申し訳ないと思うがどうか我々を助けてもらえないだろうか」
そう言って王様は頭を下げてきた。
「そんなこと言われても私に戦える力なんてないよ」
一人の女子が悲鳴を上げるかのように言う。それに対して王様は優しく諭すように
「女神さまによると勇者召喚は勇者とその仲間たちにそれぞれ適性のある強力な職業を与えてくださるようだ。一度自分の職業を確認されてはどうかな?」
と伝えた。
その瞬間王の間の中心に光の柱が現れた。王と王女は光の柱に頭を下げる。なにごとかと思って見ていると・光の中心から誰かが現れる。
「では自己紹介からか、勇者のみんな。私の名前はサザンカ、女神をやっている。君たちにちょっとした簡単な説明をしに来た。それに加えて特別な職業もあげちゃうよ!」
彼女が手を振ると
≪異世界人 山内光輝にスキル異世界語理解及びアイテムボックスが与えられました≫
≪異世界人 山内光輝に職業 勇者「ランク8」が与えられました≫
そんな無機質な声が聞こえてきた。そうして僕は勇者になった。
2019/05/19 一部表現を変更しました。