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039話:ディルセントのありがた~いお話

「仕方ないから詳しく説明してやろう。どうせ、いつかは行くことになるだろう」


 ディルセントの説明が始まる。


「迷宮は各属性が別れているが、俺が言っている迷宮都市には『土塊の迷宮』がある。一番の特徴は人族の国へと繋がっていることだ。地下第十層に人族の国側の入口へと繋がる道がある。魔王様が大規模な結界を張っているから通ることは出来ないがな」


「人族の?」


「ああ、そうだ。大山脈で魔国と人族の国は隔たれているが、砦を建設した地域と同じように行き来できていた場所だな。全く、迷宮の壁は壊せないし長時間・・・何かしらのものを置いていたらダンジョンが取り込みやがるから面倒くさいったらありゃしねえ」


 この言い方だと遺体なども取り込んでしまうのかもしれないな。言葉を選んで話したし。


「まあ、とにかくかなり発展している街だな。あと、迷宮都市はいつも戦力を欲しているんだが何故だか分かるか?」


「迷宮から魔物が溢れてきたりするからか?」


「その通りだ」


 当てずっぽうで言ってみたがやはり迷宮都市は魔物を迷宮で倒して利益を上げている街のようだ。


「まあ、そういうことで期待のルーキーくんは迷宮都市のギルマスに目をつけられている訳だ」


「話はわかった。だが、一度渋った理由はなんだ?」


「1つ目はお前達の実力が足りていないからだ。俺から見ればいつ死んでも可笑しくない。2つ目は知識が足りていない。これも死に繋がる。3つ目は俺が暇になる」


 散々だな。特に3つ目。


「と言うのは半分を冗談で3つ目はもう少しで冬だ。旅にはキツイだろうというギルドからの注意だ」


 良かった。普通に俺達のことを考えてくれているようだ。


 半分は本気で暇だからかもしれないが。半分が冗談だと言っていたからな。


「まあ、ゆっくりと決めてくれればいい。お前達が決めることだ」


 そこで一度ディルセントは話を切り上げる。真剣な顔をするとある提案をしてきた。


「オークジェネラルの魔石は俺が直接買い取らせてもらっていいか?」


「構わないぞ」


「助かる」


「報酬は?」


「ああ、今持っている額が少なくてな・・・仕事中だし。また、明日持ってきて貰えるか?」


「今、渡しておこう。ただ報酬は俺達にいま足りないと思うものにしてくれ」


「それは俺に決めさせても良いものなのか?普通はしないぞ。言い値で買い取ってくれと言っているようなものだ」


「あんたはその方が高く買い取ってくれるだろう?」


「まるでムクゲンみたいな事を言うやつだ。いいだろうお前達に一番足りていないものを報酬にしてやろう」


 これが吉と出るか凶と出るか。良い結果に終わることを祈る。


 ◇◇◇


「帰って行きましたね」


「凄い奴だと思わないか?シェリー」


「そうですね、ディル」


 彼女は紅茶を入れてくれる。


「この魔石の価値も知らない、馬鹿なら放り出した。もしくは安く買い取ってやったのに」


「意地の悪い顔をしていますね」


「言ってくれるなよ。あいつらはこの魔石の価値を知らなかったかもしれない。だが、俺が考えていたよりもこの買い物高くついてしまったな」


「安く買い叩いたりしないの?」


「お前ふざけているだろ?今言っただろう?」


「バレちゃいましたか」


「バレバレだよ」


 俺達はどちらも笑顔を浮かべる。


「あいつに稽古をつけてやろうと思うんだがどうだろうか」


「ええー。タチバナちゃんにはないんですか?」


「俺からやれるものは無い。お前がなにかしこんでやれ」


「いいですよ」


「それにしても、えらくお気に入りなんだな」


「初々しくて可愛いですよ。貴方と出会った時を思い出せます」


「俺はあいつの事を思い出すな」


「ああ、あの子ですか」


「まったく、どこに行ったんだろうな」


 俺は飲み終わった紅茶を置く。


「ソニアの奴は・・・」


少し立て込むので二週間ほど休みますが、

9月1日から9月20日まで夏休みを取る予定です。

つまり……ご期待ください。

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