020話:初デート
2019/05/06 四本目
私は彼のことが好きだ。その恋心を受付嬢のシェリーさんにはバッチリと見破られていた。私は彼が決闘を受けている時にシェリーさんから
「彼のこと好きなんでしょう?」
と言われた際に無言で返すと
「赤くなっちゃってぇ」
と言われ、動揺を隠せなかったことからあっさりと距離を詰められてしまったのだ。彼女はギルマスであるディルセントさんの恋人だそうで、時々見せる優しさから彼のことが好きになってしまったらしい。
その後彼女は攻めて攻めて攻めまくって交際を始めたらしい。
そんな彼女からアドバイスを貰った。そう!無茶なことをした罰に言うことを1つ聞いてもらえばいいのだと。私は素晴らしい案だと確信して実行に移してしまった。
そして今、シェリーさんのおすすめスポットに向かっています。
色々と準備をしていたらもう夕方になっていました。夕陽が綺麗です。そんな中を2人で歩けてとっても幸せです。周りはカップルだらけで周りから見たら私達もそんな風に見えるのかなと考えてしまいます。
ああ、恥ずかしい。これ完全にデートじゃないですか。
「立花さん、着いたよ」
シェリーさんおすすめのカフェについたようだ。
「うん、入ろうか」
店員は景色が綺麗なテラスの席へと案内してくれた。
「なににする?」
斗賀くんが聞いてくる。
「じ、実は受付嬢の人におすすめのメニューを教えて貰っているんだ」
どうにかそう返す。
「どれ?」
そう聞かれてテーブルの真ん中に置かれたメニューを2人でのぞき込む。全体的にスイーツが多くてどれも美味しそう。目的のものを見つける。
メニューの右上に『シェリーのおすすめ!』と書かれたケーキセットがある。まさか商品名にすらなっているなんてシェリーさんは何者なんでしょう?
それを注文する。
少しして店員さんが苺のショートケーキとチョコケーキそれに紅茶にミルクがついた『シェリーのおすすめ!』ケーキセットを運んでくる。
「では、ごゆっくり」
店員さんが立ち去る。
「私、苺のショートケーキ貰ってもいい?」
「どうぞ」
口へとそのケーキを運ぶ。
「美味しい」
ついその一言が口からもれる。
「確かに美味しいな」
彼も満足しているようで嬉しそうに笑っている。
「私もチョコケーキ一口食べてみたいな」
「いいよ」
ケーキをこちらに寄せてくる。一口取って食べさせてもらう。うん、美味しい。
ここで私はシェリーさんから言われたことを実行に移す。ショートケーキを一口切り取った。
そして、
「あ、あーん」
彼の前にフォークを差し出す。彼は目を見開いて、私の顔を見る。私はそのまま待っておく。彼は最終的に私のケーキを食べた。その後は一言も喋らずに残りのケーキを食べて、紅茶を飲んで、その場を後にした。
帰り道、彼の顔が赤く染まっていたのはきっと夕陽のせいだけじゃないと私は思う。
2019/05/07 一部表現を変更しました。
2019/05/19 一部表現を変更しました。




