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018話:決闘

2019/05/06 二本目

 ギルドの裏にある訓練所へとやってきた。男が話しかけてくる。


「良かったなあ」


「何がだ」


「ここの訓練所は特別製でな、決闘をする時に発動する特別な魔法がかけられているんだ。どんなのかっていうと、決闘での怪我は決闘が終わったときに全て治るようになっている」


「へえ、そりゃあいいな」


「いいだろう?」


 男はなぜか上機嫌になる。受付嬢が出てきて決闘についての説明が行われる。


「これから決闘を行います。勝敗は一方が負けを認めるか、瀕死の重傷を受けて戦えなくなれば決定となります。なお、この決闘はシーマニアの冒険者ギルドのギルド長立ち会いの元で行われます」


 少し離れた観客者席にいる立花さんの横にご老人がいる。きっと彼がギルド長なのだろう。


「では、お互いに挨拶を」


 受付嬢の話のあとに男が話を始めた。


「俺の名前はディルセント。種族はドワーフだ。冒険者ランクは6」


 俺も続く。


「俺の名前は斗賀浅紗。種族はヴァンパイア。冒険者ランクは1だ」


「それではお互い、武器を構えてください」


 俺は腰から呪剣ソニア・ジャスミンを抜く。それと同時にディルセントも剣を構えた。


「それでは決闘、始め!」


 俺はディルセントに詰め寄る。まずは一撃を喰らわせよう。そして、一撃を放つ。ディルセントには簡単に受け止められてしまう。不利だと感じたので一度距離をとる。


「ほう」


 ディルセントが1つ声をあげる。


 その隙を突こうとまた向かってゆき今度は通り抜けざまに斬り付けようとするが少し体を揺らすだけで避けられてしまう。


 ディルセントはこちらを向くと


「そういう技は格下に使うもんだ」


 そう叫んで俺に近づき下からその体躯を活かして切り上げてくる。避けられないことを悟り剣で受ける。俺の剣は高く打ち上げられる。ディルセントは笑みを浮かべて振り上げた剣を叩き付けようとしてくる。


 俺は思わず笑みを浮かべた。ディルセントの空いた脇下を通り抜け後ろへとまわり込む。ディルセントもとっさの判断能力で振り向く。けどそれがいけなかった。俺の剣は宙を駆けてディルセントの左腕を斬り落とした。


『呪いの装備は外せない』、だから離れると戻ってくるのだ。


「なにぃ」


 ディルセントは思わず声をあげる。しかしそれだけでは闘いは終わらなかった。ディルセントは右手だけで剣を持ち斬りつけてきた。胸元が薄く斬りつけられ、血が出てくる。


 俺はそんなことを気にせずにディルセントへの攻撃を続ける。この手に戻ってきた剣を握り、対処しづらくなったであろう左腕側を攻める。何合か打ち合った。


「降参だ。俺の負けだよ」

 そう言ってディルセントは剣を下ろした。俺は勝った。


 立花さんがこちらに向かってくる。


「どうして決闘なんかしたの!」


 どうやら怒っているようだ。


「ごめんね」


「ごめんねじゃなくて」


「すみませんでした。売られた喧嘩を買わずにはいられませんでした」


「この埋め合わせはしてもらうからね」


「わかったよ」


「あっはっは、負けちまったぜ」


「なにやっているんですかギルド長」


 向こうではディルセントが受付嬢に怒られていた。


「ギルド長?」


「おう、そうだぜ?」


「じゃああそこにいるお爺さんは?」


「あの人は決闘好きの爺さんで俺の知り合いだ」


「もう1回聞くけど、ギルド長?」


「だからそうだぜ。俺がシーマニアのギルド長、ディルセントだ」


 信じられない。


「お前信じてないだろ」


「うん」


「てか、俺の事聞いたことねえか?ほら《爆砕》のディルセントなんて前は呼ばれていたんだぜ」


「聞いたことないな」


「あんまり初対面の人にきつく当たらないでよ」


「はい、すみません立花さん。反省します」


「まあ、若い奴らには《黒炎》の方が人気だもんな。ヴァンパイアの黒き英雄だったっかな?」


「はあ、まあいい。なんで絡んで来たんだ?」


「それは受付の方に戻りながらはなそうか。簡単に言えば、新人冒険者への忠告だ。俺みたいないかついやつに睨まれたり、1回叩きのめされたりすれば新人冒険者は自分の分相応の依頼を受けるようになる」


「いかついと自覚していたんだな」


「うるせえよ。とにかく、お前のとこの彼女ちゃんみたいなやつは無謀なことはしないが、特にお前らみたいな年齢の奴らは自信過剰だろう?それをギルド長である俺がやっているわけだ」


「そうか、助かった」


「やけに素直だな、どうした」


「なんでもねえよ」


「そうかい。まあ、ギルド長として1つ伝えることがある」


 なんだろうか。


「お前達2人を冒険者ランク3に上げてやろう。そこまでならギルド長の権限でランクを上げられる」


「いいんですか?」


「いいのか?」


「ああ、構わんよ。3に上げるだけの実力はある。1人は慎重だしもう1人は剣を使っていた俺に勝ったんだからな」


 彼は立ち止まる。


「ああそうだ、始めに言っておくことがあった」


 彼は大きく腕を広げた。


「ようこそシーマニアの冒険者ギルドへ。君達を歓迎しよう」


 こうして、俺達は冒険者として歩み始めたのだった。

おまけ


ディルセント「ここの訓練所俺が設計したんだぜ」


斗賀「そりぁすごいな」


デ「そうだろ!それにしてもあれどうやったんだ?剣が戻ってきたの」


斗「教えねえよ」


デ「教えろよ」


斗「いやだ」


デ「ケチなやつ」


斗「ああ?やんのか」


デ「やってやろうじゃねえか」


立花さんと受付嬢「「やめなさい」」


斗賀とディルセント「「はい」」


2019/05/19 一部表現を変更しました。

2019/10/27 一部表現を訂正しました。

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