003話:エンカウント
しばらく洞窟を進んでいると少し広めの空洞に出た。やっぱりそれでも薄暗いままだった。なぜ真っ暗ではないのかそう思っていると。壁にくっついている鉱石が光を放っているのが見えた。
「この鉱石のおかげで周りが見えるのはうれしいね」
俺はそう言った
「いくつか貰っていきましょうか」
立花さんにそう提案されたので、こぶし大の光る鉱石をアイテムボックスに入れて持っていくことにした。
少し先へ進むと奇妙な緑色の肌の小人がいた。その小人は俺たち二人を見ると気持ちの悪い笑みを浮かべた。
「ぎががが。ぎががが。」
わけのわからない言葉を発して、いきなりその手に持っていた、棍棒で俺のことを殴りつけてきやがった。思った以上に力が強くて体勢を崩してしまった。その隙をついて小人は何度も俺のことを殴りつけてくる。
「おりゃー」
そんな弱弱しい声とともに立花さんが小人にタックルを食らわせた。
「ありがとう」
そう伝えるとにっこり笑って
「大丈夫?」
とたずねてきた。
俺は微笑み返した。
「あんな生き物見たことも聞いたこともないがここが異世界ならあいつはさしずめゴブリンってとこか」
そう言いながら光る鉱石を取り出して、ゴブリンに投げつけた。鉱石はゴブリンの頭部に当たって。頭をへこませたゴブリンは倒れたまま動かなかった。
慎重に近づいて、細い首を踏みつける。骨を折った感覚がしてようやく安心することができた。ゴブリンの持っていた棍棒を拾って立花さんのもとへ向かう。
立花さんは俺がわざわざゴブリンの首を折ったことに苦笑いを浮かべていたが引いたりはしなかったようだ。
「この棍棒持っておいてくれないかな、ゴブリンみたいなばけものが出てきた時点でここは本当に異世界みたいだし、安全のために持っておいてほしいんだ」
そう伝えると若干いやそうな顔をしながらも受け取ってくれた。生き物を自分の手で殺したことに軽い嫌悪感を抱きながらその場を後にした。
2019/04/20 一部表現を変更しました。