013話:宿
俺達は宿へと向かう。
「良い人達だったね」
立花さんが言う。
「ああ、そうだな」
「最初思いっきり警戒していたでしょ!」
「助けたとはいえこの世界で最初に出会った人はあれだったしな」
「そう考えるとわからなくもないね」
「そうだろ?」
「ありがとね」
「何が?」
「色々とだよ」
「そうか」
宿の前についた。思ったより大きい。
「思ったより大きいね」
「同じこと考えていた」
「そう?」
「そう」
顔を合わせて笑う。
「入ろうか」
その提案を受け入れる。
「こんにちは!オーナーのラタムです。ご宿泊ですか?」
「はい。ムクゲンさんのおすすめの宿だそうで」
「ああ、お父さんの紹介ですか?それならあれ持っていますか?」
息子さんのやっている宿を紹介するのかあの人は。信用はできるけどやっぱり抜け目のない人は怖いな。
「ああ、これですか?」
そう言って貰った手形をみせる。
「そうです」
「なにかあるんですか?」
立花さんが聞く。
「我が宿自慢の天然温泉への入浴料が無料になります」
「うれしいね」
「そうだね」
かなり嬉しい。風呂は大好き。
「何日間泊まられますか?」
「すみません。1泊いくらですか?」
「素泊まりなら1部屋1日銅貨50枚です」
銅貨1枚が100円ぐらいだからまあ妥当なのかな?
つまり、5000円か。
あれ?今、俺達が持っている金は金貨1枚いうことは
銅貨100枚=銀貨1枚
銀貨100枚=金貨1枚
だから手持ちは・・・日本円なら300万円か。
少しの怖くなるな。後でお金については話しておこう。
「まずは10日間お願いします」
そう言って銀貨5枚を受付に置く。
そして、立花さんと顔を見合わせる。
「「まずは温泉からだな(よね)」」
部屋の鍵を受け取って温泉の場所を教えてもらい直行する。
「ふー。体の芯から温まるな」
1人湯船に浸かりながら言う。
今頃、立花さんは女湯で久しぶりのお風呂を楽しんでいるのだろうか。
混浴はない。うん、無いなら仕方ないよな。無いんだもん。あったらよかったのに。
とっても大切なことを忘れていることに気づかずに俺は湯船の中でアホな事を考えながら湯船に浮かんでいたのでした。
2019/05/19 一部表現を変更しました。




