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002話:なんだここは

「痛い。なんだここは?」


 周りを見渡すと薄暗い洞窟に倒れていたようだ。少し前方の地面を見ると立花さんが倒れている。


「立花さん、大丈夫?」


 そう声をかけてみる。


「うん、問題ないよ。けがもしてないみたい」


 そう聞いて安心できた。その時、


≪異世界人・斗賀浅沙にスキル・異世界語理解及びアイテムボックスが与えられました≫


≪異世界人・斗賀浅沙に職業・騎士「ランク3」が与えられました≫


 そんな無機質な声が聞こえてきた。周りを見渡すも誰もいない。薄暗い洞窟だけだ。


「今のは立花さん?」


「違うよ、それよりもなんて聞こえた?」


「俺は、異世界語理解とアイテムボックスって固有スキルに職業・騎士「ランク3」が付与されました、だって。立花さんは?」


「私は異世界語理解とアイテムボックス、それに白騎士「ランク4」だってさ。わけわかんないゲームじゃあるまいし」


「アニメとかだと『アイテムボックス』とか言ったら出てくるけどどうなんだろう?試してみようかな?」


 そう言って俺は「アイテムボックス」と言ってみた。すると脳裏にアイテムボックスの枠が思い浮かんできた。


「なんて説明したらいいんだろう?一度立花さんも試してみるといいよ」


 そう言って立花さんにもアイテムボックスを使ってもらった。


「やっぱり中身はないね」


 立花さんはそう返してきた。


「これはほんとに異世界に来たと思った方がいいのかな?」


 立花さんも肯定を示してきた。


「こんなんじゃステータスも出てきたりしてね」


 そうおどけていると立花さんが目を見張った。


「ステータス表示された。レベルとかそういうのはないけど色々と」


 その口調は驚きを隠せておらず、本当のことだと感じさせてくれた。


 心の中でステータスと唱えると、ステータスが表示された。


 ◇◇◇


 名前 トガ・アサザ


 種族 異世界人


 種族特性 なし


 職業 騎士「ランク3」


 職業スキル 


 固有スキル 異世界語理解 アイテムボックス 


 称号


 ◇◇◇


 ほんとに表示された!こんなものが表示されるってことは異世界なんだな。職業スキルと称号はなしと。でもどうしようか異世界に着の身着のままやってきたそれ以外のことは何一つわかっていない。


 周りは薄暗い洞窟だし進むかとどまるかしか選択肢がないそのことに言いようもない不安を抱えている。考えているだけじゃ何も変わらない。俺は立花さんに一つ提案をすることにした。


「ひとまず、この洞窟を進んでいこう。ここで何かしていても変わることはないから」


「わかったわ。ひとまず進みましょう」


 そうして、2人でその道を進んでいくのだった。自分たちがいる場所を本当の意味で理解せずに。その道を進む先に潜んでいるのが想像を超える化け物であることも知らずに。


2019/05/19 一部表現を変更しました。

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