003話:街道
ゴールデンウイーク中は毎日投稿します。
ムクゲンさんの護衛をしながら俺達はシーマニアへと街道沿いに進んでいた。するとゴブリンが数匹襲ってきた。
「立花さん!ムクゲンさんをお願い!」
そう言ってゴブリン達の元へ向かい全てそのまま一刀で斬り殺した。そのままムクゲンさんの元へと戻る。
「魔石は回収されないのですか?確かにゴブリンの魔石は粗悪とまで言われますが商人としてお金にはなるので採っておいたほうがいいですよ。お手伝い致しますので」
そう言って彼はゴブリンの死体に近づきその心臓部分から暗い青色の石を取り出した。変に思われるのも嫌なので、彼に習って魔石とやらをとっておく。
「これどうぞ」
そう言ってムクゲンさんが魔石を渡してくる。受け取っていいのかわからず戸惑っていると。
「貴方が倒したのですから受け取ってください」
そう言われて魔石を受け取りアイテムボックスに入れておく。
「おお!貴方もアイテムボックス持ちだったのですね」
「そうだ」
「アイテムボックスを持った人が二人もいるパーティーは珍しいですね。アイテムボックスはただでさえ持っている人が少ないスキルですしね」
「そうなのか」
「ええ!もちろんですよ。特別な上位職業の人か固有スキルで持っている人しかいませんからね」
丁寧に説明してくれる。
「お二人は冒険者なのでしょう?ランクはいくつなのですか?ゴブリンリーダーを一撃で倒せるような方なのですしランク4は確実にあるのでしょう?」
「冒険者?」
思わずそう聞き返してしまう。
「違うのですか?お二人ともお強いですしシーマニアには冒険者ギルドもあるのでてっきりそう思っていたのですが?」
「済まないが違うな」
「つかぬ事をお聞きしますが身分証明書はお持ちですか?」
「見ての通り着の身着のままだろう?少しばかり問題にあって今は持っていないんだ」
元の世界の身分証明書なんて持っている訳もないしな。
「では、街にはわたくしのモノです入りますね。できればそのあと身元保証人にはなりますのでギルドでギルドカードを作ってくださいね。報酬をお支払いしますので」
「情報で構わないと伝えたはずだが?」
「それは護衛の分ですよ。わたくしの命を救ってくれたお礼をさせてください」
「それなら、まあ」
「そろそろお昼にしようよ」
話が一旦途切れたのを見計らった立花さんが話しかけてくる。
「確かにそうだな。ムクゲンさん、あの木の下でお昼にしましょうか」
そう言ってお昼にすることにした。
「いやー、美味しいですねこの果実」
ムクゲンさんのそんな声が響きわたる。
「何処で採れたんです?」
「木になっていた普通のやつだ」
そう答えておく。
「なんて果物なんでしょう?えっと《鑑定》」
ずっとペラペラ喋っていたのに今度はいきなり黙り込んだ。
「これオウバイの実じゃないですか!」
そしていきなり大声を出して掴みかかってきた。
「馬鹿なんですか、アホなんですか!王侯貴族みたいな金持ちが食べる果実じゃないですか!それを行きずりの護衛対象に食べさせるって!何やってんですか!あんたは!」
今度は錯乱しながら喚き散らしている。ほんと何をしたいんだ、あんたは。
「知らなかったんだよ、そこら辺に山ほどなっていたんだよ」
「うあhvdjks」
言葉にならない叫び声をあげて彼は気絶した。
◇◇◇
「はっ」
ムクゲンさんが目を覚ました。
「ここはどこ?わたくしはだぁれ?」
起きた時に言う言葉ではないだろう。なんだわたくしって。実はふざけているだけなんだろう?気絶していただけなんだし。
「起きたかムクゲンさん」
そう声をかける。
「えっとわたくしは……」
「オウバイの実を食べて気絶した」
短く伝える。
「いやー。さっきは失礼しました」
「護衛中だし構わない」
一応そう答えておく。それにしても夜になってしまったな。
「あらま、すっかり夜ですね」
誰のせいだ誰の。
「テントを出してもらえますか?」
ムクゲンさんが立花さんにそう伝える。
「わかりました」
立花さんがテントをアイテムボックスから2つ取り出した。
「それじゃあご飯にしようか」
ムクゲンさんがカバンからシチューを取り出した。熱々のままだ。
「マジックバックにしまっておいたラララビットのシチューだ。お昼のオウバイの実のお礼だと思ってお腹いっぱい食べてくれ」
そう言ってシチューとパンを渡してくれる。その肉のやわらかさに驚かされながら楽しい夕食を楽しませてもらった。俺は夜通し見張りをすることにして、二人にはそれぞれのテントで眠って貰うことになった。
2019/05/07 一部表現を変更しました。
2019/05/19 一部表現を変更しました。




