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022話:扉の先は

~恋する乙女side~

 扉を開いた先は満天の星空が広がっていた。


「斗賀くん!斗賀くん!空だよ!空が広がっているよ!」


 私は喜びに包まれた。


「こんな満天の星空なんて見たことある?とーても綺麗だね」


 そう私が問いかけると斗賀くんはまっすぐと私を見つめると


「ああ、とっても綺麗だね」


 そう言ってくれた。


「それは私のことを言っているのかな?星空のことを言っているのかな?」


 意地悪して問いかけてみる。


「もちろんどっちもとっても綺麗だよ」


 優しく彼は微笑みながら答えてくれる。私を惚れさせるつもりなのだろうか。いやもうそうとしか思えない。私の顔は真っ赤だ。ちょっと恥ずかしいけどでそんなこと言ってくれるなんて……嬉しいな。


「夕食にしようか」


 彼が提案してくる。


「そうしようか」


 そう言って林檎もどきをアイテムボックスから取り出す。


「今更だけどこの林檎もどきの名前はなんていうんだろうね」


「そう言う事を俺達全く知らないもんな。あの夢でも出てこなかったしな」


「美味しいから良いんだけどね」


 会話を終わらせてしまった。何か話さなければ。


「こんなに星が綺麗に見えるのはかなりの山奥だからなのかな」


「都会だと星があまり綺麗に見えないしね」


 住んでいた街を思い出して少しは涙ぐんでしまう。


「もう帰れないのかな?」


 そんな弱気なことを言ってしまう。きっと帰れるさ。そう言ってくれたらどれだけ嬉しいことだろうか。都合よく不思議な夢で帰り方を知っていてくれないだろうか。そんなことを思っているのが顔にでも出てしまっていたのだろうか。


「《勇者召喚》には沢山の生け贄が必要だったらしい」


 突然、そんなことを言ってくる。


「きっと世界と世界とを繋げる方法はあるんだろう。だけど世界と世界とを繋げるには《勇者召喚》と同じように沢山の生け贄が必要なのかもしれない。必要じゃないのかもしれない。俺には全くわからないし探せば出てくるものなのかもわからない。だから手伝ってくれないかな」


 嬉しかったそう言ってくれたことが。


 あのクリスタルを見たとき私は絶望した。もうどうやっても家には帰れないそれがわかったとき悲しくて立ち上がれなかった。


 それなのに斗賀くんは自分勝手な意見を振りかざしていた。今思えば彼も必死だったんだろう。歩き続けてお腹も減ってしんどかったんだろう。あの時の彼は少し怖かった。襲ってきた化け物を殺して女の子の私に武器まで持たせて戦って。


 ようやく人を見つけたらその人には襲われて。そう考えると仕方がなかったのかもしれない。それに、私一人だったらおかしくなっていたかもしれない。


 いきなり知りもしない場所で襲われて、酷い目にあって、家には帰れない。ここで空を見上げられるのも彼のおかげだ。感謝しなくちゃならない。だから私は最高の笑顔で彼にこういってあげた。


「仕方が無いから手伝ってあげる」


これでひとまず第一章は終了となります。気に入って頂けたのならブックマークや感想をお願いします。それが私のやる気に繋がります。


2019/04/20 一部表現を変更しました。

2019/05/07 一部表現を変更しました。

2019/05/19 一部表現を変更しました。

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